続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

アイドルレスラーの本気 -安納サオリ

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最近の女子プロレスラーはすっかり可愛くなったと言われて久しい。

女子プロレスラーといえば、長与千種ライオネス飛鳥北斗晶アジャコングダンプ松本などが一般的なイメージだろう。

もちろん彼女らがバリバリの頃からアイドル的なルックスの選手はいたわけだが、あくまでそれは少数派。

だからこそ目立っていたわけだが、今では若くて可愛い子ばかりの団体もあるし、アイドルの亜流とも言えるくらいの状況ともいえる。

実際応援しているファンの多くは物販を買い、チェキで写真を撮ってもらって、レスラーもファンイベントの開催やかなり際どい写真集やDVDを出してもいて、売り方は完全に同じなのだ。

私も女子プロは男子と違う意味で面白さがあるから見に行くんだけど、何だかんだ可愛い子、綺麗な子は目を引くし、その子たちが頑張っている姿はなかなかいいものだ。

完全にアイドルの応援と一緒やんけ…とある時ふと気がついたんだけど、ともあれ本当に最近は可愛い子が多い。


なかでも最近新興団体として注目を集めているのがアクトレスガールズだろう。

アクトレスという名称自体は結構昔から使われており、それこそスターダムの前身、とまではいえないが、風香がデビューしたのはこのアクトレスの企画から生まれたJDスターだった。

正直版権的なこととかはよくわからないけど、いずれにせよそこから女優兼レスラーというものが定着してきて、言い方は悪いがアイドル崩れ、女優崩れなどが一つの飛び道具としてプロレスをやるという見え方があったのは事実だろう。

私も基本的にはそういう見方をしてたし、その価値観を大きく変えたの恐らく愛川ゆず季だろう。

グラビアアイドルとしてはそこそこでしかなかったが、プロレスをやるようになって、始めは批判されまくりだったが結果的にプロレスファンの間ではすっかり著名な存在になったし、未だに一つのモデルケースとして参照されているだろう。

だから、最近の女子プロはスポ根的な価値観も結構あって、それが女性ファンを僅かでも獲得していっている要因の一つだろう。


で、そんな女子プロ界の中で誰が1番可愛いだろうかというと、好みもあるだろうが恐らく安納サオリではないだろうか。

生で見たこともあるが、普通以上に明らかに可愛かった。

先のアクトレスガールズのエースとして君臨しているため、ここ数年で急に出てきたような見栄えになっているが、実はこの子もいうても5年以上はやっているはずだ。

デビュー当時はスターダムなんかにチョロチョロ出ているくらいで、当時からビジュアルの良さは際立っていた。

しかし、レスラーとしては動きは緩慢だし、ちょっとぽっちゃりしていたので、はっきり言ってパッとしなかった。

アイドルでうまくいかなかったからやらされてんのかな、とか思ってたし。

ところが、私は個人的に彼女の見方が変わった出来事があって、確かWaveの試合だったと思うが、彼女がマネージャーらしきと観戦に来ており、私のすぐ後ろに座っていた。

そこで他の女子レスラーの試合を見ながらああだこうだといっていたのを聞いて、勉強熱心なんだな、なんて思ったものだ。

ちなみに、その時はまだ今ほど存在感はないにしろその試合が注目を集め始めていたつっかの試合だったんだけど、「かわいいなぁ、なんかすごい楽しそうに試合やってて良いよね」とか言っていたな。

それからしばらくして、今では殺界注目の選手になったのだから、なかなか大したものである。

体もすっかり絞れて、技もキレが出てきているからかなり頑張ってるんだろうなと思うわけだ。


そんな彼女が昨日の大会で世IV虎と戦って負けたというニュースが。

世IV虎といえば、彼女らとはかなり対極にある、アジャコングなどと近いイメージのレスラーで、若いながらにプロレスラーとしてはレベルも高く、業界的にも注目株である。

団体のトップである安納とベルトこそかけていないにしてもシングルで戦うというのは、この団体にとっても結構な冒険だったはずた。

言っちゃ悪いが、アクトレスガールズのイメージは、いうても先のアイドル崩れである。

それをマイクでも指摘されているし、私のような捻くれたファンからすれば格好の標的だろう。

かといって、相手は世IV虎なので、勝ったら勝ったで違う批判を浴びる可能性もある。

しかし、今回の試合の狙いはそこにこそあって、少なくとも安納はそういう見られ方に自覚的だし、そう見られても仕方ないと思いながらやっている節があって、だからこそそれをひっくり返してやるという野心もあったらしい。

そういう心意気というか、気持ちとか、そういうのっていいよね。

可愛い子はその外見で恵まれることもあるけど、それが反作用のように本人の責任のないところでネガティブに作用することもある。

それはよくわかっているだろうから、そういう勝負に出たのかなと勝手に思っている。


私も最近はたまにアイドルの子たちが出ているテレビとかも見るんだけど、最近のアイドルはキラキラした世界よりもかなり泥臭いことが多いらしい。

ちょっと批判的に書いたけど、個人的には女子プロがそうしたアイドルの一ジャンルとして見られることに対しては、そんなに批判的ではない。

すでに実態としてそうなっているし、それによりプロレスナメんな!とは思わないから。

ただ、態度には気をつけろよ、とか思っちゃうところはあるけどね。

でも、やっている彼女たちは実際かなり必死にやっていると甘える子は少なくないし、それって私がプロレスを見ている理由の大きなものの一つでもあるので、そうなると批判はできないわけだ。

可愛くてもエロくても、プロレスがつまらなければ自ずとファンがつかないのはこの世界である。

そんなに世の中は甘くないのはきっと本気でやっていればわかる話だ。

いろんな見え方はあるけど、こうしてプロレスの裾野を広げる人たちの存在はいいことだし、本気でやってるならそれは素直に応援したいというのがファンというものだ。

それに、なんやかんや可愛い女の子は好きだからね。


ともあれ、男子のプロレスがある種高度なエンタメ路線によってきている一方で、女子の方はスポ根的な色を強めて違う形で発展しそうなのがいいね。

もちろん男女という括りでなく団体ごとでも全然違うから、そういう多様化は個人的にはウエルカムだ。

それがどこかで当たり前のようにクロスオーバーし始めたらもっと面白いから、これからにもますます期待だ。