続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

世間と身内

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すっかり世間を騒がせたスターダムでの事件であるが、今日の会見を持って一旦の一段落と言った体である。
 
結局処分としては当初の想定通り無期限出場停止と王座剥奪、そして先の試合のノーコンテストが告げられた。
 
今やYahooニュースのコメント数や、Twitterでの拡散具合を観ても凄まじいもので、一体何故ここまでことが大きくなったのかが不思議なくらいである。
 
それこそプロレスファンが騒ぐならいざ知らず、明らかに普段プロレスなど観ない、言うなれば野次馬がやんややんやと好き勝手な責任論を述べているのを観るにつけ、やっぱり世間というのはこういうものなのだな、なんてことも思ったりしたものだ。
 
もちろん世Ⅳ虎のした事は、是か否かで言えば圧倒体な否な訳であるが、一方でプロレスとはいえ格闘技の性質上、大きなケガを負ってしまう事自体は珍しくはない。
 
にもかかわらず、辞めろとかそういう話を同じ業界の人間がするのであればまだしも、全くの外野があれこれ偉そうに述べる姿には薄ら寒いものを覚えてしまう。
 
 
今回の騒動に置いては私もTwitter木村響子はじめ色々の人のコメントと併せてそこに寄せられる反応を良く見ていたのだけど、やっぱりちょっと反応が異常だと感じた。
 
別に暴力行為を肯定する訳でもないし、元々プロレスに限らず格闘技全般に対して否定的な人であればそう言ったリアクションもわからないではないが、恐らく大半はそうではない。
 
単に惡斗の歪んだ血まみれの顔を見て騒いでいるだけである。
 
要するにスキャンダルしか楽しみがないような奴らなのだろう。
 
そして何が気持ち悪いって、こぞって正論を持ってあたかも正義を振りかざそうとしているような態度である。
 
安易に辞めろとかなんとか言う奴は、翻って責任というものを全く理解していないとしか思えないし、それによりいい方向に向けばいいと言った良心もない。
 
辞めることは見方を変えれば逃げる事であるし、今回で言えばここで世Ⅳ虎を解雇することは何も解決しないし、むしろここで止まって批判なりを徹底的に浴びる事の方がよほど責任を取るということだと思う。
 
実際プロレスに限らず、どんな会社でも辞める事よりも止まる方がしんどい事の方が多いのである。
 
それがわからない奴は逃げる事しかしてないからだろう。
 
 
私はプロレス全般に対して割と肯定的なつもりだし、少なくとも否定はしない。
 
プロレスと一言で言っても内容は多岐に渡るし、中にはあくまで否定はしない、というスタンスのスタイルだって正直ある。
 
私はプロレスファンという視点だし、色んな団体を観ているので、今回の件についてももちろんショックだし、あっては行けないと思っているけど、これによってプロレス自体に対して否定的にはならないし、なる思考回路が全くわからない。
 
それは私自身のプロレス観がはっきりしているからかも知れないけど、少なくともプロレスファン、特にスターダムのファンであった人でなければそれですぐプロレス自体を嫌いになるということはないと思うのだが、これが不思議だった。
 
 
一方で、世間の反応がこういうある種ショッキングなものに飛びついて騒ぎだす様というのはいかにも過ぎて冷めた笑いしか出てこない。
 
惡斗が割と奇麗な顔をしていて、対する世Ⅳ虎が見た目モロ怖そう、という感じでなければ、こんなには反応しなかっただろう。
 
こういう反応は別にプロレスに限ったことではないから、本当に世の中ってのはクソみたいなものだな、なんて思ってしまうが、それはともかくとしてもやっぱり下らないなと思ってしまう。
 
とはいえ、ビジネスとして大きくしていく為にはこういう連中をうまく取り込んで行かないといけない、という現実も図らずもまざまざと見せつけられたような思いでもある。
 
 
そして賛否を呼ぶ週プロの表紙についても、やはり業界内からは批判が圧倒的に多い。
 
写真自体は比較的酷くないものではあるが、中の記事では頬の当たりが大きく晴れ上がった写真が大きく遣われていて、想像はしていたけど私もこれは賛成は出来ないというのが正直なところだ。
 
ただ、今回敢えて週プロがこの表紙を持ってきたか、というところについて考えると、肯定的に捉えれば今回の件はプロレス業界にとってもショックな出来事であって、これがプロレスの日常と言う訳ではない、ということの意志表意とも撮れるかな、という気はしている。
 
これだけ世間の耳目が集まる中、それをスルーする事は却って不自然だし、その事が却って特殊な業界という取られ方をする可能性もある。
 
だったらと言う事で、もし部数だけを考えて遣うのであれば、件の一番悲惨な写真を使うはずである。
 
まだ記事については全て読み切れてはいないけど、そんな気がしますね。
 
 
大分話があっちこっちして、何を言いたいのかわからなくなってしまったが、いずれせよ今後のスターダムの対応に注目である。
 
ロッシーのやり方についても批判的な意見が多いので、今回を機にリング上も変わるはずである。
 
より健全な方向に動けばいいよね。
 
何よりスターダムには10代の若い子達もたくさんいて、これまで明るい印象の団体だっただけに色々ショックを受けている事もあるだろうし、クソみたいな奴は必ずいるから彼女達にまであらぬ批判や罵声を浴びせる事もあるだろう。
 
そう言う事は辞めてあげてほしいよね。
 
まずは惡斗のケガがキチンと治って、また表に出られるようになってからが本当の再スタートである。
 
リングに立って試合をできるようになるかどうかは、正直わからない。
 
一方の世Ⅳ虎も、向こうしばらくは色々思う事があるだろう。
 
件の試合後ににやりと笑った顔には確かに悪意が覗いて見えたけど、そのときはここまで酷いケガを負わせたとは思っていなかっただろうし、単に綺麗な顔が腫れ上がってぼこぼこな様を観て、ざまぁみろ、位の気持ちだったのだろうと思う。
 
それだからいいという話ではないが、自分でもそこまで自分のパンチが強力だとは思っていなかったかもしれないかな、とは思う。
 
まあ、私はプロレスファンの性善説者なので、どうしてもそうして肯定的に捉えてしまうのかもしれないけど。
 
 
最後に、男子(ゲイ)レスラーの男色ディーノ氏が非常に素晴らしい明言を残しているので、紹介しておこう。
 
「やらかした時、応援する人は応援してくれる。文句を言う奴は文句を言う。でも世の中には敵でも味方でもない人の方が多い。そことどう向き合うか。敵ばかり観るな。味方ばかりも観るな。受け入れて今出来る事を探せ。で、可能なら笑おう。」
 
この人はそのキャラも際立っているが、もの凄くプロ意識も高いし、なによりゲイのクセにめちゃくちゃジェントルマンで、発言などにはすごく説得力があるので素晴らしい選手と思っている。