続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

ビッグマッチは大事 -アイスリボン横浜文体(観戦前)

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from プロレスtoday

 

プロレス興行におけるビッグマッチとは何か。
 
そこで見せるものは、団体のそれまでの集大成とその後を占う転換点になるため、単に大きな会場でやる祭りなだけではなくて、その成否は結構向こうしばらく引きずることになる。
 
大型興行の代表といえば、新日本プロレスの1.4東京ドーム大会だね。
 
一昔前はノアの日本武道館や、全日本では両国とか、各団体ごとに象徴的な大会があったんだけど、最近はめっきり減ってしまった。
 
特に女子に至っては、もう5年くらい前になるがスターダムの両国が女子の中では破格で大きな会場だったが、客入りは正味6割からよくて7割程度だった。
 
当時業界でとても注目されていたゆずぽんの引退試合というトピックがあってもそれである。
 
それもそのはずで、定例大会で後楽園ホールで満員にできてこそそのキャパも目指せるはずだけど、それすらできる団体は今は少ないからね。
 
新日本は前売りで売り切れるくらいの人気があるが、男女含めてちゃんとチケットが売れるのはDDTドラゲーくらいだろう。
 
ノアは1,000人集めるのもやっと、全日本はかなり盛り上がってきているから多分今後は行けるようになるだろう。
 
女子でいえばスターダムは後楽園を満員にできるくらいの力はあったが、カイリ、イオの離脱以降は寂しいことになってしまっている。
 
そんな状況もあるので、今一番勢いがあるのは、やはりアイスリボンだろう。
 
20代のレスラーが中心で、藤本を始めメディア露出やプロレス雑誌などでも積極的にアピールをしている。
 
また業界外とのコラボなども行う中で女性客の囲い込みのための施策も積極的だ。
 
後楽園ホールについても、まだカードによって左右されてしまうにしても1,000人以上はある程度集められるようになっている。
 
今伸び盛りではあるが、反面ここからもう一歩抜きん出ようと思った時に何をするべきなのか、というところが大きな課題かもしれない。
 
 
そんなアイスリボンは、今日横浜文体の大会を開催する。
 
キャパ5,000人らしいが、実質リングの設営なども考えると3,000人くらいで満員になるようだ。
 
しかし、チケット的にはかなり苦戦しているらしい。
 
団体の集客力のポテンシャルからいえば、多分2,000くらいは埋まると思うけど、なかなか厳しい状況らしい。
 
ただ、今回のカードは団体としても気合が入っているし、結構見所も満載だ。
 
 
まずメインは、王者・藤本 vs 元OLレスラー・雪妃。
 
ここ1年で最も成長したのは雪妃だと思うが、ついのこのビッグマッチでメインを飾るまでになった。
 
本当についこの間までは、見た目は綺麗で華やかだし、上背もあるから人気はあったものの、試合そのものは正直女子の新人に毛が生えた程度、というのが個人的な印象だった。
 
それが世羅とのタッグでベルトを獲って以降、実力もメキメキと伸びて、名実共に団体の中心選手の一人になった。
 
彼女は元々フェリス女子大卒、銀行に就職したエリートである。
 
それを辞めてプロレスにはいってきたので、実はそんなに若くもない(年齢は非公開だが多分アラサー)。
 
対する藤本は鉄壁の王者だ。
 
プロレスの実力も発信力も、文字通りの団体の象徴だし、女子プロ界見渡しても稀有な存在だろう。
 
ここで勝つのか譲るのか、見ものである。
 
 
また、鬼才・松本都は今回もぶっ飛んだ企画を持ち込んでいる。
 
以前かじったことで味をしめたのか、再びサ上を呼んでラップバトルを繰り広げるらしい。
 
パートナーには葛西いるし、対戦相手には世志琥、レディビアードに女性ラッパーとして人気らしいMIRIも。
 
リリカルスクールだったかな。
 
審査員には豊田真奈美もいるらしい。
 
どんな展開になるのかさっぱりわからない。
 
とはいえ、このカードが一番普段女子プロを見ない人にもフックできるカードだろう。
 
まあ、プロレスの試合になるのかがわからないが。
 
 
今回は他にも男子の試合が。
 
3way形式で行われるという変則的なタイトル戦で、今回はタッグマッチとなったらしい。
 
ロス・ロビンソンの薫陶を受けて大日本でも活躍、元IGFで今はフリーの鈴木秀樹に、先ごろ急に引退表明をしたケンドー・カシンも参戦するのである。
 
あのカシンがついに!?と、驚いたのかどうかはわからないが、ともあれなかなかの話題性だろう。
 
対するは一応チャンピオンの藤田あかね。
 
しかし、未だパートナー未定という状態らしいので、試合はどうなるのか。
 
まあ、このまま3人で通常の3way形式に落ち着くんじゃないかと思うが。
 
この藤田も、ビジュアル的にはまま綺麗だし、体格もいいので非常にポテンシャルは感じるものの突き抜けないのが歯がゆいところだが、今回の一連によりにわかに注目度も増したので、色の濃い二人に潰されずに存在感を示してほしいところだ。
 
 
そして、個人的に注目度が高いのはベルト戦でもなんでもないんだけど、元タッグパートナー同士のシングル、どちらも若手の中では相当の実力者で将来も楽しみながら、今の立ち位置に差がついてしまった二人である。
 
つくしvsくるみの一戦で、どちらも子供の頃からリングに上がっていて、どちらも非常に実力者。
 
つくしは小さいながらにそのセンスは抜群、運動神経も抜群なので、その動きは本当にすごい。
 
一方のくるみはかなり巨体ながら敏捷性抜群、パワーもスピードもあるというまさに化け物級。
 
プロレス的な引き出しでいえばつくしの方がレベルは高いと思っているけど、昨年夏に傷害事件を起こしてしばらく謹慎をしていた。
 
それ以降、二人の間に当然溝ができている。
 
つくしは、謹慎明けて今はまたリングに上がっているものの、以前のような勢いはなく、どこか一歩引いたような印象があって、第1試合で新人とやって負けたりしている。
 
ファンから見てもその姿は歯がゆいし、でも本人もきっと歯がゆさや、自分がそんなに前に出ていいのか、という遠慮というか、後ろめたさみたいなものがあるのかもしれない。
 
しかし、実は誰よりも歯がゆさを覚えていたのは元パートナーだったくるみだったのかもしれない。
 
先の後楽園大会で、藤本のベルトに挑戦、結果は負けてしまったものの、その場で今回のカードを要望、実際に試合が組まれることになった。
 
勝敗以上に彼女らがどんな試合をするのか、そこが一番重要で、非常にプロレス的なもの、それも単純なスポーツエンターテイメントに収まらない面白さが見られるのではないかと考えている。
 
 
と、個人的に期待しているカードをいくつかピックアップしたけど、結構どの試合にもテーマがあるし、それぞれの選手の意地も見える団体なので、都合8試合いずれも私は期待している。
 
普段プロレスを見ない人でも多分楽しめる要素がたくさんあるし、この団体はアイドル的な選手もいるけど、スターダムほどの突き抜け方はしておらず、どこか所帯染みているというか、選手のリアルがよく見える団体なので、より女性層の方が楽しめる要素があると思っている。
 
レディースシートも出ており、当日でも前売り価格で購入できるようなので、午後からやることないわ、という人は是非足を運んでみてほしいですね。