続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

続・世間と身内

先日、件の凄惨マッチ(というほどでも実際はない)で世間的に話題になってしまった世Ⅳ虎が引退を発表した。

 
まだリリースレベルの情報なのだが、「スターダムで試合をしたくない、でもスターダムでしか試合をしたくない」という旨を語ったという。
 
結局騒動の後一度も表に出ることもなく、14日の後楽園大会であいさつをするそうな。
 
思っていたよりもメンタルが繊細だったのかもしれないし、あるいは単にモチベーションが一気に落ちてしまったのかもしれない。
 
有望な選手だから非常に残念だし、こういう帰結を迎えてしまったのは全く持って不本意だ、というのがファンの率直な思いではないだろうか。
 
 
ただ、今回もYahooニュースのトップに掲載されたが、リアクションは既に薄く、世間にとってはもうどうでもいい話になってしまったようだ。
 
所詮こんなものだということを改めて感じた出来事である。
 
一方で相変わらず批判したい奴もやはりいて、Twitterなどでは改めて発言する選手と烏合の衆がもめている。
 
木村も納得いかねぇとばかりに発言しつつ、その発言に対して攻撃的な対応ばかりをとる連中、無条件に擁護に回る連中、やっぱりいろいろだ。
 
また今回は岩谷もそうした外野に対して批判的な発言をして、一部ファンからたしなめられている、というかなんか「出る杭は打たれるから気を付けて」という声にしか聞こえないけど。
 
 
こうしたやり取り自体はまあ想像できることだし、この手の話は絶対に落としどころもなく喧嘩別れ的に終わることが多い。
 
何故なら方や必死な人間と、片やその必死さをこそ笑う人間なのだから。
 
また真剣な方も真剣なあまり感情的になってしまうところもあって、そうした発言をシャットアウトしてしまうこともあるから、余計に肯定的な意見ばかりが残ることになって、なんかうやむやになってしまうのである。
 
 
で、図らずも私にはある状況が透けて見えてきたような気がしたんですよね。
 
一言でいえば女子プロ村の姿というか。
 
こういう類型の仕方はよくないのだけど、男子に比べても女子の方がガラパゴス感が強いのである。
 
男子もそういう傾向はあるにしても、より強い。
 
そしてそれほど多くの集客ができている訳でもないし、会場に足を運んでも新日本のように新しい客層がいるわけでもない。
 
どこかかび臭いような空間だといつも感じるのだけど、その訳がちょっとわかった気がしたんだよね。
 
それがいわゆる女性的なものに起因しているのかな、と思ったのである。
 
それこそ木村にせよ岩谷にせよ、批判的な人に対しては「よく知りもしないで」「外野は黙れ」というような排他的な発言が目立つ。
 
勿論そうした印象のコメントが大半だから、単にそういう理由もあるのだろうけど、どこか自分たちのコミュニティを守ろうという感じというか、それが強いんだよね。
 
よく女同士はめんどくさい、的な話を聞くのだけど、多くは新しい水を嫌い安定した状況を守りたい保守的な精神が由来しているように思うし。
 
勿論それがいい方向に作用する場面もあるのだけど、一方でそれでは業界・団体としては拡大していかない。
 
ガラパゴス的にやっていくことを選ぶ価値観もあるからそれはそれで否定はしないし、実際今の女子プロ団体の大半はそうなりつつある気がするし、ファンもそういうあり方を望んでいる節がある。
 
それこそ先日のアイスリボンでの世羅の蛍光灯マッチについての一連のやり取りの中でも、そうした気色を示すファンは非常に多かった。
 
 
言葉にすると同じように聞こえてしまうから、必ずしもそうだと断言できるわけではないけど、こうした無責任な世間をどう取り込んでいくか、ということが売れるということだし、それはプロレスに限らず同じことである。
 
世Ⅳ虎について言えば、現状は引退となっているが今後はどうなるかはわからない。
 
プロレスラーの引退発言などあまり信用はされないし、個人的にはそれでいいと思っている。
 
そういう包容力もプロレスの魅力の一つだし。
 
もっともそれを悪しき習慣という人も当然いるだろうけど、何を魅せるか、という視点に立てば、それもありじゃないの?と思うというだけんだがね。
 
いずれにせよ、スターダムはカイリという新たなスターを結果的には生み出して、件の事件のおかげで地上波での取材もされるようになった。
 
今後これをどう生かしていけるか、そして選手をどうマネジメントできるかが重要だろう。
 
誰がいいとか悪いとかは今の段ではどうでもいい。
 
それよりも、今後何か前向きな形につなげられるかだけである。
 
それができなければ、良い悪いではなくいなくなっていくだけである。
 
そうならないでほしいけどね。