続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

新しい芽 –Stardom 大田区体育館

連休初日の今日は午前はまったりと過ごして、夕方からスターダムの大田区体育館大会へ。

 

約1ヶ月にわたる春の恒例大会、シンデレラトーナメントの決勝戦と、タイトルマッチとしてハイスピードと赤のベルトのチャンピオンシップが今回の目玉だ。

 

トーナメントについては復帰した二人のどちらかか、あるいは期待の新星かといったところだった。

 

ベルト戦では、まず赤についてはしばらく維持し続けるであろう朱里に挑むはひめかだ。

 

ビジュアルは随一とあって人気があるが、正直試合自体でそこまで存在感を示しているかといえば個人的には疑問だ。

 

アクトレスの時と比べれば体も絞れて動きも良くなっているが、体格を生かしたパワー系の技を主体にしつつも、筋力自体がそこまでないせいか説得力があまりない。

 

3人タッグのベルトは持っているのだけど、これまでもあんまり印象的な場面がないなという感じだった。

 

あまり主張をするタイプでもないせいかもしれないが、ここにきて何を見せるかである。

 

他方のハイスピードは、この大会唯一の他団体選手、駿河メイがAZMに挑む。

 

先の両国大会のランブル戦で勝利したのがこの子だが、所属は我闘雲舞所属、里歩を排出したさくらえみの弟子筋である。

 

私はこの選手を知らなかったが、非常に陽気な印象で、先の両国では新人の天咲とのリング外での絡みがプチ話題となっていた。

 

そもそも私はAZMは素晴らしい選手だと思っているので、どう絡むかが楽しみだったね。

 

 

全部の試合を言及していると疲れるので、ごく一部についてのみ。

 

まずはトーナメントの準決勝について。

この写真は個人的に上手く撮れたから載せてみただけだ。

 

ちなみにこのなつぽい、実はそこそこキャリアもあって、私もスターダム入団前に二つ名でやっていた時から知っていた。

 

当時から可愛らしいルックスと新体操由来?の動きでそれこそデビュー当時の紫雷イオを彷彿とさせるところもあった記憶だ。

 

しかし、結構洗い技をやるし、ドスのきいた挑発もかましている。

 

最近では投げっぱなしジャーマンをよく使っており、やられる側は大変だろう。

 

対するMIRAIは今年に入ってスターダムに入団、元々はジュリア率いるドンナ・デル・モンドに入るも、朱里の離脱について行く格好に。

 

先の両国大会では連日シングルが組まれるなど、団体の期待値も伺える。

 

ぶっちゃけアイドルルックではない中なので、スターダムとしてこうした格闘技路線、言ってしまえば朱里的な格闘技色も打ち出していきたいという戦略だろう。

 

ちなみに、別にアイドルルックではないが人懐っこい顔をしており、喋るとどこか辿々しく、とりあえず性格はめっちゃいい子なんだろうなというのは伝わってくる。

 

途中危うい場面もあったが、結果はMIRAIの勝利だった。

 

もう一方の準決勝はコグマと葉月というタッグパートナー同士で、どちらもちょいと訳ありで辞めたが、ほぼ同時期に復帰した二人だ。

 

どちらもプロレスの才能はある二人だったので、ファンに惜しまれていたのでこうして復帰したのはよかったよね。

 

私としては葉月の優勝を思っていたが、結果はコグマの勝利。

 

しかし、この二人はやっぱり基礎もしっかりしているので、試合の流れとか質はやっぱり高かったね。

 

 

そしてシングル以外はガントレットマッチ、その他の全選手が3人タッグを組んで勝ち抜き戦で出てくるのだが、ここに岩谷、ジュリア、詩美、たむなど主力選手も出てくる。

 

選手の層の暑さを感じずにはいられない。

 

で、なんやかんやで買ったのはコズエン。

ユニットとしてはちょっと乗り切れていないというか、他と比べてちょっとここから先がどうなるかという感じだ。

 

櫻井はDDMへ、月山はまだ1回も勝てていない中で、結局コズエンはこの3人で完結しているようにも感じる。

 

色々言われる彼女たちだし、私もどうなの?と思っていたけど、だんだん面白くなってくるのが彼女たちの魅力か。

 

とくにちゃんみなが最近面白いので、今度また個別記事を書こうかと思うが、ともあれ団体としてもどのように展開させるかは悩ましいのかもしれない。

 

で、ガントレットマッチで勝利後、元アクトレスから分派したColor'sのメンバーが登場、次回大会でのユニット対抗戦となった。

 

どの大会でやるのかわからないが、ここで月山が存在感を示せるかどうかだが、このいざこざで顔を出さなかったのはなぜなのか。

 

ちなみに、試合後なぜかウナギがはしゃいでいた。

 

 

そしてハイスピードの決勝。

 

私は駿河メイという選手は初めて見るのだけど、結論から言うと良い選手ですね。

 

非常に可愛らしい見た目に全開の陽キャ、しかしどこか狂気を感じるのが素晴らしい。

対するAZMは男女通しても圧倒的なプロレスセンス、投極打全てバランス良くこなせるまさにプロレスラー的な戦い方をできる上、試合の組み立ても見事、そんな彼女が指名したのがこの選手なので、どんな展開になるのかと。

 

今回の試合は全体としては駿河メイ全開といった展開で、スターダムのファンにも存在感を十二分に示したのではないだろうか。

 

ハイスピードの何恥じないスピーディな攻防の間に、独特のムーブを見せてくるのだけど、もはや才能の領域で、なるほどこの子は面白い。

 

おふざけとも言える動きもあるが、一つ一つが正確だし、気づいたら受け入れちゃうからね。

 

最後は丸め込み合戦に競り勝つ形でAZMの勝利となった。

今回の大会でのベストインパクトの試合だったね。

 

試合後、AZMが戦前から言っていたタッグを改めて呼びかけると、耳を塞いぐという下手なリアクションをとっていたが、最後までキャラを通しつつ、根っこの真摯さみたいなものが伝わってくるような試合だった。

 

とかくインディ団体は見下されがちだが、たまにこういう化け物じみた選手が男女共に出てくるから面白いよね。

 

ちなみに、試合後にインタビュー動画がTwitterで流れてきたが、よく見ると可愛いよりは美人系の顔立ちなんだね。

 

やぱりさくらえみってすごいんだろうな。

 

 

そしてトーナメントの決勝、MIRAIとコグマの一線だ。

 

タッグベルト戦も決まっているコグマの勝利の方が色々綺麗だとは思うが、他方でそれでは順当すぎるし、新ユニット結成のMIRAIが勝つ方がある意味では団体としての門戸も広がるだろう。

 

果たして・・・という見方をしてしまうのは、ちょっと嫌なファンになったと我ながら思うが、そんなこんなで優勝はMIRAIだった。

 

試合の組み立てなのはまだまだ課題があるが、でも直向きさみたいなものがあって良いですね。

 

コグマは最近はコミカルな印象が強くなっているが、そもそものセンスはずば抜けているし、タッグ名にも冠しているだけあってちょっとねじが飛んでいることも平気でやるので、その存在感はさすがよな。

 

もう少しだけ絞れてくると、さらに面白くなりそうだ。

 

ともあれ優勝はMIRAI、プロレスの興行でまさかお色直しという言葉を聞くとは思っていたなかったが、一度引っ込んでドレスアップだ。

 

 

メインは赤のベルト戦、朱里vsひめかという組み合わせ。

 

ビジュアルもあって随一の人気を誇るひめかだが、先にも書いたがいまいち突き抜けていない印象だ。

結構遠い席だったけど、それでも尚わかるこの顔面よ。

 

かわいかったな。

 

対する朱里はガチの格闘技実績もある中で、プロレスでは長らくフリーでやっていたこともありわかりやすい実績はなかった。

 

それが、詩美からベルトを奪取して以降はその存在感を遺憾なく発揮している。

 

今回もセットも凝っており、入場時には火柱も。

試合の焦点は、正直ひめかがどこまでできるかという点だったんだけど、結果から言うとよかったのよ。

 

まさかの場外プランちゃも見舞ったり、レインメーカーかましたりと、出した技もさることながら、パワーボムは上背もあるので流石の説得力で、朱里をなかなかに追い詰めていた。

 

ただ、やっぱり惜しいのは体格の割に筋肉が見えないから、折角の力技が上背以外の説得力がない。

 

また、敏捷性が低いので畳み掛けるような迫力がちょっと足りないのだ。

 

それでも、かつてはぬぼっとしていた秋山直伝のジャンピングニーもようやく様になっていたし、ショルダータックルは良かったんだけどね。

 

もう一息な印象だ。

 

体がでかいのはそれ自体が大きな武器なので、もっと思い切りよくぶつかっていくようなことができれば、また一段上がっていけるんだじゃないかな。

 

ビジュアルもいいし、努力もできる選手だと思うので、後一歩グイッとメチャクチャにやってやるみたいな気概があれば突き抜けられそうなんだよな。

 

そして朱里はさすがとしか言いようがないよね。

次回は世羅ちゃんを指名、これはまた見てみたいカードだね。

 

 

エンドロールはトーナメントの優勝セレモニーとして、ドレスアップしたMIRAIが登場。

明らかにこなれていないドレスでの歩きに、リングまで辿り着くにも時間がかかっていたのは微笑ましかったね。

 

またマイクもやったのだけど、なんだか性格の良さが滲み出ていて、聞いていた多くの人が「頑張れよ」と思ったのではないだろうか。

 

ここで白のベルトの挑戦も表明したので、今後どう展開していくかである。

 

 

と、やはり全体としてレベルはすごく上がっているし、もはや女子の団体にあっては頭抜けているだろう。

 

個々の選手は期待値と現実の間で大変だろうけど、時代の流れは早いからな。

 

変に病まないように頑張ってほしいですね。

 

プロミネンスだけでなく、Color'sもユニットとして参戦するなど、他団体へも積極的に門戸を開いているので、女子プロレスゲートウェイ的な存在になって、いろんな団体の選手に脚光が届くと良いですね。

 

良い大会でした。