今日は年末恒例のアイスリボン後楽園大会へ。
考えてみたら、アイスリボン自体かなり久しぶりだ。
誌面では観ているので今誰がどうとか言うのはある程度把握できているとは思うが、それ以上のことはよくわからない。
昨年末の代表離脱、そしてつっかの休業以降何となく興味が薄れてしまったというのが正直なところであった。
トップ選手とその下の実力差が顕著すぎて、前座とか観てられなかったし。
とはいえ別にネガティブなことばかりではなく、逆にいえば若い子達が伸び伸びできる環境ができたとも言えるから、それが同団体に変化を与えるか、そんな期間だったろう。
実際いぶきが大きく飛躍、真白もへなちょこが代名詞だったところから、ずいぶん成長したようだったし。
他方で朝陽が、なんか微妙な感じになっていたのは紙面のせいだろうか。
ところがここで真白が年内を持って引退を表明、今日がその日になるのだけど、どんな感じになったのかなと。
もう一つ驚いたのが、アクトレスとの試合を組んだこと。
これはある種の決定打だと思うけど、正直資本力から何から今のスターダムに追いつくことは難しいだろうから、経営判断の一つとは思うが、まぁ仕方ないのかな。
その中でどう戦うかなのだけど、やはりファンからは賛否両論だったらしい。
とはいえ、何とかしなければと必死になっている人にはチャンスは訪れるものである。
果たしてそれが今日になるのか。
第一試合は10人タッグ、所属は2人だけであとは全員外部だ。
まぁ、なんか、わちゃわちゃしているうちに終わったな。
コミカル展開は否定しないし、全然いいんだけど、そういう試合だからこそ瞬間瞬間ではバチっと目の覚めるような場面がないとダラダラというかなぁなぁになってしまうわけだが、さすがに山下だけでは厳しいか。
雪妃はあんまりやる気なさそうだったしな。
続く第二試合は普通のタッグマッチ、何かの前哨戦というわけでもないし、多分相互に何かの因縁があるわけでもないらしい。
ハム子と真琴組はもうベテラン、対するうちの1人は先日AZMにハイスピードで挑戦した子かな。
それなりに試合は展開していたが、こちらもピリッとしないなという感じだ。
そして第三試合も6人タッグ、いつの間にかお母さんになっていた弓李を久しぶりにみる。
そういえば昔尾崎とタッグ組んでたんだよね。
この試合もわちゃわちゃしている感じで、ある種の展開がありすぎて、ちょっと眠くなってしまった。
アイスリボンてこんなだったか?と思いつつ、まあ年末に見るには丁度いいか、などと思いつつ、そもそも今日は真白と安納が見られればいいか、くらいだったので、まったりとみる。
で、ようよう真白と最後の対戦相手はすずだ。
こうしてみると、アイスはせっかく才能ある選手を発掘して、シングルチャンピオンにまで育てたのにみんないなくなってしまい、ちょっと切ないな。
それはともかく、デビュー当時は絵に描いたようなへなちょこレスラーが、ベルトを手にするくらいまで成長し、またキャラクタとして他に類を見ない存在感を発揮したのだから、やっぱりアイスリボンというか藤本つかさの審美眼はすごいよな。
対するすずもデスマッチに憧れて入ってきたが、アイスリボンで正解だったと思う。
すっかり貫禄もあるレスラーになったが、まだ20そこそこだ。
まじか。
試合は絶妙な真白ワールドを展開しつつ、ストロングな展開もみせつつと、レスラーとしても成長している。
まだ若いし、実にプロレスラー向きの性格だと思うので、実に勿体無いがまあ仕方ない。
終始2人とも楽しそうだったのはいかにもアイスリボンらしいもかもしれないが、果たしてこの景色をつっかはどう見るのだろうか。
ともあれ、最後はもちろんすずの快勝、セレモニーも行われたものの、なんだか淡々としたもので、まあキャリア2年そこそこの新人であることには変わりないからね。
また何年後かにでも、気が向いて戻ってくることもあるかもしれないが、いいかもしれないね。
そしてここからはタイトルマッチ。
今や世界で活躍する志田光といぶきのチャンピオンに対するは、まなせゆうなと生え抜きで今や主力にまで成長したトトロさつきだ。
この子がまさかこんなポジションになるとは。
体は元々デカかったが、全体にもっさりしていてパワーファイターでもなかったが、すっかり力強くなったようだ。
他方でまなせは元スターダム、まだ新木場でやっていたような頃にいたし、私も当時見ていた。
その後一回プロレスをやめて、復帰して今に至るが、この子も独自の立ち位置を得ている。
面白いものである。
対するいぶきは、ここ数年で成長著しいアイスリボンの期待株の1人、逆水平が代名詞となりつつある中で、ビジュアル面も含めて大きく変化した選手だ。
試合自体は、志田が終始いぶきの成長を確かめるような展開が多く、対戦相手など見ていないようでもあった。
このキャリア、年齢にすれば、いぶきはなかなかによくやっていると思うし、逆水平の音がバチーーんと響いた時には会場がどよめくくらいなので、よくぞ成長したなと思うところだ。
声がどんどんお母さんににてきているが。
ともあれ、課題としては試合の組み立てや展開のふくらまし方が、やはりまだまだという感が拭えない。
ラストもなんかわちゃわちゃっとしている間に終わったような印象で、個人的にはん?という感じだった。
試合後いぶきは志田に抱きつくも、刹那に突き放され公開説教状態に。
流石に見ていて居た堪れないような思いになってしまうが、それに対していぶきは癇癪を起こすようなことしかできなかった。
まあ、志田は今やAEWの女子エースだからな。
そのタッグパートナーとしては求めるものは上がってくるだろうけど、いぶきは決して悪くはない。
でも、確かに私が前に見ていた時から何か変わったかといえば、技はこなれたし堂々としているけど、根本的に何か変化を感じることは正直なかった。
ここらが彼女の正念場だろうか。
次は母ハム子と真琴のタッグと戦うことに。
次にどう転ぶかがこれからだろうか。
そしてメインは安納vs朝陽のアイス∞だ。
安納についてはちょいちょい見ただけで実はあんまり選手としてはわからなかったりする。
朝陽も新人時代に見て以来なので、今どんな感じなのかがわからない。
というわけで、どっちも楽しみだったんだけど、安納については大きなタイトルはないにせよチャンピオンにはなっているし、可愛いし、やはりこちらに注目してしまう。
で、試合についてはさすがのメイン、今日で一番面白かった。
まずチャンピオンの安納。
見た目のかわいらしさや扱いから昨今のいかにもな女子をイメージしてしまうが、スタイルはオーソドックス。
ド派手な飛び技やずば抜けた身体能力があるわけではないのだろうが、技がとにかく綺麗。
正確だし、流れもちゃんと踏まえて絶妙なタイミングで繰り出す。
見ていて惚れ惚れしてしまった。
個人的に彼女にはちょっとした記憶があって、それこそこの子がデビューして間もない頃、確かWaveの興行だったが、そこにつっかがまだ当時若手筆頭株としてリングに上がっていた頃だったと思うけど、私の席のすぐ後ろにこの子が座ったのだ。
多分マネージャーだと思うけど、どうやら勉強がてらに見にきたのだろう。
当時スターダムにも上がっていたので、私は彼女のことは知っていた。
当時から可愛らしかったから。
で、そこでめちゃくちゃ色々話しながら見ていて、つっかのプロレスを見ながらずっと感心してあれがいいこれがすごいといっていたんですよね。
それがずっと記憶に残っていて、それが今こういうレスラーになったというのがなんか感慨深い。
彼女はスポーツエリートではないし、多分天才ではない。
デビュー時なんてビジュアル以外特に見るべきところもなかったし。
でも、こうしてチャンピオンとして試合をしているのを見ても、その技をみても、相当練習とかしたんだろうなと思うから、やっぱりそんなの応援したくなっちゃうじゃない。
まずそれに舌を巻いた。
対する朝陽だが、この子ももがいている感じがすごくでているし、若いから全部とんがってみえちゃうところもあるのかなと思うけど、本当に一生懸命だよな。
太々しいヒールみたいな態度を取ることもあり、場外では椅子に叩きつけるなどこちらもなかなかの貫禄。
前に見た時と全然イメージがちがっていてびっくりした。
冒頭に書いているけど、正直から回っている印象があったけど、今日試合を見て印象変わったよね。
あわやという場面が何度もあったが、最後は安納の防衛となった。
あんなにフィニッシュになる技をたくさん持っているのも驚いたし、返されても次々とでてくるのもすごいし、一方でそれを返して期待をさせる朝陽もよかった。
試合後はあっけらかんとしたものだったので、まだまだ安納の方が余裕だったのかもしれない。
しかし、まだ20そこそこのこのキャリアの選手が、気を吐いて頑張っているなんて、アイスもやっぱり底力あるんじゃないかと思ったのであった。
私はこの1年くらいアイスは見てなかったし、正直今日もいこうかどうか迷っていたが、個人的な慣習でいこうとなっただけだった。
実際チャンピオンシップの挑戦者とかのカードも知らなかったし、調べもしなかった。
正直やっぱりなと思ったところもあったけど、メイン2試合はそれをしっかりと裏切ってくれた。
ツッカが産休に入るので、ますますかつてのアイス色は薄れるだろうが、その中で今いる選手が何を示すか。
本当に脱皮するチャンスがこれからの1年かもしれないね。
若い選手がこれだけやったるぜって目をぎらつかせているなんて、いいじゃないか。
私は普通の会社員なんだけど、若い子が少なくてさ、私より年上のおっさんおばはんしかおらんから組織が停滞化してマジでつまらない。
仕事は若い子とやりたいし、その子らに何かを伝えたいし、同時に負けたくないと思うことで張りがでてくるから、こういう若い世代の勢いを見られるのって年々楽しくなってくる。
インディにはインディの意地がある。
来年はもう少し見に行くようにしようと思ったものである。