この土日は新日本プロレスのメットライフドーム2daysであった。
東京ドーム以外ではかなり大箱での開催であったが、観客はかなり絞りながらもなお少ないのは時制的にしかたないところか。
個人的にこの大会での注目点は、鷹木の防衛戦とスターダム勢の試合だ。
スターダムについては、昨年に続き今年の東京ドームでも提供試合を行なっており、同じブシロード傘下として徐々に新日ファンにも浸透してきたのではないだろうか。
スターダムとしても団体内では大きなリーグ戦を開催中とあって、雑誌露出も多いスター選手だけでなく新人含めて参戦させたのは結果的によかったのではないか。
カード発表されたときに、驚いたのは2日連続で出場となった渡辺桃・上谷沙耶の二人だろう。
上谷は東京ドームにも出ており、そこでのフェニックススプラッシュも話題になっていたので既に一定認知されていただろう。
他方の桃は前回同じユニットの選手が出る中で、リーダーでありながら唯一参戦できなかった。
そこできて2連戦なので、ファンとしてはうれしくなるよね。
対するも舞華と、なんとまだ本線でも勝ち星のないレディCだ。
2日目はジュリア・朱里のアリカバのタッグチャンピオンではあるが、初日は結構思い切ったカードだったよね。
まずは初日の試合。
思いの外入場の段階から緊張感はなく、みんな堂々としたものだ。
レディはコスチュームも新たにしての登場だが、特に上谷と並ぶと二人とも上背もあるし手足も長いので非常に見栄えがするよな。
他方で桃と舞華は共にどちらかといえばガタイのいい選手たちだが、中でも光っていたのはやはり渡辺桃ではないだろうか。
解説にはミラノコレクションが付いていたので丁寧な解説が良かったが、トータルでなんでもできるし、技と技の流れもスムーズ、でかい技も地味ながらしっかりした絞め技もなんでもできるから、やっぱり安定感は抜群だ。
また試合の中でも適宜介入して、タッグマッチとしてのテンポもしっかりと出していたのがさすがである。
見た目には飛び技の多い上谷や、ダブルブレンバスターなどの注目ポイントの作りやすい技を出せる舞華の方が見せ場は多かったが、ともあれめちゃくちゃいい仕事した桃はもっと注目されて然るべきだ。
また測らずも大舞台への大抜擢となったレディCだが、最近はG馬場の技を取り込むなど、徐々にキャラクタも出しつつある。
まだちゃんと自分のものにできているとは言い難いし、やはり試合を決めに行くための畳み掛けという観点では課題は多いけど、なんだかちょっと吹っ切れたような印象もあるし、なにより萎縮せずによく動けていたのは大したものだ。
年齢的に若い選手も多いし、見た目にアイドルルックな子も多い中で彼女は割とアダルティな雰囲気があるが、年齢的にはまだ24なので、上谷と同い年くらいのはずだ。
解説の二人も愛があってよかったね。
そして2日目は対アリカバだ。
正直初日と比べると、ちょっとこじんまりした展開になってしまった印象は否めない。
いい悪いというよりは、割とそうした展開が強い選手が多いからなんだけど、ちょっとドームの試合としては物足りなかったかなと。
それでも女子らしい華やかさもしっかり見たし、やっぱり桃は安定感よかったな。
ただ、ちょっと思ったのはオールラウンダーで試合を決める大技もあるが、こうした短期決戦のような場面だと、どうしても性急な印象になってしまい、せっかくの技がちょっと安い扱いになってしまうこともある。
その辺りは畳み掛けと抜きさしのバランスをもっと撮れるようになって、展開に幅が出せるともっと良くなりそうだ。
いやほんと、1回ユニットから離脱してもいいと思うんだけどな。
ともあれ、今回はワールドの方でも配信されたので、新規ファンの獲得につながるといいですね。
少なくとも他の女子プロ団体よりは試合のレベルは1段以上高いものを出せているので、変に斜に構えないで見てみて欲しいものだ。
そして鷹木である。
今やすっかり新日本のトップに立ったわけだが、相変わらずいい試合をするな。
レスラーとしての面構えもいいし、少し前までヒールユニットだったロスインゴの中でも、ちょっと違うキャラクタで絶妙なところにいる。
体格はJr.だけど、体もその分しっかり作っているし、徐々に大きくなってきているしね。
相手はEvilなので、個人的には期待していないけど、すっかりベビーの佇まいだ。
分かりやすい乱入劇満載の試合は、ちょっとみていてしんどいけど、鷹木はさすがドラゲーで培ったごちゃごちゃ展開もお手の物だ。
自己プロデュースやマイク、複雑な試合展開も、シングルでのメリアハリのある展開づくりも、やっぱりドラゲー/闘龍門出身の選手ってレベル高いよな。
身体能力だけじゃなくて、こうした能力ってすごいなと思うんだ。
まあ、CIMA譲りのマイクの長さはちょっとあれかもしれないが、ともあれここまで喋れる選手もなかなかいないから、その意味でも存在感は必然ますよな。
ちなみに、初日は解説席で棚橋の試合を見ていたが、ちゃっかり写真も撮ってSNSで上げていたが、素直に「この人はすげぇな」とか言ってしまうナチュラルさもいい。
久しぶりに2日間とも高いを、配信とはいえリアルタイムでみて、なんだかんだ新日本は充実しているよな。
スターダムも傘下に入ったので、今後はさらに展開も作りやすいだろう。
Noahと違って若手やこれから脂ののっている選手が中心にいるのもいい。
新日本からすれば、これまでオカダ、内藤、棚橋、ちょっと飯伏の4人だけだったところにしっかり入ってきて、なんなら正直飯伏がチャンピオンとして思ったより跳ねなかったところに彼の登場は本当によかっただろうな。
まあ、嫌なファンとしての邪推もあるけど、ともあれこうして才能も力も華もある選手が然るべき脚光を浴びるのはいいよね。
こういうのもきっかけに、また業界として盛り上がるのを期待するばかりだ。