昨日はスターダムの両国大会へ。
珍しく知人と連れ立って行ったのだけど、1人はちょっと興味あるという感じ、今1人は興味はないがせっかくならと付き合ってくれたのだが、どうせなら演出含めて派手さがありそうな方が良いかなと思い。
それがなくても個人的には行ったが、ともあれ少しでも楽しんでくれると良いなと思いつつ。
今回はプロレス的なトピックが満載で、まず1番はカイリのスターダム復帰だ。
私は彼女の国内ラストの大会も観にいったのだが、それから5年で今や世界的な有名人になったわけで、割と昔から観ているファンとしてやはり嬉しいものだ。
とはいえ、WWEのスタイルとスターダムのスタイルは違うので、今の彼女がどうフィットするかというのは一つの不安材料ではあった。
初戦は岩谷との懐かしタッグで、たむ・ウナギ組と対戦。
ポンコツ天然な2人組は久しぶりだね。
対するは意外と常識的なたむにとにかく喚き散らすようなウナギだが、最近ちょっと面白くなってきた。
ただ、試合でどうできるかである。
また、今回はシングルベルトは連日でくまれており、次の挑戦者が決まっているというやや歪とも言える組み方だったのだが、それぞれにテーマはきちんとあった。
まずメインの赤いベルトは、現チャンピオンは朱里だが、初日の相手はジュリア、タッグパートナーとして組んでいる2人な上、ジュリアにとってはここスターダムでも1番の盟友でもある。
ユニットの最初のメンバーだしね。
しかし、人数も増えていく中でとうとう朱里が離脱することに。
そのケジメ的な意味合いもある試合なので、特にDDMのファンにはなかなか複雑なカードだっただろう。
セミファイナルは白のベルト、こちらもお互いタッグパートナーの詩美と上谷、今回は上谷がチャンピオンとして迎える立ち場となり、これまでと逆の立ち位置だ。
昨年女子プロ大賞を獲ったが年末に陥落した詩美、そこから少し低迷というか、立ち位置が示しきれていない中で、ここ一年でグッと成長して暴露キャラも相まって出していく自分を見つけた上谷。
常に一歩先にいた詩美の隣に立てるかどうかと言ったところだろう。
そして第一試合にも組まれているのが若手のベルト、フューチャー戦だが、実の姉妹対決だ。
チャンピオンは長女の羽南、対するは妹の吏南。
どちらもまだ学生なので、発展途上ながら何を見せていくかである。
そのほかのカードでの注目はやはりプロミネンスの参戦だろう。
ようやくすずがリングに上がり、世羅とのタッグで舞華・テクラとタッグでぶつかる。
スターダムは割と新しいファンが増えているし、新日本同様女子プロファンというよりスターダムファンという人も少なくないのでよく知られていないところはあるだろうが、テクラも元々はアイスリボンで、つい半年前まで彼女らとやっていた。
また世羅は昔は彩羽とのタッグもやってたりして、以前から縁はあった。
また、世羅もすずもシングル王者経験者、しかもアイスリボンが業界で一歩リードみたいな時のチャンピオンなので、実力的には舞華、テクラより格上なのである。
特に世羅は最近ではデスマッチのイメージが強くなっているが、普通のプロレスルールでもデカい技でドスンとキメに行くようなスタイルなので、ちょっと舞華と近いところもあるように思う。
そしてすずはとにかくプロレスセンスが素晴らしい。
19歳ながらに動きのキレだけじゃなくて発想もすごいので、平気でスターダムの中堅くらいの選手なら余裕で食われてしまうだろう。
男子ともやってるくらいなので、タフさは質の違うものがある。
下手すると井の中の蛙と言われるのはスターダムの選手かもしれないわけである。
いよいよ本番といったカードなので、やっぱり楽しみだよね。
そんな両国初日、すでに前振りだけで長いので気になった試合だけ。
まずはゴッデスのタッグ戦、葉月・コグマの出戻り組と対するは昨年ヒールターンした生え抜きのキッド・桃組だ。
色々言われる4人だが、なんだかんだプロレスの実力は団体トップクラスなのは間違いない。
キッドはここ半年くらいで本当に良くなったと思う。
桃は元から自力はあるのに主張の弱さと立場が邪魔してたような印象なので、ここらでもっと自由にやってもう一皮剥けたいところだ。
対する葉月はデビュー当時は田舎のヤンキー娘で芋くさい感じだったが、花月の薫陶を受けて一気に進化、色気のあるいいレスラーになった矢先に変な形で退団してしまったのでもったいなさ満載だったが、やっぱり諦めきれずに復帰して、ようやく調子を取り戻し始めている印象だ。
またコグマはかつて天才と呼ばれただけあり、動きや発想力はさすが。
何をするかわからない危うさもあるのがすごいところだが、しかしやはりブランクが長かった。
言ってしまえば、無茶はやるかやらないかの世界だが、そのもう一歩先のところにいるかといえば、個人的にはまだだと思っている。
それでもすごいんだけどね。
で、試合自体は終始桃・キッド組が優勢で進めていた印象だった。
特に桃は先にも書いたけど、シングル戦やらせたら実力はトップクラスだ。
番組のダイジェストで投げられている相手を見ると桃であることが実は多いが、それってそれだけ受けがうまいということだし、本当に危ない技はそれなりの選手にしか出さないという分別も実はちゃんとある。
終盤にとってつけたような凶器攻撃をやっていたが、それがなくても結構余裕で買ってしまったのではないかというのが、見ていた正直な感想だった。
コグマも葉月も全然悪くなかったけど、ずっとやり続けてきた二人に対してはまだまだ実力やそういうものが追いついていなかったんじゃないかな。
それこそ今のリング上ではひめかや舞華らもトップ戦線のように見ているファンも少なくないけど、残念ながらまだそこまでじゃない。
コズエンもたむ以外はまだまだだ。
着実にみんな良くなっているけど、やっぱり特に桃の実力は岩谷や朱里と並べても遜色ないと個人的には思っている。
ともあれ王座は移動、SNSのコメントでは凶器を使って云々というコメントがたくさんあったが、正直あれがなかったらチャンピオンチームの立つ瀬がないくらい差があったと個人的には感じた。
試合後の無言も、実はそういう感情なんじゃないかと思ってしまう。
でも、二人とも地力はあると思うので、ここからグッと這い上がってほしいよね。
いてうもまだ若いし。
続くはDDMとプロミネンスについて。
この試合ではプロミネンスの二人の凄さをアピールした試合だったのかなという印象だった。
舞華も頑張っていたし、テクラも流石の動きだったけど、世羅のパワーや頑丈さと、すずのひらめきと動きの良さがめちゃくちゃ際立っていた。
残念ながら舞華の印象がなかったんだよな。
試合後につっかかって、ジュリアばかり言ってると足を掬われるぞ、とか言っていたが、あの結果であのコメントは正直滑っていた。
負けてんだから、足元掬われているのは自分達である。
今後どう展開していくかわからないが、まだ怪我から復帰していないくるみが本当に振り切れたら、世羅、すずと合わせて本当に凄まじい破壊力のあるユニットになるので、残念だけど今のDDMには荷が重いだろうなと思ってしまう。
ひめかも頑張っているけど、才能というやつをどうしても感じてしまうのではないだろうか。
そしてカイリの復帰戦。
今回会場で見ていて本当に残念だったことの一つに、せっかくヴィジョンがあるのに入場シーンを写さずにPR映像を流し続けていたこと。
ライティングも最大限やっているのに、会場の遠い席だとそれがわかんないのよ。
まあ仕方ないところかもしれないが、これは本当に残念だった。
ともあれ試合である。
どうしてもカイリの動きに期待してしまうが、なんやかんや注目はウナギである。
この中で一人圧倒的にキャリアも実績もないが、とにかく吠える。
実際に試合で何を見せるかだが、結論から言えばまだまだだけど、結構頑張ったよね。
そして、何よりすごかったのはやはりカイリか。
序盤こそまだまだ本調子じゃないか?と思ったが、緩急の付け方はさすがのWWE仕込みというべきか。
フィジカルパフォーマンスはさすが、そしてラストはあのダイビングエルボーだ。
やっぱり金を取れるレスラーってこういう存在なんだろうな。
私はWWEの頃の試合は見ていないけど、ともあれこれからまた日本のスタイルにアジャストしながらどう反映していくかだろうな。
ただ、根本は変わってなくて、相変わらず長くてグダグダのマイクは健在だ。
そして、ウナギは頑張った。
そしてセミファイナル、上谷と詩美のパートナー対決だが、上谷がさらに上に行くためには勝たないといけない。
そして詩美とてまだデビュー数年ながらある意味では踏み台的な役割もするようなポジションになったのだなと。
試合はよかったよ。
終始上谷の勢いが継続していたような印象だ。
もはや横綱相撲のような詩美はさすがであったね。
時間切れギリギリで上谷の防衛であったが、本当にこれからだろうな。
そしてメインの朱里vsジュリア。
ジュリアはここ2年で大きく成長したなと本当に思う。
ただ、朱里の説得力はもはや無二だ。
試合自体はなかなかに白熱したけど、個人的にはジュリアも発展途上だなと感じだ。
でも、それ以上にストーリー的な観点でなかなかの胸熱だった。
プロレスってこういうのだよなと思ったものだ
ちなみにこの日は朱里が新ユニット結成の、メンバーを連れてくる的な発言があったがリング上で紹介は一切なく、あとでSNSでその存在を知るという。
朱里のこれからの課題だろうな。
と、前振りの方が長くなってしまったが、なんだかんだ全体的にもいい興行でしたね。
色々思うところがないではないが、全体としては楽しめたね。
時間的に2日目も全て終わっている時間だろうが、新日よりも外交にも積極的なので、これからの女子プロレス界の中心になって言ってほしいものだ。