続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

団体カラーの比較

 

最近は男子の団体よりも女子の団体を好んでみている。

 

可愛い子も増えたので、単にそうした観点があることも否定はしないけど、私がプロレスに求めているものが、今は女子の方がわかりやすく出しているという背景もあるのである。

 

男子の団体もそれなりに面白いとは思うけど、新日本は綺麗すぎるし、ノアは旧態依然とした日本企業みたいだと思ってしまう。

 

ドラゴンゲートは相変わらず展開早く動いているが、ビッグマッチは関西によっているのと、関東では平日開催ばかりなのでなかなか足を運べない。

 

DDTは元々そこまで興味ないし、デスマッチはやはり乗り切れない。

 

インディーズはごく一部を覗いてはレベル感が厳しい。

 

最もこの辺りの事情は女子も大差ないと言えばそうなんだけど、トップ団体もまだまだ発展途上感もあるし、若い選手も多いため成長が目に見えるのでそれがやはり面白いんだよね。

 

女子団体では、資本力や関連会社含めてトップは疑うべくもなくスターダムだろう。

 

大箱の会場でも、客入りは厳しいと言えど実現させているし、着実んタレントも育っている。

 

ベテランがほぼいない若い団体ということもあるけど、勢いは間違いないだろう。

 

資本力で言えば、DDT=サイバーエジェント配下の東京女子もしっかりしているかもしれないが、私は1回も見る機会がないまま今に至る。

 

雑誌ではよくみているけど、イマイチ引き付けられるトピックがないというのが正直なところだ。

 

アイドル路線のアクトレスは2つに別れて以来、うまく行ってるのかよくわからないが、以前ほど名前を聴かないような気がするのは私の感度の問題か。

 

日本でスターダムに迫ると言えば女子プロレス界のインディーズ、アイスリボン だろう。

 

おそらくブシロード資本がスターダムにつかなければ今頃トップはこの団体だったんじゃないかという気もしている。

 

実際後楽園ホールでの開催頻度と集客数は2019年当時はトップだったし、安定的に若手と中堅がいながら、外部からのベテランもいい味を出している印象だった。

 

もっとも、それでも当時ブシロードがスターダムを選んだ理由もなんとなくわかるんだけどね。

 

ともあれ、今回は此の2団体をちょっと比べてみようかしら、という試みである。

 

早速外部データから。

 

 

まずは設立年。

 

アイスリボン:2006年、さくらえみにより設立。現在はさくらは離脱し、社長が立ちながら藤本つかさが選手兼取締役として全体をみている感じだ。

 

スターダム:2010年、ロッシー小川により設立。ブシロードが入ったことでプロモーション関連は全て外部に。選手は試合に専念しており、かつてはあった選手から直接チケットを買うルートも今は扱っていない。

 

設立年で言えばアイスリボンの方が早いが、当時はお遊戯プロレスと言われていたし、私もなんだ此の団体?と思っていたくらいなので、正直お世辞にも注目度は他の団体と比べても大したことはなかった。

 

むしろ、すでにスターであった風香も関わり、当時グラビアアイドルとしてそこそこ売れていたゆずぽんを担ぎ出し、高橋奈苗も参画していたこともあり注目を集めていたのはスターダムであった。

 

おそらくさくらが脱退する頃から試合そのものも本格的になっていき、中心にいた藤本のレスラーとしての評価が上がっていくにしたがい、またキッズレスラーの子達も頭角を表す中で徐々に大きくなっていったのがアイスリボン だった。

 

 

ここから今の状況を比較してみよう。

 

まずは団体の象徴たるチャンピオン、それぞれトップのベルト保持者を比較。

 

アイスリボン :アイスクロス∞/藤本つかさ

・スターダム:ワールドオブスターダム/林下詩美

 

若手の中心的な存在・林下がチャンプのスターダムに対して、アイスはベテラン藤本が先日チャンピオンに返り咲いたばかりだ。

 

此の状況にジュリアが暗に苦言のようなものを呈した格好になったが、とはいえスターダムでは今や白のベルトの方がメインに据えられる状況なので、果たして実質的な意味での比較かと言えば微妙か。

 

 

では団体No.2のベルトではどうかというと、下記の感じだろうか。

 

アイスリボン :Fantastic Ice/世羅りさ

・スターダム:ワンダーオブスターダム/中野たむ

 

アイスリボン のこのベルトはハードコア的なチャンピオンシップで色が明確であるし、No.2というとちょっと違うかもしれないが、いずれにせよトップクラスが持っているのに対して、スターダムは先のベルトと此のベルトの違いがなんなのかイマイチわからない。

 

昔からこの白いベルトも一定の存在感があり、イオやカイリも保持していたり、先の武道館大会でもメインに据えられるなど、位置付けが曖昧だ。

 

赤いベルトは海外の選手も多く戴冠していたので、興行に参加できない時には白のベルトが存在感を持っていたこともあって、結局なんなの?と個人的には思っている。

 

 

次に若手などもレンジに入れたベルトではどうか。

 

アイスリボン :トライアングルリボン/松屋うの

・スターダム:フューチャーオブスターダム/飯田沙耶

 

アイスのベルトは変則ルールということもあるので一概に比較はしづらいが、ともあれチャレンジ枠含めると此の二つになるだろうか。

 

こちらはスターダムの方が位置付けはわかりやすいね。

 

トライアングルは中堅も含めて目立たない人のチャンスベルトみたいな印象もある。

 

 

その他のシングルベルトはこちらか。

 

アイスリボン :IW19/春輝つくし

・スターダム:ハイスピード王座/なつぽい、SWA世界王座:朱里

 

いずれの団体においても、位置付けがまだ定まっていないベルトと言えるだろう。

 

スターダムのハイスピードについては、これまでは初代の夏樹たいようや前王者のAZMにより一定の価値があったけど、なつぽいに写って、彼女がすぐに白のベルト挑戦表明をしてしまったことで価値が曖昧になってしまったと個人的には思っている。

 

ともあれ、中堅くらいの選手も保持するベルトなので、いずれもこれからどんな色を出していうかがチャンピオンになったものの手腕によるだろう。

 

 

最後にタッグベルトについて。

 

アイスリボン :インターナショナルリボンタッグ/雪妃真矢・尾崎妹加

・スターダム:ゴッデスオブスターダム/ジュリア・朱里、アーティストオブスターダム/中野たむ・うなぎサヤカ・白川未奈

 

アイスリボン は割と此のタッグベルトも上手に機能させている印象で、尾崎は此のベルお戴冠により大きく飛躍している。

 

対するスターダムはここ数年はあまり機能させられていないように思う。

 

アーティストはいわばチャンス枠な印象だけど、すぐに他のベルトのことを口に出しすぎるので、先のハイスピード同様存在価値が微妙だ。

 

タッグについてはジュリア、朱里に預けたことで底上げを狙っているんだろうなと思うが。

 

こうしてチャンピオンベルトを見ていっても、わかりやすさや権威付の仕方も違うよね。

 

正直スターダムはベルト作りすぎで、新日本と同じ轍を踏んでいるように思うがどうだろうか。

 

 

次に選手を比べてみようか。

 

まず団体のトップ選手について。

 

アイスリボン

 トップ/藤本つかさ雪妃真矢世羅りさ、柊くるみ、春輝つくし、鈴季すず

 次点/星ハム子宮城もち

 これから感/藤田あかね、トトロさつき、松屋うの、バニー及川

 若手/星いぶき、真優希、石川奈青

 

・スターダム:

 トップ/岩谷麻優林下詩美中野たむ、ジュリア、朱里

 次点/ひめか、舞華、刀羅ナツコ、鹿島沙季、小波、AZM、渡辺桃、スターライトキッド

 これから感/なつぽい、上谷沙弥、飯田沙耶、白川未奈、ウナギサヤカ

 若手/南3姉妹、レディC、ルアカ

 

この辺りのバランスはあまり変わらないかもしれないが、次点ポジションのそうの暑さはスターダムだろうか。

 

まあ、ある程度キャリアを持って移籍している選手も多いし、小波、桃、AZMあたりは 本当ならトップの一角のはずであるが、それが惜しいところだ。

 

ちなみにジュリアもアイスリボン の頃はせいぜいこれから枠だったので、環境を変えたのは大成功だったと言えるだろう。

 

トップどころを見ていくと、新旧バランスよくいるのはアイスリボンではあるが、これがリング上でどれだけ見せられるかだろうか。

 

 

最後に両団体のスタンスについて。

 

あくまで一ファンの目から見てという話なので違うかもしれないけど、少なくとも私にはこう見えるということで。

 

アイスリボンについてはなんとなく日本的な企業感を感じる。

 

別に悪い意味ではなくて、とてもウェットな運営をしているという意味である。

 

試合についても演出についても、まだまだ藤本つかさに寄っているところが大きい。

 

その意味でベンチャー企業っていう感じがする。

 

選手のキャリアについてみても、社会人キャリアを積んでいる中でモヤモヤした思いを持って参入してきた選手が多いので、個人のストーリーもわかりやすい。

 

大手資本も受けないまま男子も含めた他の団体とアライアンスを組みながら今まできているので、それ自体はすごいことである。

 

反面世界的な選手の数は少なく、藤本くらいしたお呼ばれしていないのが実際である。

 

対するスターダムは賛否も非常に多いし、選手の入れ替わりも非常に多いのでベテランと言っても岩谷くらいだ。

 

しかし、イオやカイリ、特にカイリは生え抜きなので、そうした世界的な選手も抱えているのはスターダムである。

 

コネクションの問題もあるだろうが、そこは大きな差ではないだろうか。

 

もっとも、ブシロード配下になった今、今後もWWEに参戦するような選手が出るかは正直微妙だと思う。

 

先週云々よりもブシロードが離さないのではないかと。

 

まあ、一方で別の見方をすれば、そういう世界への門戸が開かれている団体というブランディングを考えれば、むしろ積極的に出すことも考えられるか。

 

いずれにせよ、割とドライな印象なのはスターダムである。

 

 

と、つらつら書いてみて取り止めがなくなってしまったんだけど、どちらも似たような色だったらそれはそれで面白味もないので、違うベクトルの団体が存在していることは面白いことである。

 

どちらも有望な若手も中堅もいるので、それぞれに大きくなって、いつかは団体対抗戦でもやってくれるようになるともっと面白いと思うけどね。