最近テレビでもアメトークはじめプロレスが取り上げられる機会も多く、また新日本の躍進もあり山手線などで大々的に宣伝されることで、認知度はまた盛り返してきている、だろう、多分。
ただ、実際テレビでネタになるのは試合そのものよりもある意味プロレスのプロレス的なところに焦点が当たっているのがやや微妙だが、それでもそれを許すのはプロレスの度量というものだろう。
K-1、総合では中々そういう現象は起こりにくいしね。
出演するタレントが40前後なので、必然ネタは昭和になりやすいのだけど、それをきっかけに興味をもってくれるならいい事だ。
団体の分裂により既に袂を分かってしまったが、かつて全日本で一世を風靡(とまでは言わないが)したタッグチームである。
プロレスに復帰してまだ間もない頃の大森と全日本生え抜きの征矢の2人である。
ワイルドをテーマに組まれたタッグであるが、彼等の会見のやり取りが極めて秀逸で、実にプロレスらしいので大好きなのである。
共にワイルドといいつうも、実はマイルドで有名な大森、完全トンパチの征矢のやり取りが実にいい。
2人とも真顔なのだけど、どこかとぼけていると言うか、なんともいいのである。
個人的には真田・ドーリング組に一度負け、リマッチで見事王者に返り咲いた後の会見。
試合後再度のリマッチを要求されたget wildはその要求をリング上で却下。
「そうやってリマッチリマッチってやってたら終わらないだろ!」という、一見尤もな理由なのだが、しかし自分達の足取りを振り返る中で、大森ははたと気づいてしまう。
「でも、あいつらはリマッチ受けてくれたよな、だからこうやって、いまベルトがある訳だし・・・。やっぱ1回は受けといたほうがいいんじゃないか?」と、突然迷いだす。
そこで征矢といざこざがあるのだが、大森の「チャンピオンなんだから堂々としてないと」という言葉を受けて征矢のはなった言葉が明言だった。
「チャンピオンとして、堂々と挑戦は受けない!」。
「そっちか・・・」という大森の返答も素晴らしい。
で、結局挑戦は受けるとこになったのだが、その時の会見がまた愉快。
大森が挑戦者組にある要求を突きつける。
「もし、万が一、俺たちが負けたら、リマッチを受けてくれ」。
「何予約してんすか!?」という征矢の突っ込みも見事。
そこでもまた揚げ足の取り合いのようなやり取りである。
その他にも当時ややコミカルにやっていたKENSOとカズのチームビチッととのタッグ戦前の会見、大日本の関本・岡林組との会見、いずれも秀逸すぎるのである。
はじめは対決ムード満点なのに、何故か途中から真面目に悩みだし、立場をわすれて冷静に指摘を始める大森、意味不明な独自理論を展開する征矢の構図が溜まらなく面白い。
対戦相手も大体の場合途中から笑いを堪えるのに必死という有様。
大体間に当時の社長が座っているのだが、終始うつむいて笑いを堪えているのが印象的である。
こういう試合以外のところでも見せるのがやはりプロレスというもののおもしろさである。
今は団体も分裂してしまい、大森は三冠を獲得、すぐに陥落するも割とガチ路線に戻っている。
一方征矢は相変わらずワイルドなキャラでWrestle-1でやっている。
何時かまたこんなコンビを見たいものだ。