続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

最近観た奴とか

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先日23日に後楽園で行われたスターダムの試合を友人と観に行ったのだけど、なんやかんや継続的に観ている団体は男子を跨いでもスターダムであった気がする。
 
同日にノアの大田区体育館も行われ、無事丸藤がみのるからベルトを奪還した訳であるが、今年はスターダムを選んだな。
 
色々世間も騒がせた事件もありながら、それでも頑張る若い女の子達を観ていると、やっぱり応援したくなってしまう。
 
私はアイドルとかには興味ないので、その系統の追っかけ方はしないけど、でも観ていると中々染み入るところがあるものである。
 
今回は人気選手の一人で、スターダムが苦境に入ったきっかけにもなった(という言い方は語弊があるが)悪斗の引退試合であった。
 
件の事件により視力が十分に回復せず、現役続行不可となってしまい、結局あの件は選手自身にも大きな傷跡を残す事になってしまい、重ね重ね残念なことであったよね。
 
ともあれ、最期の試合は同期のカイリ・加藤と組んで、自身のユニット大江戸隊とのタッグマッチであった。
 
試合開始前から既に涙ぐんでいる風のクリスもいて、なんだかグッと来てしまうのである。
 
最近本当に涙腺が緩んできた。
 
試合は場外乱闘の末両者リングアウトという前代未聞の展開に。
 
さすがにマイクを手にした惡斗は「こんな引退試合、いやだぁあ!」の絶叫、普通であればそんな事知るかとばかりにたたんでしまうところであるが、ここで再試合、しかし今度は組み換えて木村・悪斗vs同期タッグという構図に。
 
良い手向けになったんじゃないだろうか。
 
尤も置き去りにされたクリスと来日間もないハリデットは寂しかろうが。
 
最期はアクトーンボムでスリーカウントであった。
 
試合後はセレモニーがあった訳だけど、やはり木村と対峙する場面が印象的でしたね。
 
観ていると色々彼女らの背景を想像してしまうし、件の時も最前線でアクトを守っていたのは木村だったからね。
 
そういう信頼関係の在り方を観ていると、やっぱり良いなと思ってしまう。
 
でも、何はともあれちゃんと引退試合をやってリングを降りられたのはよかったよね。
 
 
この日は他にもイオと里村のタイトルマッチもあったのだけど、この2人は既に格が違ってきている。
 
里村は言わずもがななんだけど、イオもいよいよその領域に近づいている。
 
やっぱり背負うものがあると人は変わるんだろうね。
 
ただ、この日の試合については、イオの中で魅せ方について試行錯誤をしている感が強かった。
 
その姿は、一時の丸藤を思い出させるものがあった。
 
詳しくはまた別に機会に書く事にするけど、魅せる事が重要なプロレスというジャンルにおいて、彼女の試行錯誤がいつか大きなハナになる事を願いたい。
 
ちなみにこの日を境に外人選手も離脱するし、恐らく木村もスタンスが微妙になってくるだろう。
 
来年からどう展開していくかに注目である。
 
 
で、冒頭に置いたのは今年1年頑張っていた宝城の宣材写真。
 
どうだろう、この艶めかしさ。
 
さすがにカメラマジックを発揮しすぎているのだけど、しかしこの子はやっぱり魅力的だと思う。
 
天然入っているのでマイクはほとんどの場合何を言っているかわからないし、大概空回っているんだけど、こういう愚直な選手がいるのもスターダムの救いである。
 
ちなみに生で観るとマジで顔が小さくてびっくりする。
 
 
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で、そんなスターダムと同日開催だったノア、先にも振れたが丸藤が無事GHCを奪還という、まあわかっていたけど一応のハッピーエンドを迎えた訳であるが、同時になんと杉浦が鈴木軍入りというサプライズ、来年のこの軸が続くことになったようだ。
 
後ろでガッツポーズ取っているこのすぐあとでオリンピック予選スラムをかます訳で、そこにプロレスの面白みはあるだろう。
 
左側の3人が実にパッとしないのを始め、所属選手の覇気のなさが試合からも伝わってしまう中で、丸藤は頑張っていたと思うし、選手としてだけやっていればもっと活き活きして出来ていただろうなとも思うと非常に残念な部分もある。
 
もっと頑張れよ、所属。
 
そして年の瀬に超優良外人TMDKの2人がノアを退団、更に森嶋の引退セレモニーもしないことが発表された。
 
森嶋、復活あり得るなこれは。
 
また中嶋の正式入団も発表され、更に年明けからは先日全日を離脱した金丸が潮崎に続き参戦決定。
 
今のところ報じられていないが、鼓太郎もまずあがるとしたらここではないか、というのが大方の見方である。
 
潮崎はみのるとのシングルが決定、丸藤は杉浦とのGHC戦と、早速大きなカードを組んでしまって少し勿体ない気がしている。
 
でも、今マッチメークは新日本が介入していると聴くから、そうするととにかくノア内での鉄板カードを作ろうという中で丸藤・杉浦の試合をオカダ・棚橋のような位置づけに持っていきたい、というのが大きな狙いなんだろうなと言う気がする。
 
その対立項の媒介として鈴木軍がどう機能していくか、というのがまずは課題かな。
 
いずれにせよ、その1月の試合がどう展開するかで来年の期待値が大きく変わるだろう。
 
なんやかんやノアには思い入れもあるから、頑張ってほしいんですよ。
 
 
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最期に昨日行われた久しぶりの地上波格闘技、RIZINについて。
 
個人的には一体どういう志があるのかよくわかっていないイベントなのだけど、対戦カードは概ね懐メロ。
 
悪い意味でプロレス的な演出が見えて、正直素直に観られない。
 
テレビ演出は10年以上前のまま、タレントだけをすげ替えているだけで怠慢としか思えない。
 
マッチメークにしても、新しい選手も確かに出ている。
 
出ているけど、そこは実に扱いも低く、ここから新しいスターを作っていこうぜ、という気概が見えないのだ。
 
世界のTKこと高坂の復帰戦、相手は懐かしのジェイムス・トンプソンで、バリバリの事は突貫やろうとして盛り上げていた記憶があるが、彼もまた今はバリバリという訳ではないのだろう、腹もたるんでいるし、あの隆々たる肉体ではなかった。
 
45歳になってラグビーの活躍によりにわかに注目されたTKについても、別に今更何を求めるのか、という話しもある訳だけど、とはいえこの試合はアリだと思う。
 
内容自体は別に面白くも何ともないけど、展開のさせ方によっては選手の寿命を伸ばすことにもつながるかもしれないと思うから。
 
どうしても格闘技人生は現役でいられる時間は肉体的な限界もあるから短くなるし、殴り合いだからケガも多い。
 
そこからコーチなりなんなりになれれば良いけど、そうでないと結構厳しいセカンドライフだろうから、そこにちゃんと何かしらの道を残せるのは良い事だと思う。
 
その受け皿が今はプロレスになっていて、其れ自体は悪い事じゃない。
 
だけど、やっぱりその道のプロとして生涯評価される方が選手も嬉しいだろう。
 
あとは世間の求めるリアルファイト的なものにどうフィットしていくか、という所なのかなと思うけど。
 
 
いくつか中量級のK-1/総合ミックスルールの試合もあったが、この辺りはまだ現役の選手がやっているのでお祭り興行の中ではありだろう。
 
ただ、あびる優の試合中のアップはいるのだろうか。
 
ああいう意味のない演出は本当に辞めてほしい。
 
またヘヴィ級トーナメントの予選も行われたのだけど、ここは申し訳程度。
 
もっとこういう若い選手の出る試合をこそフックアップしないと未来なんてないのに。
 
ちなみにここでは石井がでたのだけど、パッとしないまま終わっていた。
 
 
で、この日のメインは青木vs桜庭の試合。
 
新旧日本のエース対決とか言われていたが、やる前からわかりきっている結果や、何故ここでこれをやる意味があるのかわからないカードであった。
 
結果は完全に一方的な試合で、青木が桜庭を一方的に殴り続けるだけの展開であった。
 
この試合に対して、「青木は関節に行くなどの手段もあったのに何故殴り続けたのか」などという意味不明な批判もあってびっくりした。
 
青木の試合後のコメント、インタビューに対してもいわれているのだろうけど、わざわざ関節に持っていくよりも、完全にポジショニングでコントロールして多少体位を入れ替えるなどしたところで何も出来ない場面が5分も続いているのだから止めるのが普通だろう。
 
結果桜庭はまた血が滴るまで殴られる格好になった。
 
試合後涙した青木だが、桜庭から「これが仕事だよ」といったことを言われたことでそれを受け入れる桜庭を悲しく思ったのだろう。
 
以前雑誌のインタビューで、桜庭は仕事としての試合、みたいなことに触れていたけど、新日本に参戦して燻っていたときの桜庭と同じムードを漂わせていて、観ていて切なかった。
 
別に引退しろなんて言わないけど、生活の為だけじゃなくて、もっと楽しんで試合をする桜庭を観たいよね。
 
せめて良い思いしてほしいと思うし、せっかくスター性のある選手だから表にも出てほしいし、でもあまり無理はしてほしくないし、もう血まみれになる桜庭を観るのも忍びない。
 
日本で格闘技の興行を根付かせようと持ったら、ああいう容赦ない残酷なまでのシビアさを提示するだけじゃなくて、もっと素直に技術に感嘆できるような魅せ方をする在り方もありだと思うのだけど。
 
それこそグラップリングのみでもすごいものはすごいとわかるし、打撃のような派手なKOばかりを求める時代ももう終わっているだろう。
 
結局作る側の頭が古いから10年以上前で止まっているんだ。
 
 
ちなみに31日にも格闘技が行われるのだけど、そこでは曙vsサップが行われるとか。
 
曙もこの参戦については、自身の会社を立ち上げた事もあってお金が必要だからという、要するに仕事として割り切って参戦したに過ぎない。
 
サップだって元々格闘技向きの性格ではないので、この試合を組もうとした主催者の意図がさっぱりわからない。
 
魔裟斗vsキッドもエキシビジョンで行われたり、懐メロ全開である。
 
日本の格闘技が発展しなかった何よりの理由は、やっぱり選手ではなくて演出するテレビ局とかのセンスのなさだろう。
 
プロレス的な在り方をよしとせず、かといって完全にスポーツライクに徹する事も許さない見る側のリテラシーもあるけど、そんなミーハーにばかり目を向けている現実も問題だろう。
 
 
と、基本的にこの年末の格闘技イベントに対しては、私は基本的に否定的である。
 
好きなので、やっていればなんだかんだ観てしまうけど、なんかこう、すっきりしない。
 
ちなみに昨晩の試合は録画してみたのだけど、余計なところ飛ばしまくったら1時間と掛からず見終わった。
 
テレビとしてショーアップさせる事は否定しないけど、それがキチンと意味のある演出でないと、やっぱりつまらないと感じる一因にしかならないと思う。
 
 
まあ、試合をちゃんと見てから評価しないとな。