続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

思い切りが大事 -アイスリボン後楽園1231

f:id:back_to_motif:20201231182918j:plain


 今年も無事開催となった年内最終戦後楽園ホールアイスリボンである

 

コロナ禍での会場観戦は2回目なんだけど、とりあえず開催できてよかったね。

 

チケットは北側の席だったので、背もたれがないのがちょっと苦しいし、試合後のアピールも南側なので全部背中越しになってしまうが、ともあれ距離は近いのでよかった。

 

この大会では安納がすずに挑戦という、なかなか不思議なカードがメインに組まれている。

 

アクトレスから離脱後の動きが注目されていた安納だが、スターダムではなくフリーを選んだのはさもありなんという気もしたものだ。

 

試合自体久しぶりに見るので、どんなものかしらという感じである。

 

勢い満載、やらかしもあった若いチャンピオンなので、どんな試合になるだろうか。

 

その他、雪妃もタッグとしてベルトに絡んできて、妹加と組んでの挑戦である。

 

それにしても、やっぱりおっさん率高いな。

 

まぁ、自分も完全におっさんの年齢になってしまったわけだが。

 

 

さて、第一試合は8人タッグマッチ、うのがリーダーのジョイントアーミーにバナーが加わっている組と、ラム会長と青野未来のいる組。 

f:id:back_to_motif:20201231183056j:plain

後ろ向きになってしまうが、タッグらしくわちゃわちゃしている。

 

この中でもやはり頭抜けた印象なのは本間だなという感じ。

 

会場の盛り上げから動き方も、いろいろ観てるんだろうなと。

 

なぜかバニーがやられキャラみたいな展開らしいが、なんかあんまりハマってなかったな。

 

また、何かと前に出てくるラム会長だが、もう少し技とか動きを体格に見合ったものにしないと。

 

ラリアットは明らかにあっていない。

 

身長も低いから胸に当っちゃうし。

 

最後はうのの関節で会長がギブアップ。

 

それにしても、やはり青野さん、美人だ。

 

 

続いては今年デビューの2人による同期マッチ。

 

一方は真面目な気が強い系、もう一方は不思議ちゃんで、何かと紙面を賑わせている。

 

2人とも名前は知っていたけど、試合は見たことがなかったのでどんなものかと思ったけど、最近の子は元気だし思い切りもいい。

f:id:back_to_motif:20201231183206j:plain

ただ、どちらも新人なので技や試合の組み立てはまだまだな分、キャラクタで存在感を出す真白の方が、どうしても目立つ感じだ。

 

試合中のすかしとかも含めて、この子はうまくすれば面白くなりそうだ。

 

すずの系譜だろうな。

 

試合はこの子の丸め込みで勝利。

 

この環境でも新人をデビューさせてて、偉いよな。

 

ちなみに、去年の後楽園では練習生としてちょっと登場してたんだね、2人とも。

f:id:back_to_motif:20201231190137j:plain

 

 

続いては高橋奈苗も参戦の6人タッグ、藤本、ハム子と組んで、対角に並ぶのは山下、つくし、いぶきである。

 

母娘タッグプラス他団体という構図であったが、試合はコミカルも入れつつ緩急のついた流石の試合であった。

f:id:back_to_motif:20201231183303j:plain

でも、やっぱり後ろ向きになってしまう。

 

それにしても、いぶきはいい感じに成長してきている印象だ。

 

同期のすずがまさかの団体チャンピオンになっていることも刺激になっているのか、攻撃も思い切りがいいし、母親とは違う路線でしっかりと見せられている。

 

つくしも弾丸娘全開だが、周りが伸びてくる中でやはりまだ甘んじている感があるように感じるな。

 

ベテラン組の硬軟織り交ぜた展開に、やはりスキルを見る思いである。

 

 

続いてはデスマッチ、世羅vs藤田である。

 

あれ、封印しなかったっけ?と思いつつ、すっかり板についた世羅と、ハードコアから推移してきているが毎度イマイチ弾けない藤田である。

 

蛍光灯扇にブロックに画鋲にと、見るだに痛々しい。

 

こういう凶器を使った試合は、やっぱり好きじゃない。

f:id:back_to_motif:20201231183601j:plain

道具を使うこと自体が目的化しているので、試合そのものの面白さがあんまりないんだよね。

 

強いて言えば、持ってきた道具をどのタイミングでどう使うかの見せ方なんだろうけど、そういうのは求めてないんだよね。

 

プロレスでは昔から凶器攻撃はあったけど、流れと思い切りの良さがないと、やらなくていいよと思ってしまう。

 

そして、やはり藤田は負けてしまって、正直数年前から進歩してないような気がしてならない。

 

凶器は誤魔化しにはならない。

 

 

ここでリングのマットを丸っと入れ替えるために少しブレイクタイム。

 

流石に破片とかあるものね。

 

 

次はセミファイナルで、タッグのベルト戦。

 

雪妃と妹加のタッグでもち、くるみ組に挑むのだが、妹加は別のチームで既に2回やって2回とも負けている。

 

三度目の正直となるこの試合のテーマは、ズバリ妹加のブレイクスルーだ。

 

馬力もあるしカラーもあるのに、いまいち抜け切らないのはまずなにより思い切りの悪さだと思っている。

 

もっとぶち当たっていけ!と、観ていて歯痒い場面が多く、今日もそれは変わらなかった。

f:id:back_to_motif:20201231183814j:plain

その中で雪妃のサポートの見事さである。

 

Ozで鍛えられたのだろう。

 

どうにも展開がもさっとしてしまい、肝心なところでスピード感が削がれてしまう展開が多く、ここも大きな課題だろう。

 

怪力でガッと相手を持ち上げて担ぎ上げる展開なんて、やっぱり観ていてすげぇなと思うわけだが、それをもっと際立たせる仕方はあるはずである。

 

別にとろくさいわけではないしね。

 

一気に畳みかける爆発力が出せれば、それだけでトップ戦線いけるのに。

 

とはいえ、雪妃の好サポートもあり無事ベルトを奪取。

 

なんやかんや周りに支えられる人柄はその人の持ち味なので、だからこそ遠慮せず当たりに行けるようになったらいいのにね。

 

 

そしてラストはすずと安納、試合前にはいろいろなやりとりがあり、安納がリード?

 

すずも大概天然なので、そのやりとりが絶妙にゆるくて面白かったわけだが、チャンピオンになって以降の彼女はどうなのか、そして試合自体久しぶりな安納、どっちも楽しみだった。

 

まず驚いたのは、スズの動きの良さに対応力、何より同期達と比べても他の選手と比べても格段にレベルが高い。

 

要所要所の荒さはあるけど、このキャリアでこれか!と素直に驚いた。

 

真面目なんだかふざけてんだかわからないところもあるけど、いかにもアイスリボンらしくていいではないか。

 

一方の安納も、正直試合のイメージはあんまりなくて、アクトレスの頃は全く観たことがなかったのでどんな試合かとか分からなかったんだけど、女子にあっては珍しいくらいオーソドックスなスタイルで、ルックスに似合わず堅実な印象。

 

それだけだとただのジミ子さんだが、投げ技と絞技を軸に、非常に引き出しの多い選手になっていてびっくりした。

 

スープレックスも綺麗だし、序盤で場外でフィッシャーマンをかますエグさも見せつけて、中盤ではシンプルに相手の頬をぶっ叩くというわかりやすさも。

f:id:back_to_motif:20201231183943j:plain

その展開のうまさは伊達にチャンピオンではなかってなという感じだ。

 

終盤少しどうしようかと迷うような場面もあったが、即動きにつなげたのはやっぱりプロレス力のなせるものだろう。

 

今回はすずが防衛となったわけだが、期待していたよりもずっと面白い試合であった。

 

今後はタッグで動いても面白そうな2人である。

f:id:back_to_motif:20201231184027j:plain

 

 

というわけで、なんだかんだ楽しめましたね。

 

今年はジャニーズのドームコンサートも無くなってしまったらしく、周辺は静かなものであったが、そんな制約の多い環境だからこそ、みんな余計に数少ない機会を生かそうとするよね。

 

結果的によかったこともあったのかなと思うわけである。

 

年明け以降にどう展開していくかを期待させる種もいくつかあったしね。

 

女子プロはスターダムが存在感は明らかに大きくなってしまったが、一方で独力でしっかり伸ばしている団体もある。

 

それぞれの環境だからどっちがどうという話では必ずしもないとは思うけど、一強じゃ面白くないから、頑張ってほしいよね。

 

いずれにせよ、若い世代が元気なことは、やっぱり頼もしいよね。