続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

初リボン ーアイスリボン後楽園8.30

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今日は初めてアイスリボンの試合を観に行った。
 
女子プロだとスターダムとWAVEは観たことがあるが、その他は観たことがなかった。
 
その中でも独自路線で話題の団体なので、一度観てみようとね。
 
普段は埼玉県蕨市の道場マッチがメインなので地理的に少し遠いのだけど、後楽園であればちょうどいいし、暇だったしね。
 
この団体は元々さくらえみが主催していたらしいが、数年前から独立、既にさくらは団体にはおらず、社長も違う人のようだ。
 
ロッシーのように表に出ては来ず、藤本が取締役として目立っている以外はフロントは顔を出さない。
 
選手は若手がほとんどで、この団体の生え抜きで構成されているようだ。
 
小学生レスラーも普通に存在しており、所謂プロレス団体というよりは半ばサークルに近い印象を持っていた。
 
近年人数も増えて、藤本、世羅、希月らビジュアル的にも実力的にも有力な選手が出てきたことで団体として注目を浴びるようになっているだろう。
 
その他もやもやさま~ずで取材されたり、朝の情報番組で中学生レスラーが取り上げられるなどの話題性も手伝っているだろう。
 
プロレス的なトピックでは紫雷未央が所属する団体の一つで、今日は藤本とのシングル戦でもあったので、どんなもんかという訳ですね。
 
 
大会のオープニングは画像に載せたように全員で浴衣で出ていて夏っぽい演出。
 
すっかり涼しくなって秋の風が吹いているので少し季節がずれたが、全員で盆踊りをしながら登場して、今日の意気込み的なことを数名がマイクで話す形。
 
いつもこうなのだろうか。
 
残念ながら叫びすぎて何を言っているのかわからない有様だったが、最後は客席にサインボールを投げ込んでオープニング終了。
 
ちなみに客席に目を向けると、大半が男の客で、しかも暑苦しい。
 
女性客は本当に僅かで、スターダムとは大分様相が違った。
 
WAVEもそうだけど、やっぱり女子プロって基本的には男性客の方がつきやすいし、アイドル的な応援が優先するのは当然か。
 
 
さて、試合については全部は細かに触れないけど、個人的には物足りない印象がどうしても残ってしまう。
 
団体のキャッチコピーは「プロレスでハッピー」ということだが、それが一体どういうことで表現されるのかが今一良くわからない。
 
観ている感じでは恐らく選手間の仲はいいのだろう。
 
全体に殺伐とした空気はなく、よく言えば和気あいあい、悪く言えばぬるい、そんな感じである。
 
コミカルはコミカルで全然ありだし、小学生レスラーなどの存在も別に否定はしない。
 
これが団体のカラーだと言うのなら後は好みの問題なのでとやかくいう話ではないのだけど、その中にも緊張感があるから面白くもあるんだと思うが。
 
全体的に試合時間が5分~10分程度であるにも関わらずやけに長く感じたのは、密度が濃いと言うよりは早々に飽きてしまうが故である。
 
 
で、試合としては3つだけ取りあげる。
 
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まず世羅vs中島。
 
ビジュアル的にも可愛く、以前スターダムで観た時には良い選手だなと思った世羅だが、最近何かともやもやしている印象がある。
 
それこそデスマッチ問題とかね。
 
それに対して藤本が今のタッグパートナーにしてJWPのエース、中島を宛てた試合である。
 
藤本の親心的なマッチメークだが、私としては中島自体も昔テレビで見て以来なのでどんな試合をするのかと楽しみにしてましたね。
 
で、結論からいうと中島は良かったが、世羅はしょっぱかった。
 
中島はこの試合の意味をちゃんと理解して、かなりきつめに当たっている印象だったが、一方の世羅はどこか淡々としているというか、器用に技はこなすがそれだけ、みたいな。
 
前観た時にはもっと活き活きしていて、思い切りも良くて印象にも残ったのに、今回はなんか全然だったな。
 
試合後のインタビューを読むと、彼女自身今は過渡期にあるようで、それが試合にありありと出たのだろうね。
 
ある意味ではそれが見て取れるのは良いことでもあるので、今後彼女がどう変わって行くかだ。
 
それにしても、ちょっと痩せただろうか。
 
 
次に藤本vs未央。
 
この試合は良かったね。
 
別に殺伐ともしていないし、緊張感という意味でいうとそう言う感じは全くなかったけど、試合のレベルがそもそも他の選手よりも飛び抜けているから、観ていてハラハラする場面もありつつ、2人とも思い切り良くぶつかって行くし、受けるし、それでいて楽しそうに試合をしているのが非常に印象的であった。
 
アイスの掲げる「プロレスでハッピー」というコンセプトも、この試合を見ると納得できるものがある。
 
途中技がすっぽ抜ける場面もあったけどちゃんとすぐに巻き返すし。
 
それに何より体の厚みなども他の選手よりも違うしね。
 
この試合は観ていて楽しかったし、良い試合だった。
 
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さすがと言ったところか。
 
 
最後はタイトルマッチ、希月vsつくし。
 
希月については昔まだ彼女が高校生の頃のイメージしかなくて、すっかり大人になったな、なんて思う一方で対戦相手のつくしがハテナでしかなかった.
 
高校生らしいが、体があまりに小さいし、選手として存在感が欠片もない。
 
未央とタッグを組んでいて、仲良しだったらしいが、同じ高校生でもスターダムのコグマとは大分様子が違う。
 
それでも試合になれば実はすごいのか、と思ったが、ぶっちゃけそうでもなかったというのが正直なところだった。
 
結果は希月の防衛だったのだけど、希月自体もまだまだチャンピオンと呼ぶにはあまりに拙い印象であった。
 
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試合の組み立てや技の使い方も全て。
 
試合中、通常であれば盛り上がりそうな場面でもまったく湧いておらず、多分普段からよくこの団体の試合を見ているであろうファンを前にこれではさっぱりだろう。
 
ただ、盛り上がるところを観ると飛び技、場外、唐突なスリーカウントくらいで、実はプロレス自体を熱心に観ている人たちではないのかもしれない。
 
それはこの団体にとっての不幸かもしれないが。
 
試合展開的にもあんなにギリギリの攻防なんていう展開ではないと思うが、最初の防衛戦でこの有様ではどうかと思ってしまう。
 
 
と、全体的にはあまり面白くなかった、というのが正直なところである。
 
なんか変にプロレスをしようとしているというか、そんな感じがあって、だったら思い切ってもっと違うことやれば良いのにと思ってしまう。
 
尤も、普段道場マッチではリングではない環境でやっているようなので、ひょっとしたらそちらの方が本領なのかもしれない。
 
機会があればそちらも観てみよう。
 
選手個々は体もそれなりに作っている感じはあるので、本当にもっと色んな要素が入れば、面白い団体になれそうですね。