続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

惜しまれる引退

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最近またプロレスをちょくちょく観に行っている。
 
会場としては後楽園がちょうどいいので、特に団体は問わずそこでやる大会をメインにしているのだけど、女子プロ率も何故か高い。
 
先日のWaveもそうだけどね。
 
まあ、新日本は今のスタイルにあまり興味が引かれないし、全日本はなんかタイミングが合わない。
 
ノアは先日行ったのだけど、ドラゲーもまた観に行きたいね。
 
なんてあれこれやっているとタイミング良くあるのが女子プロ、しかも適度にイベントもあるから行く理由も立つ訳である。
 
で、今日はスターダムを観に行ったのだけど、今日で夏樹たいようが引退と言うことなので、しからばというわけさ。
 
 
元々この団体はゆずぽんこと愛川ゆず季もいたし、もっと元々は数年前までNo.1人気レスラーだった風香も参加しているとあって話題性が豊富であった。
 
個人的にはいい意味で素人臭さがありつつ、女子プロにありがちな夜の香りがあまりしないのもいい。
 
アスリートや女優の仕事をしていたという子も多い為か、スポ根で爽やかな感じもある為、非常に奇麗な団体である。
 
加えてレスラーのヴィジュアルレベルも非常に高い。
 
キチンと自分とこで新人も育てて、定期的にデビューもさせているから大した者だ。
 
もっともまだ中堅にさしかかる前に離脱してしまう子も多いのは残念だが、とはいえ勢いは随一と言っていいだろう。
 
 
そんな団体の中で際立っているのは、なんと行っても元全女である高橋奈苗とこの夏樹たいよう。
 
2人とも結構色んな団体を転々としていたし、一時期はゼロワンとの絡みでSUNという団体も立ち上げていた。
 
その後うまく立ち行かずにスターダムに合流した訳だが、その後は非常に安定して団体の屋台骨となっている印象である。
 
この団体は今時の女子団体に珍しく、とにかく当たりの強い試合をする。
 
女子プロの場合、大体において重視されるのは感情を見せる、という事らしいが、得てして大声を張り上げるだけで試合そのものは非常に雑。
 
技もバリエーション以前に組み立てが出来ていない有様で、これではレベルの低下を叫ばれても致し方なし、と思える訳だが、スターダムの選手もはじめこそ新人ばかりだったから仕方なかったが、今日見た限りでは選手は着実に成長しているし、団体としての底力はじわじわ形になっているような印象であった。
 
そんなタイミングでのこの引退は、正直本当に勿体ないと思う訳だが、仕方ない。
 
 
以前もこの選手に付いては書いた事があるのだけど、体は女子の中にあっても小柄で、決して恵まれていない。
 
ヴィジュアルも他の選手に比べてもそこを売りに出来る器量ではないというのが正直なところだ。
 
しかし、とにかくこの子はプロレスラーとしてのレベルが高い。
 
そして向上心も高くセルフプロデュース的な観点から見ても非常に素晴らしい。
 
その上ゼロワン・日高に鍛えられたこともあってか、独自のスタイルを確立しつつ、体系を負にさせない戦い方を出来る選手なので、今の女子プロ界を見渡しても相当なものだと思っている。
 
実際、今回引退試合では苦楽を共にした奈苗との試合だったのだけど、対格差はありながらちゃんと対抗してみせるし、対格差のある選手のやりがちな丸め込み連発みたいなこともしない。
 
あくまでプロレスの試合をしっかりとやって、30分以上も組み立ててみせた。
 
動きを見ても、体にテーピングがないのを見ても、重ね重ね惜しい訳だが、まあ無理して続ける者でもないからね。
 
潔くひくのもそれはそれ。
 
ともあれ、正直この間のWaveの連中と比べても格が違ったな。
 
 
で、今日は全部でわずか4試合という非常に短い構成であったのだが、この団体は興行と言う意味に置いても色々工夫しているよ。
 
オープニングからのダンスは、考えてみれば発端は当時闘龍門マグナムTOKYOだと思うが、ダンサーも雇ってマスコット的なアイドルを使って風香が登場して開会宣言、というのをずっとやっており、それだけでお客さんもノッテくるから面白い。
 
結構女子プロって女性ファンも多いし、男ファンはちょい汗臭いいかにもな奴が目立つのだけど、この団体って今少し奇麗なのよ。
 
女性ファンもキャバ嬢とかではなく、ホントに普通っぽかったり、男性客もそういう奴も当然いるけど、ちょっと層が違う気がして。
 
 
で、試合の方に目をやっても、最近は大分色々な路線を取り入れているんだな、という事もわかるけど、同時に各選手がキチンと試合を組み立てられているのがとにかく素晴らしい。
 
しかも渋い関節技の応酬もあり、序盤から派手な技の連発なんてチカラ技ではないし、煽るときも流れの中でやるから自然と客も乗れるし。
 
女子プロ界にあってはややガラパゴスな印象もある団体だけど、それ故に独自の方法論も確立できて、安易な方向に選手が走らないようにコントロールできるところもあるのだろう。
 
今の女子プロ界でいれば、目立つのは里村、華名、未央、藤本あたりと個人的には思っているが、他の団体所属の選手とスターダムの選手が真正面から絡むイメージがあまりないのである。
 
まあ、里村だけは明らかに別格だけど、女子プロにまとわりつくある種のしがらみめいた者をあまりかんじないんだよね。
 
だから見ていて気持ちいいし、素直に楽しめる。
 
全4試合のボリュームながら、興行としてみた時には割と十分楽しめたからね。
 
夏樹の引退は惜しい訳だが、こうして団体が着実に成長している様を観ると、スターダム自体はまだまだこれからであるし、一方夏樹のような選手には是非後進の育成にも当たってほしいと思うよね。
 
 
ところで、先にも触れたがこの団体の選手は可愛い子が多いのも、やっぱり事実だ。
 
現チャンピオンのイオ、惡斗、宝城カイリ、デビュー間もないコグマ(名前はどうかと思うが)など、スタイルもいいし、ビジュアルもある。
 
そこに奈苗や夏樹のような実力はや、彩羽のような有望新人、岩谷なんかもいいもの持っているからもっと鍛えれば化けるかもしれないし、世4虎のような業界内で注目される存在もいる。
 
そう言えば今日はディーノもゲストとして登場してきたね。
 
それはともかく、いいタレントが見事に揃っているから、これからも頑張ってほしいですね。
 
ちなみにゆずぽんも来てましたが、足腰はさすがのむっちり感、とはいえ顔は小さいし美人だし、何より動きなどに品があるのは育ちの良さだろうか。