という訳でノア有明大会へ行ってきた。
既に結果は速報されている訳であるが、結果は全てのベルトを鈴木軍が穫る形となった。
全試合通して見えたのは鈴木軍のプロレス力の方が高かった事。
今回ベルト戦には絡まなかった森嶋、杉浦にしても試合外のところでは非常にパッとしなかったし、存在感がなかったと言っていい。
その中でも気を吐いていたのはやはり丸藤くらいか。
小峠にしても今日の試合はダメだろ。
ノアファンはそれでも大人しいが、この試合では「つまんねぇ試合するな!」「さっさと終わらせろ根な試合」というヤジが飛んだ。
試合的に盛り上がったのは3wayとなったジュニアタッグだろう。
鈴木軍を排除してノア勢だけで決着させんとした展開も良かったし、最後にシレッと勝利を穫って行ったTAKAとでスペラードの手際も見事だった。
残念だったのはTMDK.。
シェインの膝のケガで思うように動けず、正直見せ場もやりきれずでいつもの軽快さがなく、観ていてしんどかったな。
そしてさすがだったのは丸藤だね。
やはりみのる相手に最近の定番となっているフラフラムーブではなく、既に定番化した動きの中にも一歩先行く展開を魅せつつ、狙い所ではばしっと決める。
むしろ鈴木の方が付いて行ききれないところもあって、天才ここにアリを見せつけた。
それでも最後はセコンドの介入で負けてしまったが、今回は久しぶりに丸藤のプロレスを観た思いだ。
それにして、今回はヒールとはこういうものだというのをまざまざと見せつけたね。
タイチのムカつきっぷりがハンパじゃないし、実に憎たらしい。
一見コミカルなTAKAも飯塚もここぞと言うところではしっかり動くし、何より皆体の仕上がりが素晴らしい。
一時TAKAはなんかプヨプヨした感じだったけど、すっかりグッドシェイプになっている。
それに総帥鈴木も今日は体をかなり絞っているようだったし。
丸藤と並び立った時に、こんなに小さかったっけ?とか思ったけど、その分筋肉の筋が綺麗に出ていた。
こいつら相当プロだよね。
怪奇派の飯塚でさえあの体である。
伊達ではない。
やはりフリーでやっていながら今の新日本でもポジションを築くにはアレくらいのことはしていないと行けないと言う事だろう。
片やノア勢の体たらくである。
超危暴軍はヒールとしては実に稚拙ではあるけど、その中にあってはよく頑張っている方なんだなと改め観ていると思う。
Brave勢はぬるま湯な感じが強いし、No MercyもKENTAなき後はすっかり藻抜けだし。
何より団体としてそれぞれが違う方向を向いてると言う事が何より問題なのだろう。
単なる同じ看板に集まっているに過ぎない集団であって、これではカラーもクソもないよね。
だけど、全てのベルトを奪われたという団体創立以来の危機に、まずベルト進呈の際に立会人を務めた小橋が不服そうな顔でいると、次いでトロフィーを持ってきた田上もこの野郎とばかり。
しかしいずれも既に引退している。
と、ふとゾロゾロとリング周辺に所属選手が集まってきたかと思うと、一応リングに上がって一悶着を演じてみせるがなんだかパッとしない。
そうこうしている間に鈴木軍が退場せんとしたその時になってようやくマイクが。
先ほどまで試合をしていた丸藤である。
何故そこまで誰も何も言わない。
乱闘だけが意思表示ではない。
ともあれ、これを機にノアが軍団を越えて団結、総力を掛けてベルトを取り返すぜ、というのが次のシリーズとなった訳である。
超危暴軍もそれなりに頑張ってみたが今一発展せず、森嶋もすっかり元の森嶋に戻りつつあるし、拳王もキャラに無理が来ている。
他の連中はそれなりに盛り上がるファンを相手に小さなところで満足している印象だし。
勝彦もアピールの声は大きくなったが、レスラーとしてはすっかり小さくなってしまった。
彰俊は体は大分来ているはずなのに、かつてのような頑強さを魅せていて、いいレスラーだとこの中にいてやはり思う。
ヨネなんて論外だ。
こんな状況だから、何をやってもうまく行くはずがない。
今日の結果はノアファンにとっては最悪の結果なのかもしれないが、ノアに穫ってはこれ以上にないチャンスである。
これをどう展開させて、自分達のカラーを打ち立てるか。
別にヒールがいようがコミカルがあろうが、何か1本芯の通ったノアらしさを魅せられれば団体としてまた復活できるだろう。
逆にこれを活かせなかったら、もう団体としてはインディーズ以外あり得ない。
それくらいの局面だろう。
これから3ヶ月のノアに注目である。