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今日はスターダムと新日の初となる合同興行だ。
本当は友人と来るはずが、アクシデントにより急遽来れなくなってしまったのが残念だったが、ともあれここ最近にあっては珍しいお祭り興行である。
当初から焦点だったのはミクスドマッチ、要は男子対女子のカードをどう組むかで、ルールとしては男女での試合は不可、みたいな話があった。
しかし、そんなのならやんなくていいだろうという批判も多く、また選手の側からも疑問の声が。
どちらかと言うと新日側の男子レスラーがいずれも女子との対戦経験がないので戸惑っていたというのが実際か。
結局どうなったのか。
また引退ロードにいるグレートムタも急遽参戦、まさかのオカダと矢野とのタッグだ。
そしてメインイベントは新設された女子版のIWGP の初代チャンピオンシップで、岩谷vsKAIRIが据えられており、会社としてのスターダムへの期待を感じさせるものである。
会場は有明アリーナなんだけど、私は初めて来る会場だが結構デカいんですね。
比較的シンプルながら入場ゲートはしっかり装飾されており、リング上部には大モニターがあるのでしっかり試合を観られる。
金かけてるな。
本番は17時開始だが、16時から第0試合が二つ組まれていたので、ちょうどそれが観られそうな頃合いを見て会場に着いたものの、思った以上に入場までに時間がかかってしまい、新日の方の試合がちょうど終わるところであった。
クラークコナーズは観たかったな。
そしてスターダムからはロイヤルランブル戦、15人が出てくるので案の定しっかり時間を使ってくれたのはありがたかったね。
なんだかわちゃわちゃしていたが、会場からも拍手が飛んでおり、思ったよりスターダムファンの方が多いのかもしれない。
それにしても、あのマシーンはどう言うタイミングで出したいんだろうか。
■第1試合:リオ・ラッシュ、YOH、Yoshi-Hashi、石井 vs ディック東郷、SHO、高橋裕二郎、Evil
そんなわけで試合開始、まずは新日本の6人タッグで、新登場のリオ・ラッシュという選手のお披露目的な感じか。
相手は小悪党集団だが、最近ちょっと愛嬌が出てきてないか。
めちゃくちゃ身軽だが、ちょっとサイズが小さすぎないだろうか。
ドラゲーの方がハマりそうな印象だ。
■第2試合:レディ・C、AZM、上谷沙弥 vs テクラ、桜井まい、ひめか
続くはスターダム、AZM、上谷、レディvs桜井、テクラ、ひめかである。
やっぱりこっちのファンの方が多いらしい。
最近レディはビッグマッチでの抜擢も増えているな。
ただ、出番はジャイアントスイングをやりに来たくらいだったが。
そして桜井はメッキリ良くなってきましたね、意外とオーソドックスな話ぞを使うのが、彼女の不器用さを物語っているのかもしれないが。
AZMとテクラはさすがのもので、みんなそれぞれに存在感をアピールできたのではないだろうか。
ラストは上谷のファイヤーバードでスリーだ。
派手な技を持っている選手はやはり強いな。
■第3試合:ジュリア、ザック・セイバー・Jr vs 朱里、トム・ローラー
続いてはミクスドマッチ一つ目、ジュリア、ザックvs朱里、トムローラーだ。
トムは初めて見るのだけど、入場からえらい陽気である。
朱里のキャラと対比がありすぎる。
それはともかく、どちらも割とビジネスライクなコミュニケーションといった感じ。
注目の男女のコンタクトについては、やはりジュリア、朱里が仕掛ける形で多少あったくらいだが、リング上では女子2人の頬の張り合いに何故か割って入ったトムが2人の連携技を喰らうという展開に。
アリカバが一瞬復活である。
要所でザックがしっかり試合を締めたものの、やはり双方手探り感は否めなかったな。
しかし、やはり男子と並ぶと体のサイズは差が歴然だ。
とくに新日本は言うても唯一のメジャー団体だし。
■第4試合:なつぽい、中野たむ、金丸義信、タイチ vs 渡辺桃、スターライト・キッド、DOUKI、エル・デスペラード
続いてもミクスドマッチ、タイチ、金丸、たむ、なつぽいvsデスペ、DOUKI、桃、スタラキだ。
それぞれ交流のあるものを軸に組まれているが、注目は金丸だ。
どう動くんだろう。
と、コズエン組の入場中に、花道でスタラキ、桃が突っかかるような場面があったが、ここはデスペが制する形で抑えていた。
さすが。
今日はスターダム知らないファンもたくさんいたであろうから、あまり普段の団体のイザコザを持ち込むのは賢明ではない。
試合開始前に何故か桃がタイチに突っかかるような場面が。
出てこいよ!と恐らくこの中で1番知名度も注目度も低かったであろう中で頑張っている。
で、試合自体はやはりコミカルな感じにならざるを得ないわけだが、中でもデスペは本当に困っていそうだったな。
金丸もキャラ的にも。
試合は男女入れ替わる形で展開していたが、途中デスペがキッチャン!と叫んでロープ際でのブルーボックスを促すなど微かに連携も。
人数が多い分ごまかしが効くが、みんなやりにくそうだったな。
最後の方でなつぽいがウイスキーミストをかますと言う場面もあり、それぞれの土俵にうまく乗っかっていたのはスターダム勢だったかもしれない。
■第5試合:林下詩美、棚橋弘至 vs 舞華、後藤洋央紀
そして最後のミックスマッチは、棚橋、詩美vs後藤、舞華だ。
団体内でもフィジカルの強さは1番の2人なので、スイングするんじゃないかなと期待しつつ。
ただ、その絡み合いもさることながら個人的に気になってしまったのは棚橋の動き。
久しぶりにちゃんと観たんだが、やはりというかキレが格段に落ちている。
精細を欠くところも多かったし。
ただ、試合自体はうまく展開させて、舞華に張り手をかますなど前に出たのはさすが。
後藤はずっとマイペースというか、ラストは舞華がスリーを取られたのだけど、そんなパートナーを気遣う様子もなくて、紳士的態度に欠ける印象だった。
男子校出身者の性だろうか。
勝った2人はラストにエアギターをやっていったが、お祭り興行ならこれくらいのサービス精神は欲しいところだ。
ちなみに、この日バラを受け取ったのは棚橋だ。
■第6試合:ロス・インゴブレナブレス vs ユナイテッド・エンパイア
次はロスインゴvsユナイテッドエンパイア。
ユナイテッドのメンバーの大半は生で見るのは初めてなんだが、みんなスタイリッシュでかっこいいな。
しかし今日1番の存在感を発揮していたのはギデオンだ。
割と新メンバーの方だと思うが、試合自体も観るのが初めて、一体どんなかしらと思っていたら、彼はマスコット的な存在なのだろうか。
元気よくメンバーのコールは彼がしていたが、いきなり奇襲をかけるもあえなく返り討ちに。
どころか捕まりっぱなしでボコボコにやられている。
ただ、そのやられっぷりが実に振り切れていて面白くなってくる。
どこか愛らしくすらあるわけだが、随分面白いのを引き入れたものだ。
途中内藤にはいじられている感じになっていたが、いい味だしてたな。
そこから他のメンバーにスイッチしてからのキレッキレぶりが素晴らしい。
いいレスラーを揃えたものだ。
それにしてもTJPはイケメンだな。
試合後も内藤や鷹木がギデオンのジャケットを奪って着て見せるが、誰も反応せず寂しいことに。
その辺りの柔らかさはもう少し欲しいところだ。
■第7試合:グレート・ムタ、矢野通、オカダ・カズチカ vs アーロン・ヘレーナ、グレート・O・カーン、ジェフ・コブ
続くは新日本では最後となるムタ登場。
オカダ、矢野と組んでオーカーン、コブ、ヘレーナと対戦だ。
試合直後とはいえ、メンバーが出るならコールはしなければいけない、それが彼の仕事である、らしい。
首を氷嚢で冷やしながら呼び込むその姿もいちいち面白い。
それはともかく、ムタはどこまで動けるのか、そこだけであるが、ファンも当然だがもうわかっている。
どれだけムタがムタのままリングを降りるかだけだし、あの一連のムーブが観られればそれでいい。
そして彼もその期待に応えるし、対するオーカーンもさすがだ。
受けの場面で空気を読みきれないところはあったが、とりあえずオカダらのアシストもあり勝利組に。
割と淡々としたラストだったが、これでいいだろう。
それにしても、武藤もずいぶん体が痩せた物だ。
私が彼を初めて観たのはそれこそ全日本で社長をやっている頃なのでもう10年以上前だから、そりゃ衰えるさという話だけど、地方の体育館で間近で観た当時の武藤は幅も上背も大きくて、プロレスラーってデカいんだな!と驚きを与えてくれたもので、その記憶がある分やはりそう感じてしまうよな。
引退まであと数ヶ月、怪我なく引退試合を迎えて欲しいところだ。
それにしても、こうして団体を隔ててもこうしてレスラーの引退ロードに花を添えてくれるのは、いいことだよね。
■第8試合:海野翔太 vs ウィル・オスプレイ
ギデオンの仕事はまだ終わらない、次はオスプレイのチャンピオンシップである。
相手は海外修行から帰ってきたレッドシューズの息子、海野だ。
先の試合で現れて鮮烈な印象の挑戦表明をしたことで、新世代到来的な見せ方になった。
見た目もイケメンでスタイルもいい。
髪型のせいでちょっと棚橋とかぶるが、団体としての期待が伺える。
私は最近の彼の試合を全然知らないので、どんなもんかと素直に期待していたんだけど、結果から言えばまだまだ顔になるには早いというのが正直なところだ。
相手はオスプレイ、派手な技で一気に会場の空気を持って行けるし、今が絶好調だ。
しかも派手な技に頼るばかりでなくちゃんとプロレスができる。
そんな相手に対して、海野はとにかくテンポが悪い。
一つ一つの動きが途切れていて、それこそ観客が手拍子で煽る場面も悉く合わない。
別に合わせることが良いことだというわけでは必ずしもないが、観ている方としてはそれが続くと徐々に手拍子もしにくくなるし、つまり気持ちも盛り上がらなくなる。
そして1番気になったのが、試合中のよくわからんアピールが多くて、そんなことやっとる暇があったらテンポ良く畳み掛けろ!という場面がしばしばあった。
尤も、いきなりの大舞台かつあの煽り映像、前段の紙面なんかの紹介でも相当な成長をアピールしていて、本人にはかなりプレッシャーだったろうな。
それを超えられるかどうかがスターかどうかの壁かもしれないが、そもそものプロレス力に差が出てしまっていた感もあった。
特に終盤は完全にオスプレイが展開を作っていたし、やばいという場面は残念ながら一度もなかった。
これからである。
ところで、この試合のレフェリングももちろんレッドシューズだ。
途中涙を拭うような仕草をしたように見えたのは気のせいだろうか。
そして、試合後にはモニターでビデオメッセージ。
登場したのはなんとケニー・オメガだ。
AEWでもしばらく欠場していたのだが、それが明けてまたすぐに新日本に上がるとは。
しかもそのメッセージがなかなかに辛辣で、オスプレイはどう受け取っただろうか。
ちなみに全て日本語で語られており、そこにサービス精神を感じずにはいられない。
1.4でのカード決定である。
■第9試合メイン:KAIRI vs 岩谷麻優
そしていよいよメインだ。
スターダムを長く見ているファンからすれば、2人の物語もイコールスターダムの物語だし、海外で成功したものと日本でトップになったものとで、それぞれの分岐を持っている。
その2人がここでクロスオーバーして大舞台に立つというのは、なかなかの物語だ。
とはいえ、KAIRIは現役復帰してまだそう経っていないし、なんなら前日に上谷と白いベルト戦をやって引き分けたばかりだ。
スタミナ的には問題ないのはわかるが、実際どうなんだろうと思いつつ。
一方の岩谷は、もはや完全に地位を確立しているとはいえ、ココのところではやや踏み台となっている感も否めない。
果たしてどうなるかだ。
序盤は静かに立ち上がり、じっくりした渋い展開に終始する。
2人とも、受けの思い切りの良さで突き抜けてきた感があるので、どうスイングするかというところだったが、この勝負は技術論うんぬんというよりは、ちょっと別な軸の勝負だった気がする。
結果は大方の予想をひっくり返してKAIRIの勝利、初代チャンピオンになった。
私も正直岩谷の勝利と思っていたので、そっち行ったかと意外に感じた。
一方でIWGP同様、初代は外敵にとらせるという歴史に準える考察勢もおり、確かに思うところ。
ただ、私が思ったのは岩谷自身のメンタルの問題なのかなと思った。
海外でも試合をしてチャンピオンにもなっているし、人気も世界的に高いと聞く。
そりゃKAIRIやイオを送り出した団体のトップ、しかもこの2人と一緒にやっていたという情報があれば、注目は集まるだろう。
その岩谷本人は、あんまり野心的なタイプではないんだろうなと思っていて、それがしばらく突き抜けなかった理由だと思っているのだけど、彼女は世界中を回って戦うよりは、ある程度の安定の中の方が心地よいタイプなのかなと。
正直引き出しの多さなんかは岩谷の方が上だったと思う。
元々KAIRIは器用なタイプではないし、かのエルボーを産み出すまでは本当にパッとしない選手だったものだ。
試合後はKAIRIがマイクを閉めたわけだが、ラストはあのご唱和くださいだ。
前の人の築き上げた腕がいかにも歌川広重の浮世絵のようではないか。
ともあれ、次は1.4で、中野たむとの試合だそうな。
今後この王座はどうなっていくのだろうか。
終わりに
今日は都合4時間超の長丁場、ていうか第0試合からすれば5時間だったのだけど、その長さを感じさせない内容だった。
転換も早かったし、試合自体もどれもテンポもよくて、何よりクオリティが高かかったので、男女ともに業界トップの実力を示した格好だった。
また、男女の試合が交互に展開されるような流れだったが、それも絶妙にハマっていたんだと思う。
会場も変に構えた感じじゃなくて、ニュートラルに受け入れていた印象だったので、とてもよかったね。
一強になってしまうのはそれはそれで物足りなさもある一方で、ジャンルとして確立するためには、まずはガリバーは必要である。
今年の1.4はますますグループとしての戦略になっていくようなので、引き続き見守っていければと思う。
ちなみに、私はブシロードの株主だ!