続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

スターダムの今 ―5.6 新木場

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今日は連休最終日と言う事で、ぼけっとしていても仕方ないのでスターダムを観に新木場へ。
 
今日は高橋奈苗のケガでの欠場により空位になったタッグベルトの選手権試合が目玉であった。
 
少ないながらほぼ所属、もしくはレギュラー選手のみで試合を組んでいるのはさすがというか。
 
注目としては、シングル、6人タッグの2冠王になった宝城カイリが3冠となるか、あるいは先のトーナメントで悲願の優勝を果たした岩谷がイオと共にベルト戴冠となるか、というところであったろう。
 
他にも外人タッグ、外敵タッグが参戦はしていたが、明らかな噛ませ犬感が拭えなかった。
 
まあ、今の状況では仕方ないがね。
 
 
件の試合の前に、まず全体的な事に付いて。
 
新木場での試合は久しぶりに観るのだけど、ファン層は相変わらず濃いおっさん層メインだが、ちらほら女性客の姿も。
 
尤も明らかに男と一緒に(夫婦も含めて)来ている人が多く、後楽園に比べるとこういう小さな会場は純然たるファン以外には敷居が高いということだろうか。
 
ただ、やはりというべきか所謂プロレスファンよりはアイドルファンに近い層なのかもしれない。
 
試合前にはいつもの歌とダンスのオープニングがあったのだけど、音響が悪い。
 
音がデカ過ぎて音割れしまくりで何を言っているかわからないのはそろそろ改善されるべきだろう。
 
選手よりもスタッフの方が年を取り始めているのは業界の一つの縮図になっているのかもしれない。
 
また、今日は当日券で入ったのだけど、チケット販売はロッシーが自らやっていたね。
 
他にも物販には若い選手かスタッフかわからない子が立っていたが、いずれにせよこういうところはインディと言う感じがするね。
 
 
さて、そんな訳で試合をかいつまんで。
 
第1試合はキッズファイトとて高校生 vs 中学生。
 
前者は既に通常の試合も行っているので、半ばは中学生のチャレンジマッチといったところだろうか。
 
しかし、この手の試合を組むならやはりある程度のキャリアのある選手とやらせないと、どちらも浅井キャリアではどうしても難しい展開になる。
 
思いっきり攻めるにも受けるにもハンパになってしまうしね。
 
観ているこっちがヒヤヒヤしてしまう。
 
それに、中学生ながら器用なアクロバティックをかます訳だが、そんな事よりも基礎をもっとやらせないと末永く活躍できないぞ。
 
 
次いでは木村響子、コグマ、そして先頃スターダムに復帰した加藤遥の3 wayであったのだが、内容はコミカルマッチとなった。
 
木村、コグマについては言うに及ばずレベルが高い選手なので、そこに加藤がどう絡むかというところであったのだが、結論から言えば第2試合としては非常に良かったと思う。
 
レスラーとしてのレベルの低さはうまくトーク(プロレスの試合でトークと言うのもなんだが)でカバーしつつ、尚かつ木村の幅広さがここでも発揮されていて、うまい具合に暖まっただろう。
 
 
次いでははづきvs新参外人。
 
新参といってもUKではチャンピンだったとかで、体はデカイし、結構美人だ。
 
試合はパワフルでキャラクタも明るく非常に良かったですね。
 
ただ、まだ日本的な試合に馴染めていない感じもあって、今後うまくアジャストできれば面白い存在になりそうだ。
 
もっとも、3ヶ月限定の参戦らしいが。
 
 
次いではタッグトーナメント。
 
結晶を入れて都合3試合だけだが、その予選?第1試合はカイリ・チェルシー組vs外敵初日の出vs米山組である。
 
優勝候補としてカイリ組だが、チェルシーの試合は観た事ないし、カイリの試合も考えてみれば欠場してたからかなり久しぶりであった。
 
どんなもんかしらね、というところだったが、果たしてこれが本領発揮なのだろうか、と言うところであった。
 
カイリは非常に当たりも強いし思い切りもいいけど、プロレスラーとしてはやはりまだまだであると思う。
 
動きの一つ一つも魅せ方もうまいし、リング映えするからその意味では非常にいいのだけど、それをより活かす為の地味な動きや正確さを身につければもっといいのにね。
 
大きな動きはできるから、勿体ないよね。
 
そして相方のチェルシーだが、体格的には美闘を想起させるものがあるね。
 
美人だし。
 
途中コスチュームが食い込んで尻の当たりがセクシーになっていたが、しかしこの選手の強みってなんなのだろうというのが正直わからなかった。
 
パワーファイターという感じでもないし、テクニカルな感じでもない。
 
今日は決勝含めてそれも見えなかったな。
 
ちなみに結果は彼女らの勝ち。
 
 
次はもう一つの予選、岩谷・イオ組vs大江戸隊の外人タッグ。
 
外人組はクリス・ウルフとメキシカンマスク・スターファイヤーとのこと。
 
クリスは一体何が強みのレスラーなのか、こちらもあまりよくわからないのだけど、メキシカンもいると言うことで空中戦主体の派手な試合になるかと思ったら、そうでもなくて、思ったよりも堅実な試合であった。
 
ただ、大江戸隊はヒールらしく場外乱闘なんかもありながらで、ここでも木村がいい仕事をしていたね。
 
それにしても、こうしたタイトル戦があるのに大江戸隊のボスたる惡斗は今日は映画のイベントでトークショーだとか。
 
まあ、わからいではないがちょっとどうかと思ってしまうところはあるよね。
 
ともあれ、試合は岩谷・イオ組の勝利。
 
 
そして決勝であるが、思ったよりも早く、そして想定外な形で決着となった。
 
なんと岩谷のドラゴンスープレックすにより宝城が失神、KOとなったのである。
 
プロレスの試合で、しかもタッグマッチで失神KOって多分ほとんどないのではないだろうか。
 
何せその為のタッグなのだし、まさかあそこで試合を止めるとは思わなかったな。
 
件の事件以降、運営も慎重になっているのはわかるけど、ちょっと過保護ではないか?と思ってしまう一方で、ああいう展開でうまく試合を巻き返せないキャリアの浅い選手が多い以上はそうしてルールで選手を守るしかないのかもしれないが。
 
とはいえ、2発食らったのだけど、1発目で既に半分飛んでいたようだが、そこでイオがパートナーのチェルシーにかかって行って、僅かに時間稼ぎに動いたのはさすがであったが、チェルシーが思ったよりポンコツだったな。
 
思わぬ展開にテンパったのかもしれないが、ああいう場面ではパートナーが回復するまでは頑張らないとね。
 
全然関係ないけど、私がプロレスを観るきっかけになったドラゴンゲート(当時はまだ闘龍門だったが)の試合で、当時クレイジーマックスだったCIMA・SUWA組vsイタリアンコネクションのYosshino・
コンドッティ修二組の試合で、コンドッティの放ったスピアで倒れた際にサードロープで後頭部を打ったCIMAが失神する場面があった。
 
ここでは一瞬ドッティがしまった、みたいな顔したけど、SUWAがすぐに飛び出して場外乱闘も含めて場を盛り返しつつ、CIMAが回復するまでつないだのを良く覚えている。
 
・・・自分で書いておいて懐かしさ満載なワードである。
 
このときはドン・フジイTARUもいて、しかもイタコネはイタリア人という設定だったな。
 
イタコネにはブラザーヤッシーニとか、ミラノコレクションATもいた。
 
ちなみに当時土井はセカンド土井といって、モッチーらとユニットを組んでいたね。
 
ロイヤルブラザースとかもいたな。
 
スト市は変わってないね。
 
 
それはともかく、やっぱりプロレスラーとしての強み観たいのはこういう時にこそ出るし、その上で試合を組み立てれるようなレスラーが出てくると、スターダムもネクストレベルと言えるのではないだろうか。
 
まだ個々にいい選手が出てきた程度だからね。
 
 
ともあれ、今選手層としては奈苗、世Ⅳ虎、惡斗が欠場している中で、カイリを中心として少し違う景色になっているのは面白いよね。
 
なんやかんや言っても私はカイリは好きな選手なので、頑張ってほしいと思うよね。
 
多分この子いい子だし。
 
一方でやはり団体に対して思うのは、とにかく選手の基礎をしっかりとさせる事である。
 
今回の大会でも外人選手がケガで急遽欠場になっているし、何より10代の選手も多数所属している以上は体が出来上がるまでは技よりも体作りをさせるべきだと思うし、でないとまたいい感じで上がってきたところで引退なんて事になってしまっては勿体ないどころではないしね。
 
何よりその子の為にもそうしないとダメだろ。
 
そこは男子の老舗団体のような筋を踏襲すべきではないだろうか。
 
 
とりあえず、次回17日の後楽園大会ではカイリvs岩谷のシングルベルトマッチも組まれるようなので、そこでどう言う試合を魅せるかであろう。
 
昇り盛りでピンチを迎えるとどうしても無理をする選手も多くいるから、そこはうまくコントロールしてあげつつ、裏方はこういう場面でこそ力を発揮してほしいよね。