続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

勝てない理由は弱さではない -月山和香

現在女子プロレス界最弱といえば、月山和香の名前が多く上がるだろうか。

 

現在スターダムに所属しており、前団体含めてデビューして既に2年以上が経っているがいまだに勝ち星がないという、ある意味では奇跡的な実績を誇るレスラーだ。

 

かつて最弱といえば真琴や風香など、アイドルレスラーがそのビジュアルの人気と裏腹に負け続けても頑張る姿を見せることが一つのエンタメになっていたわけだが、昨今ではそんなものはもはや求められてはいない。

 

理由は簡単で、ビジュアルのいいレスラーが普通になったからだ。

 

で、月山であるが、スターダムに参戦し始めたのも実はキャリア早々のことで、コロナ禍ど真ん中の頃、まさに所属選手を集めていた頃に入ってきた選手の1人だ。

 

参戦当時から今に至るも中野たむ率いるコズエンに所属しているが、いまだに勝ち星がなく、タッグだろうがなんだろうが月山がいれば負けるということが既にファンにも浸透してしまっているような状況だ。

 

嫌なファン目線で言えば、もはや焦点は彼女がどういう場面で勝つかというところである。

 

 

こうして書くと、プロレスを見ない、あるいはこの団体を見ていない人からすればよっぽどひどい選手なのかと思うだろうが、そうでもないと思っている。

 

体つきを見れば明らかにトレーニングの成果は見てとれるし、技も完璧とは言わないまでも、他の選手と比べても精度も高い方だと思うし、タイミングも何も結構いいのだ。

 

受け身ももちろんできる。

 

今期待のホープとされる選手と比べても、むしろ月山の方が全然できている。

 

何よりプロレス頭もあるので、エンタメ的な観点でもなかなかの存在感を発揮しているのはもはや周知だろう。

 

会見でのTシャツネタはもはや注目ポイントの一つである。

 

しかし勝ち星がいまだになく、ついにあと3ヶ月で勝てなければコズエン追放とまで言われてしまい、今後どういう方向に行くのかが注目をあつめている。

 

 

そんな月山をめぐっては、コズエンだけでなくさまざまな選手が折に触れてコメントしており、「ずっと見てるよ」「成長しているのはわかっている」「一緒にやらない?」などユニット内外から言われている。

 

プロレスファン的には色々と勘ぐってしまうところはあるけど、選手たちのコメントは偽らざるところだろう。

 

実際体や技、動きを観ればわかる。

 

勝てない理由はもはやプロレス的理由以外見当たらないのだよ。

 

デビュー1年目の新人にまで勝ち星を提供する立場というのは実にしんどいだろう。

 

こちらとしても見ていてなんだか切なさしかない。

 

 

人生というのは理不尽しかないし、頑張っていれば報われるわけでもない。

 

実力があるから素直にのしあがるわけでもないし、タイミングが悪ければどんなに良くても評価されないことなんてザラにある。

 

プロレスってそういうところがあるから、まあある意味ではそこまで徹底したキャラといえばそう言えなくもないが、翻って落とし所がつかなくなってきている。

 

いよいよというところまで追い詰められている感もあるが、この際独自路線を切り拓き始めたちゃんみなと共に海外選手と新しいユニットを組んでもいいのではないだろうか。

 

それはどう転ぶかわからないが、中途半端であるよりは負けるが勝ち、それがプロレスでもある。

 

でも、やっぱりそろそろ勝ち星は欲しいし、その実力は十分だ。

 

普通に壮麗よりもできると思っているしね。

 

一度勝ち星をあげれば、頭もいいので本当に面白い展開を色々組めると思うんだけどな。

 

3月まで、ひとまず注目だ。