続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

ノアvs新日本、でこれからどうする?

昨日今日とノアはビッグマッチを開催、一つは昨年に引き続き2回目となる団体対抗戦、もう一つはグレート・ムタのラストマッチだ。

 

会場まで行こうか迷ったが、結局配信で見ることに。

 

 

まず対抗戦だが、昨年はこの両団体がぶつかるというだけで大きな話題になりチケットは即完だったが、今回は正直テーマは弱かった。

 

軸になったのは金剛vsロスインゴのユニット対抗戦だが、それ以外のカードも全て新日vsノアであった。

 

ただ、事前キャンペーン含めてあんまり注力していないのかなと思ってしまう感じで、新日本的にも対して重要視してなかったのかなという感じであった。

 

まして翌日にムタラスト興行があったので、それにかすんでしまった感はあったんだけどね。

 

実際チケットもソールドアウトとは行かなかったようだ。

 

 

しかし、そんな期待値に反して、といっていいかはともかく試合はいずれもなかなかの好試合が続き、それこそ第0試合からなかなかの熱戦であった。

 

そんな中でもいくつかトピックを拾うと、まずデスぺvsYo-Heyのシングル。

 

昨年の対抗戦でできた火種の一つだが、まさかのシングルで組まれたわけだが、こちらはデスぺにとって一つの見せ場であるはずの入場シーンをすっ飛ばして走ってリングインという段階で、この試合のテンションをしっかり煽っていく。

 

知名度だったり格みたいな観点でも、デスぺの方が上なんだけど、彼はYoHeyを認めている発言をしているので、こういうところでも盛り上げて見せるのは流石だ。

 

ちなみにYoheyも元ドラゲー出身者とあってそもそも動きはいい。

 

体格はどうしても小さいが、独自の動きもあって存在感を示している。

 

試合自体はスピーディな展開の中に要所要所でデスペがレスリングでリードしている印象ではあったが、見応えのあるいい試合でしたね。

 

デスペは終始足をせめて、最後はマフラーホールドでギブアップ勝ちというプロレスの定石のような試合であった。

 

ちなみに次は大阪でのタッグ戦も決まっているので、これからの展開にも期待である。

 

 

そして両団体のチャンピオンが出揃うオカダ・真壁vs清宮・稲村戦だが、こちらの注目点は清宮がどれだけオカダに喰らいつくかであったが、結果はなんとノーコンテスト

 

その要因を作ったのは清宮だったのだけど、オカダに執拗に絡み、稲村に関節を決めるオカダに後ろから蹴りをくれて、以降はほぼ乱闘状態。

 

珍しく感情的なオカダも出てきて、双方リング外で暴れ回って収集がつかなくなりノーコンテストとなった。

 

清宮がマイクでシングルを要求すると、流石にオカダは舐めんなよという態度を見せるが、この時の清宮はいい表情をしていたね。

 

正直元旦の拳王戦よりも遥かによかった。

 

普通にやってもなんかいい試合で終わるくらいだろうから、これで正解だ。

 

案の定反応はさまざまで、清宮をがっかりとか反対にオカダにダサいとか、いろんな意見が飛んでいたけど、こういう無茶苦茶さだってないとただの坊ちゃんで終わるぞ。

 

私は彼のポテンシャルは十二分にあると思っているが、三沢や武藤の技を引き継いでいるだけでは本物にはなれないと思っている。

 

あの無茶苦茶さの中に、私が観た中では初めて彼個人が見えた気がした。

 

昨年みっともないまでにカメラの前で泣きじゃくった彼が、ここでブレイクスルーしないと塩崎と同じ未来を辿るだけだと思う。

 

武藤の引退試合で、まさかのシングルが組まれたが、これが本当の勝負である。

 

これでどうしようもなければそれまでである。

 

 

そして今回の目玉であるユニット対抗戦の中からいくつか。

 

まず征矢vsSANADA、2人とも武藤全日本自体にデビューしたかつての仲間だ。

 

なんだかんだ征矢はW-1含めずっと武藤と行動をともにしつつも、使う技なんかはSANADAの方が武藤イズムを感じさせる。

 

かつてのタッグパートナーでもあった2人だが、数年ぶりの邂逅だ。

 

どちらも少し燻っている感がある中で、お互いに何を見せるかだが、結果は征矢の勝利だった。

 

どちらの優劣ではないけど、こういうストーリーはなかなかにグッとくるものがある。

 

 

そして過去の因縁系でいえば、中嶋vs鷹木もなかなか。

 

中嶋は10代でデビューして、天才空手少年としてデビュー時から注目されていた。

 

私もよく覚えている。

 

そんな中嶋と鷹木は過去対戦では2戦してどちらも中嶋が勝ったそうだ。

 

何年ぶりのこの試合で何を見せるかだが、ゴツゴツとした当たりの強い展開が続く。

 

ドラゲー出身ながらいわゆるルチャスタイルではないのでこういった選手の方が噛み合うんだけど、結果は鷹木が長年の雪辱を果たす格好となった。

 

 

そしてメインは内藤vs拳王だ。

 

ノアの中にあって、1人気を吐いている感のある拳王、今回のこの興行の軸も、拳王の発信あってこそだったろう。

 

色々言われてしまう選手だが、拳王はめちゃくちゃ頑張っている。

 

体格はジュニアながらヘヴィのトップひ一角としてやっているのだから、わかる人にはわかるだろう。

 

結果はとはいえ大方の予想通り内容の勝利。

 

でもいい試合でしたね。

 

 

試合後に武藤が登場、まだ未発表であった引退試合を相手に内藤をその場で指名するというサプライズ。

 

目立ちたがりめ。

 

レジェンド同士にヌルヌルした試合よりはよほど期待できるし、彼の弟子との試合でよくあるエモ展開にしないのもいいと思う。

 

おそらく天龍の引退試合を意識したんだろうなと思うけど、個人的に内藤がそんなに好きじゃないので、正直あんまり湧いていないんだけどね。

 

 

そんな武藤は今日はムタとしての最終戦、こちらはかつての盟友スティングと若手の選手とタッグを組んで、相手には白使とAKIRA、そして丸藤を迎えての6人タッグだ。

 

入場時にはカブキが梅雨払い的なパフォーマンスも見せる。

 

試合自体は、まあお祭り的なものだ。

 

武藤の本ちゃんが控えている中だし、メンツ的にもこれでいいだろうし、何よりファンとしてはただちゃんと見送る場があればそれでよかっただろう。

 

ラストはしっかりお膳立てされたムタがシャイニング・ウィザードで勝利を納めた。

 

 

この2連戦で、最後の武藤引退興行の全カードを発表、清宮とオカダのシングルや、ドラゲーや同傘下のDDT、東女だけでなくヒロムとAMAKUSA、全日の諏訪魔、宮原の参戦も発表されて、なかなかのオールスターカードとなった。

 

どの団体にとっても東京ドームのリングはやっぱり上がりたいだろうし、新日本のように自分たちでカードが組めてしまう団体には逆にできない組み方だから、俄然楽しみになってきましたね。

 

とはいえ、この大きなトピックをどれだけノアの選手たちが生かしていけるかが本当の勝負だろう。

 

ノアはいい試合をするんだけど、とにかく次への興味が毎回持ちにくい。

 

今回の対抗戦にしろ、1年越しは長すぎだし、その間に何かあれば別だがそれもない。

 

その発信力をどう補っていけるかが今後の鍵だろう。

 

新日本とは違う形で存在感を示して、逆に業界のハブみたいな存在になったら、それはそれで面白いんじゃないかな。