続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

5 STAR グランプリ決勝

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今日はスターダムの5star グランプリ最終戦で調布の方にある会場へ。

 

最近いろんなイベント施設でやっているので、初めましての会場が多い。

 

どこも施設自体が綺麗だし、意外とちゃんとみやすかったりするのでいいよね。

 

ここのところ大きな大会では入場ゲートなどもかなり豪華にしているので、演出面でもいわゆる格闘技場や体育館よりもやりやすいんだろうな。

 

ちょっと遠いのがなんだが。

 

 

ともあれ、今回は最終戦とあって予選もなかなか好カードが並んでいる。

 

まずはようやく実現となったジュリアとすず、アイスリボンのゴタゴタを、まさかスターダムのリングで精算するとは藤本の胸中やいかに、といいつつそれは関係ないが、ここはすずに勝ってほしいところだ。

 

また、朱里と世羅も再戦だ。

 

タイトルマッチで既にやっているけど、中途半端な竹刀攻撃になるくらいなら正面突破を期待したい。

 

実力はもはやわかっているので、その試合が見たいのよね。

 

そしてタッグを組むまいひめ戦か、個人的にはそんなに思い入れのある2人ではないが、人気選手なので注目度は高いだろう。

 

個人的に楽しみなのは桃と葉月だ。

 

かつてはQQで同時期に成長してきた2人だが、今はバチバチした感じ。

 

トップ戦線一歩手前辺りを固めている2人だが、やっぱりどっちも団体屈指の実力者なんですよね。

 

ほんとに期待しているのよ。

 

あとは岩谷とスタラキのかつての師弟対決が1年ぶりくらいになるらしい。

 

さらにここのところ今一燻っているウナギとちょっと勢いづいてきたこももとか、鹿島とAzmの試合もトリッキーになりそうで面白そうだ。

 

ちゃんみながなつぽいと対戦するが、コズエンの中での立ち位置などから次の展開に向けて一つのポイントになるだろうしな。

 

と、恐らくファンそれぞれに思い入れのありそうなカードが並んでおり、やってくれたなと。

 

星取りの面でも面白く組んでいるので、2ヶ月におよぶこのリーグ戦への注力具合もよくわかる。

 

 

全試合書いてると果てしないので気になったものだけ。

 

 

まず第2試合、なつぽいvs.ちゃんみな

 

戦前から色々と悶着があった2人だが、この後に何が起こるかが注目されていた。

 

ともあれまずは試合だが、ちゃんみなのシングルは久しぶりに観た気がするが、えらい成長しているね。

 

動きの一つ一つも性格だし、割とがっしりした体型になってきたせいもあってか説得力も増している。

 

元々そんなにスピードのある選手ではなかったが、その分この試合運びは良かったね。

 

そしてなんとドラゴンスクリューからの足4の字という武藤殺法。

いつの間に。

 

これで試合が決するとは思わなかった。

 

勝利後、セコンドについていたたむに何事かいったのだが、どうやら白のベルトに挑戦するという決意表明だとか。

 

なつぽいが入り革命だとよくわからないことを宣っているが、それに疑問を呈していたのでてっきり離脱かと思ったが。

 

ともあれ、チャンピオンとしてはまだちょっと足りないので、ここからさらにどう上がっていけるかである。

 

乞うご期待。

 

 

続いて桃と葉月。

 

葉月も決勝王手の得点なのに、あんまりその色が見えなかったのは最終戦のカードと試合の位置の問題だ。

 

ともあれ桃となら良い試合するだろうという期待は無事に応えてくれる内容だった。

 

そんなに派手さはないんだけど、非常に細かな動きも含めてしっかりプロレスしている。

 

最後は桃のピーチサンダーでグサリ。

ただ、この技はやっぱりフィニッシュとしてはちょっと難しい気がするな。

 

色んな意味で。

 

 

続くは上谷v s壮麗なのだが、この試合はダメだった。

 

あんまり壮麗の試合はまだ観たことないんだけど、こんなに何もできないっけ?と思ってしまった。

 

ずっとショルダーを繰り返す一本調子な攻めに、上谷がリアクションで幅を出すような展開がずっと続く。

 

そして途中なぜか場外に上谷を連れ出して、意味不明な明らかに故意な場外カウントで引き分けという。

 

どちらも優勝戦線からは離脱しているし,別に勝敗が他の参加者に影響もしない。

 

別にヒールでもないから嫌がらせするような盛り上げ方でもないので本当にただ意味がわからなかった。

 

本来なら,ベルト保持者との試合なんだからしっかり爪痕を残すようなことしないとダメだろ。

 

それをこんな下手くそな場外にカウントは観たことないし。

 

会場もあからさまに白けていた。

 

ひょっとしたら、とにかく引き分けに持ち込んでベルトの布石に、という展開を考えてはいたのかもしれないが、思った以上に何もできないから結果あんな訳のわからんことをしたのだろうか、なんて思ってしまう。

 

スターダム前のキャリアがどんなだったのかは知らないが、非常に残念な一戦だったな。

 

とはいえ、いい写真取れたので載せておく。

 

 

続いては岩谷vsキッド、ファン注目の一線といったところか。

 

キッドはたしかに成長しているし、前みたいにただ技が綺麗なだけというところからは着実に脱却しているし、少なくとも団体においては実力者だ。

 

ただ、やはり身長のせいもあってかどうしても重さは出ない。

 

そして、試合が進めば進むほど岩谷が勝つだろうなと思ってしまったな。

 

追い込んだ場面もあったし、試合の組み立ても何もかも良かったのよ。

 

だけど、岩谷への信頼感みたいなものかもしれないけど、この子はやっぱり他の選手と在り方が変わったなと改めて感じた。

 

結果は岩谷の勝利で、師匠越えならずであった。

 

あと5センチでいいから身長があれば、もっと違うだろうに。

それは飯田もそうだが。

 

でも、余計な煽りとかもなくて、その方がいいよ、試合中は。

 

 

そして注目のジュリアvs.すず、ようやく実現となった訳だが、なんと対峙した瞬間両者共に涙を流すという。

そりゃまぁ、色々あったとはいえ、良い思い出だったり、当時の状況のあれこれはあっただろうが、今のこの瞬間は当時の環境のままだったら絶対にあり得なかっただろうしね。

 

大きな舞台で、花道から入場してなんて、ドラマですよ。

 

それこそすずは外敵として乗り込んできたというシチュエーションもあるから、初めて観た人らからすればビールなのかしらと思うだろうけど、別にそういうわけでもないしね。

 

世羅も含めて、この一連のシリーズでそれは認知されたと思うから、その短期的な変化も含めてすごく感慨深いものがあるよね。

 

そんな感傷を吹き飛ばすようなエルボーのしばき合いからスタートしたが、結果から言えば時間切れドローになったわけで、そりゃココで決着はしないよなと思いつつ、でもお互いレスラーとしても段違いに成長したわけだから、それをお互い肌で感じたのではないだろうか。

 

試合後はジュリアがすずを抱き締めると、振り払うそぶりすらないのはそういうことだろう。

 

その後の握手は払って中指を立てたわけだが、笑顔全開だったので、一旦感情はこれでリセットされたのではないかと思う。

いつかはタッグも見られると、より面白くなるよね。

 

プロレスは人生なんですよ。

 

 

ここでブルースターのブロックは終了、ジュリアが決勝進出となった。

 

 

少し休憩を挟んでレッドスターブロック開始。

 

交互じゃなかったんですね。

 

こちらも気になったものだけを。

 

 

まずはAZM vs 鹿島。

 

どんな展開になるかなと思っていたら、ある意味では期待通りの鹿島が秒殺をかますという事態に。

 

44秒で得意の起死回生である。

 

この2人は2人共に独特のスタンスを築いており、AZMはもはや言わずと知れた存在。

 

ハイスピードのチャンピオンだしね。

 

しかし、年齢もあってかなかなか主役になれていないけど、ベルトを持って他団体を巡ってきてほしいと個人的には思っている。

 

対する鹿島はなんやかんや古株メンバーで、かつてのヤンキー娘は今や美人代表みたいになっている。

 

その一方で立ち位置はどちらかと言えば3枚目、先の公式戦でも朱里との試合前にあからさまに嫌な顔と言葉を隠さないので、却ってコミカルに見えてしまうほど。

 

しかし、今回のリーグ戦でも勝ち星こそ多くないが、主力級に勝っているのだ。

 

そうかと思えばこももには負けていたりとよくわからん結果である。

 

面白いのはそこで、主力に勝ってもありえるよねと思えるし、新人に負けてもあり得るよねwとファンも思っているところだ。

 

対する選手でも、鹿島には負けることもあると思っている節があるので、つまるところ勝っても負けても株が上がることはあっても落ちることはないのだ。

 

こういうのがいるのがプロレスの面白いところでもある。

 

今回も勝てば決勝というAZMを44秒でまかすということをやっても、事故みたいな試合だとしかみんな思わなかっただろう。

図らずもハイスピードな試合決着であった。

 

 

そして詩美についてもちょっとだけ。

 

色んなところで言われているが、最近の詩美は正直パッとしない。

 

試合は堂々たるものなんだけど、チャンピオンの頃のような箔がないのだ。

 

まぁ、少し息抜き的な期間も必要かもしれないが、それにしてももうそろそろ動かないとまずいぞと。

 

そんなところに現れたのが、怪我で欠場していた刀羅ナツコだ。

 

詩美がチャンピオンの時に挑戦したが試合中の怪我であえなく離脱したわけだが、ようやく治ったらしい。

 

次回のシリーズから参戦するようだが、ここでもマイクで辛辣なことを言われていたが、これを契機にまた浮上してくることを期待したいですね。

 

 

そして舞華vsひめかのタッグパートナー同士の試合。

舞華はひめかが本当に好きなんだろうな。

それはともかく、流石に体格のでかい二人なので、なかなかに迫力のある試合だったんだけど、気になったのはひめかの方。

 

最近話題のパワーボムはこの試合でも見せたけど、あれはいい技だね。

 

一方で、ラリアットとかショルダータックルの際に、微妙にこじんまりして見えてしまうのがもったいない。

 

多分体躯がそこまで強くはないのだろうと思うけど、もっとそこが強くなって大きく見せられるともっといいのにとすごい思ったな。

 

舞華はわりとバランスはいいんだけど、細かなところは大味な印象がある。

 

まあ、まだ二人ともそこまでのキャリアというわけでもないので、これからだよな。

 

ちなみに、ベストマッチ賞はこの試合が獲ったんだけど、個人的には他にもあったと思うが、ままよ。

 

 

ラストは朱里vs世羅、タイトルマッチ以来4ヶ月ぶりくらいのシングルだ。

 

タイトルマッチでは負けたとはいえ、やっぱり今のスターダムにあっても世羅の実力はトップレベルなのは間違いない。

 

15分で何を見せるかだけど、最後までしっかりここにアリを見せつけたね。

 

試合自体は朱里の得意なグランド的な展開で進むが、要所要所で大技を出すので全体で緩急がつくし、最後の畳み掛けはお見事。

 

雪辱を果たしたのだった。

このシリーズを通して、世羅もすずもしっかりより多くのファンにアピールできたのは大きかったよな。

 

 

そして、決勝はジュリア vs たむとなった。

 

かの髪の毛マッチ以来の大舞台だが、一抹の不安も。

 

入場演出も超豪華。

たむが明らかに右腕を負傷しており、予選の戦いを見る限りまともにできるのかすら心配だったので、どうなるのかと。

 

見た感じ、ひょっとしたら痛み止めとか打ったのかなという印象だったな。

 

時間無制限となっていたが、短期決戦に向けていくだろうな。

 

序盤ではジュリアがたむの怪我した右腕をあえて責めていた印象だが、いずれにせよ本調子ではなかったのは悔やまれるところだ。

 

新日本のG1もそうだけど、長期シリーズの問題点はここである。

 

最後はジュリアが勝利して優勝となったのだけど、やはりちょっともったいなかったなと思う。

 

試合後にそこまで晴れやかでなかったのが何よりではないだろうか。

 

しかし、それでもジュリアは本当に変わったよな。

そして、たむはビッグマッチのあとは勝っても負けても憔悴したような顔をしていることが多いので、大丈夫かしらと心配になってしまう。

 

 

試合後はセレモニーが行われたわけだが、各賞も発表される中でベストマッチはレッド・ブルー両方で発表されたわけだが、ブルーの方は週プロの表紙にもなったすずと上谷の試合だった。

 

なんか二人ではしゃいでてて可愛かったな。

 

すずも憑物が落ちたように本来の陽気なキャラが出てて、よかったね。

 

こういう長期シーズンは、定着してくればまたそれがブランドになるからいいことではあるが、一方で選手にとってはかなり消耗してしまうだろうから、一つのシリーズは適宜サイズ感を収めて、その分色々展開するのがいいのかなと個人的には思う。

 

今日は正直客入りは寂しいというのが正直なところだし、いいカードだったのに生かし切れていない印象は拭えなかった。

 

それは一つの結果論以上にはならないからいいけど、拡大していく中でそれは発生してくる必然的な問題だろう。

 

これからも過酷な状況は続くと思うけど、怪我とかメンタルとかをやむことがないように頑張って欲しいよね。

 

何年後かにも元気な姿を見せてこそのプロレスラーだ。

 

選手を大事にしてあげて欲しいですね。

 

 

ともあれ、今日は楽しかったし、次に繋がる展開もありながらだし、いい大会だったよ。

 

ほんと、新木場1stとかでやっていた頃とはだいぶ違ったよな。

 

こういう変化も面白い。

 

今後も期待して見ていこう。