続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

頑張れノア

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最近各団体とも大分状況が安定しつつあり、規模感の違いはあれどそれぞれにストーリーを展開しつつ、それらがじわじわと浸透してきた感がある。

新日本はいつの間にか独走状態でもはや説明は不要だろう。

新規のファン層も開拓しつつあり、ここからどこまで膨らんで行くかである。

最近復刊されたゴングや先々週だったかの週プロでも経営層のインタビューが乗っていて、これが非常に面白い。

これまでプロレスを経営という視点で観るという事はあまり、てかほとんどなかったと思うのだけど、フロントの人がああして出てきてプロレス雑誌で団体経営について話をするというのが実に新鮮だし、単純になるほどなと思うのであった。

ブシロードの人ってすごいよね。

何より読んでいてすごいのは、元々新日本にいたスタッフの事を褒めちぎる事である。

すごく優秀、素直に勉強になる、お任せしている、と言った具合に、通常であれば喧嘩してしまいそうな価値観の衝突もありそうなものが、そこには全くないのである。

そういうのがやっぱり大事なんだろうね、なんて思う訳である。


で、一時期その新日本の対抗馬足りうるか、と注目された全日本は、結局二転三転して極小さな、純度を求めたようなところで落ち着いた。

白石社長は結局何かを大きく変えることはなく、単に武藤と全日本の看板を引きはがしただけという印象である。

そして後釜についたのは全日本の生え抜きである秋山であるというのがなんだか不思議な感じだけど、一方で納まるべきところに納まったような感じもするから、これからだろう。

意外な事に諏訪間のような武藤に育てられた選手や、曙なんかも全日本に残ったことである。

その他金丸、青木、鼓太郎、潮崎なんかはノアの印象が強い選手だが、今や全日本の看板を背負っている。

宮原のような生きのいい若手が入ったのもいい刺激になるだろう。

最近は巡業も回り始め、王道トーナメントなども出来るようになってきた。

チャンカーも開催できれば、団体としてはまずまずと言えるのではないだろうか。

規模はすっかりインディだが、基本的なレスリング技術のしっかりした選手が多くいる分、安定感は抜群だろう。

ここにKENSOとかがもっとうまく絡めば面白いんじゃないかな。


そして問題はノアである。

丸藤がベルトを取って中心となりながらやっているが、正直今一パッとしない。

今は超危暴軍とBraveの抗争という形のカードが多いのだけど、タイトル戦以外で丸藤負け過ぎだし、大体超危暴軍自体がパッとしない。

やっぱり団体のカラーに馴染まないというのはどうしてもあって、ノアって純粋なプロレス団体というのがイメージとして強いから余計にね。

だからこそ意味がある、というのも一理あるけど、一方でそれを受け入れた瞬間にその他の団体と何が違うの?という話にもなる訳である。

だったらいっそそんあヒール/ベビーフェイスみたいな構造は諦めて、玄人向けの渋いプロレスを展開してくれる方が今はいいのではないか、という気もする。

わかりやすさをどこに求めるか、という話にはなるけど、そういうアングルではなくて明らかに痛い、明らかにすごい、そんな純粋さを追求するもの良かったのではないかな、という気がする。


もっとも、今ノアの中心にいるのは丸藤はじめ決して体格に恵まれた選手ではない。

それこそヘヴィと言えるのは森嶋、マイバッハくらいで、杉浦にしても中嶋にしても石森にしても体は小さいしね。

てか、今ふと思ったが、所属選手の名前が出てこない。

斉藤が復帰したけど、あとは原田とか大原とかか。

拳王は所属だったかな、忘れた。

ともかく、まあこうして観るとかつて三沢、小橋、田上が全盛で在りし頃のスタイルは無理があるか。

ではその中で何を見せて行くか、というところでこれと言うのが今一見えてこないんだよね。

今も丸藤の描こうとしているチャンピオン像というのが見えづらいし、森嶋らの立ち位置も結局ファンからは受け入れられているようには見えない。

ムイビエンこと大原がヒールながらコミカルさで人気になってしまったり、拳王はなんか浮いている印象があるし、マイバッハは相変わらず中途半端というか、なんか残念なんだよな。

森嶋も変な武器持ってくるし。

とにかくかっこ良くないし、凶器に説得力もない。

怖くもないし、試合の壊し方も雑。

まあ、まだまだ発展途上と思う事にするけど、いずれにせよこの路線は長くは続かないんじゃないかな、なんて思ってしまう。


森嶋も谷口も体格に恵まれているのだから、もっとこれをふんだんに活かしたダイナミックさがあれば団体の中でも緩急が付いていいのに。

正直ヨネはダメ。

この間の永田とのGHC戦を見てつくづく思ったけど、あいつはトップにはなれない。

斉藤はプロレスラーとしての意識も見せ方も高いレベルだけど、寄る年波には勝てないのか、かつてほどのキレある動きはない。

幸い若手で良さげなのが2人いるから、こいつらがヘヴィで使い物になれば、もっと面白くなりそうだけど、向こう何年はまだまだ苦労しそうだなとノアについては思う。


個人的には、プロレスを本格的に観るようになってから一番熱心に見ていたのはノアなので、頑張ってほしいのである。

新日本に路線は個人的にはやっぱり今一嵌りきらないので、ノアに踏ん張ってほしいのだけど、このままでは全日本に流れてしまうかも。

不思議とWrestle-1には全く興味を引かれないのだけど、それはともかく、丸藤には選手としても団体の中心としても頑張ってほしいね、ほんとに。