今日は毎年恒例のアイスリボン、年末最後の後楽園大会へ。
プロレス自体気がつけば随分久しぶりだが、アイスも結構久しぶりかな。
この年末をもって主力選手の多くが退団、他方で新たにデビューした選手や、朝陽のようにしばらく停止していたが再開したものもあり、ネガティブなばかりではない。
しかし、いっときは女子プロの中でも安定的に1000人を超える集客力でトップに近づいていたが、いつも間にかすっかりスターダムに水を開けられてしまった印象だ。
ともあれ選手は変わらず頑張っているのだろうと期待しつつ観ることに。
メインはつくしとラム会長とのことなので、正直そそられないんだけど、まあ他の試合に期待しつつだ。
第1試合は主に若手、新人たちによる8人タッグだ。
復帰した朝陽もいるが、この子はいつのまにかすっかり大人っぽくなって、年齢も19なんだね。
まだ高校生くらいかと思っていたが。
ともあれ近い将来団体のトップに立つことをきたいされるポジションだろう。
しかし、なんか緩いな。
第一試合で新人も多いのでまあそんなものかもしれないが、もう少しピリッとしても良いのでは、というのは好みの問題が。
続く第二試合は安納・妹加vs青野・石川。
アクトレスの活動方針に伴い退団する者もいる中で、青野は残留することに。
プロレス団体ではなく独自路線を目指すにあたって鎖国を宣言しているため、この試合が実質最後のプロレスとなる。
個人的には非常に残念で勿体無いような思いがしてしまう。
とても美人なのだが、これでパワーファイターである。
結構体もゴツいし、ラリアットで重量級選手も吹っ飛ばしている。
技も割と綺麗なので、もっとガンガンやってくれると良かったのに。
ともあれ仕方あるまい。
安納と尾崎も元々アクトレスなので、色々のこともあるだろう。
で、この試合で驚いたのは尾崎の躍動である。
ベルトをとって以降は何か吹っ切れた感もあったが、そこから順調に成長したらしく、試合のキレも良いがちゃんと主張をするようになっている。
安納はやはりオールラウンドな感じだ。
過去らのキャリアの選手はやはり動きもいいし、ちゃんと試合になるね。
まぁ、もう少し打撃にキレがあるほうが見栄えもいいなと思いつつ。
ちなみにセコンドには本間がいたが、彼女は確か退団してプロレスを続けることになっている。
フリーかアイスに入るかかな、なんて思っているが怪我で欠場中なのでこれからだろう。
第3試合は都vs真白の新旧トンパチのシングル戦だ。
その手前でタッグでやったらしいが、そこを受けての試合らしい。
自らの歌を歌いながら都は入場してきたが、真白が奇襲する形でスタート。
歌わせてやれ!というヤジを聴きながら、なんか後楽園だなとか思ったり。
それにしても、真白は随分動けるようになったのね。
若い子は成長が早い。
そして試合はなぜか途中からグローブをつけて何ルールか訳のわからん展開に。
まぁ、それがなくてもわけわかんなかったが。
最後は真白が勝ち、トライアングルのベルト挑戦を表明。
チャピオンは尾崎だが、そっちのけで都が叫ぶ。
こいつはほんとにふざけていて面白い。
それはともかく、ここでも尾崎はしっかりマイクをやっていて、すっかり成長したねと改めて思いつつ。
第4試合はこの年末で退団となるすず・もちvs つっか・トトロのタッグ戦。
すずはまさに次の世代のトップ候補、しかし指向としてはデスマッチに向いているため、これ以上アイスでは物足りないというのが実際だろう。
そして個人的には意外だったのがもちも同じベクトルで退団となったこと。
そんなにデスマッチのイメージもなかったが、確かにちょいちょいやってたものな。
世羅、くるみ、藤田らと共にユニットとしての活動らしい。
この試合で気をはいたのはトトロであったね。
ここ一年でグッと評価も上げた印象だが、主力のベテラン勢が抜ける中でその一角になる選手だろうからね。
団体随一の巨体ながら、パワーファイターと呼ぶにはやや迫力に欠けていたが、スピードもだいぶ着いて、体を生かした戦い方もだいぶ出来てきているようだ。
他方、すずは途中自転車で乗り付けて、デビュー当時のトレースしながらデビュー前に転んで鎖骨を折って事を自分でいじるなど、若いながら幅を持っているよな。
最後はトトロが決めて、もちはグロッキーになってしまってたね。
続く第5試合は山下vs藤田のハードコアベルト戦。
ルールはエニウェアフォールマッチということでリング外でのフォールやギブアップも認めるというもの、それ以外は普通の試合と同じだ。
藤田も退団が決まっているわけだが、成長しているのだろうか、というのが率直な焦点だ。
でも、前よりはずっと良くなってきてはいるよね。
私は割と試合のテンポとか、展開をちゃんと組める選手を評価しがちなんだけど、その点で言うと点の展開が多いと感じてしまう。
単に痛そうな頭突きをゴツンとかは、そんなに求めてないんだよな。
ともあれ、山下から取ったのだから、しっかり守っていかないとね。
第6試合はタッグマッチ、アジュレボvs星親子である。
アジュレボは2人とも退団、世羅はハードコアの方、雪妃はフリーとしてになるが、タッグ屋としては団体の中で恒常的に機能しているほぼ唯一のコンビだろう。
昔は世羅が雪妃を引っ張る形だったのが、今は2人ともしっかり独立したレスラーになっている点もストーリーがあって良いし、何より2人とも背が高くスタイルもいいので見栄えもする。
対する星親子も、その存在自体がレアだし、娘のいぶきは今年高校を卒業するからまだ高校生だ。
しかし、自分なりのスタイルも身につけつつ、またプロレスのセンスはなかなかいいものを持っている。
ハム子はその特異なキャラで元々存在感はあったが、なんだかんだ試合の緩急の付け方などはうまいと思う。
とはいえ、アジュレボが負けるイメージもないのでどうなるかなと思ったが、いぶきが決めて腫れて戴冠となった。
いぶきはチョップが代名詞のようになっているので、そういう技があるとやはり強いよね。
展開としてややだれる場面もあったが、全体的にはよかったね。
ところで、ハム子はえらい痩せていてびっくりした。
そのせいで得意の腹攻撃などが絶妙に説得力をなくしてしまった感は否めないな。
またスタイルも模索していくのだろうか。
メインはつくしvsラム会長のICだ。
2人はキッズレスラーとしてデビューして、2人とも今も現役ということで、その辺りのストーリーはあるよね。
そして実はちゃんとシングルでやったことはないというのもある。
ただ、冒頭にも書いたが個人的にはこのカードはあまりそそられなかった。
カードというか、ラム会長にであるが。
なぜ彼女がこうした人気を持っているのかがいまいちわからない。
身長は女子の中にあっても小さく、つくしと同じくらい、そして手足も細く、ほんとに普通の女の子だ。
里歩のようにめちゃくちゃ素早く動き回って体ごとぶつかっていくような戦法かといえばそうでもない。
なぜかフィニッシュにレインメーカー式ラリアットを使っているが、さすがにあってなさすぎである。
そんな彼女とハードヒットのつくし、どうなるのかしらと思っていたが、結論から言うと試合自体は悪くはなかった。
小型で体躯も細い選手が無理に力技を使うよりは、動き回って隙をつきながら戦うのがやっぱりスリリングにもなる。
今回みたいに体格は同じで、しかもゴリゴリのハードヒットの選手であれば、そこの対比は出しづらいが、つくしが割と真正面からぶつかるタイプなので、そこをすかしながらどう戦うかだが、序盤はグランドで攻防して、そこからロープワーク、場外に出て少しラフな展開、リング上ではドラゴンスクリューを出すなど、これまで観た中で1番よかった。
ただ、惜しかったのはこれだという決定打に欠けることだな。
途中までつくしのエルボーを交わしまくって食らわないようにしていたのは良かったが、それを軸にもっと盛り上げられたはずなのに。
終盤では丸め込みがちょっとテンポが遅れたり、精細を欠く場面もありもったいなかった。
最後はつくしの丸め込みで3カウントとなったが、それももうひと盛り上がりが欲しかったな。
ともあれ、また違う色の試合を見せられたのは良かったのではないだろうか。
年内最終大会、そして退団する選手も多いが、あまりそういうトピックは大会中は語られなかったな。
すずが試合中に叫んだくらいだったし、世羅は終わったさっさと退場、雪妃はしばらくはリングにいたが、マイクを持つこともなく、静かに礼をして去っていった。
特に王者組もそれに言及もしなかったし。
まぁ、辞めていく人が多いので、あんまり声高には言わず、あくまで新体制という点を押したような印象であった。
それでいいとは思うが、ちょっと寂しさもあるよね。
ともあれ、今日は席はフル開放して、おそらく8割くらいは入っていたかなという感じだったので、良かったのではないだろうか。
客席への雪崩れ込みは流石に禁止にしているみたいだが、着実に去年よりはポジティブだ。
来年からどうなるか、また情報を追っかけながら観ていよう。