今年も毎年恒例の東京ドーム1.4が開催されて、大盛況を呈したらしい。
らしい、というのは、私は今年行けなかったから。
カレンダーが今年は4日から仕事始めを示していたため、間に合わなかったのである。
どうせ新年なんて明けて早々やる事もないだろう、とタカを括っていたのだけど、存外そうでもなくて、ちょうど柴田の試合が始まる頃に会社を出る感じだったので、ドームにつく頃には既に棚橋vsオカダが始っているくらいなので、諦めたのである。
悲しかった。
で、ニュースサイトで逐一結果を追いかけていたのだけど、まず総論として全体に非常に盛り上がったようだ。
というかメインまでの3つのタイトルマッチが非常に好勝負で、既に年間ベストバウトとの呼び声も高いほどであった。
昨年は観に行ったのだけど、そこでも好勝負が連続であったからやっぱり特別な場所で魅せる試合は特別であるべきであるよね。
ちなみにメインを飾ったのは昨年同様棚橋vsオカダという、もはや新日本の黄金カードである。
同じ組み合わせでもファンを納得させられるのは、それだけ充実していると言う事だし、プロレスという競技の性質が暗に見えてくるようで面白いよね。
残念ながら私は地上波で放送された編集版の3試合しか観られていないので、正直なんとも言えないところはある。
30分以上の長丁場試合を15分かそこらに縮められるとそのすごさって伝わらなくなるんだよね。
単に派手な技、危険な技を出すからすごいんじゃなくて、どういう場面で、どういう流れの中で、どういう状態で、その技が出たのか、と言う事が重要なのである。
例えば張り手一発でも序盤の一発と終盤の一発では意味合いが変わってくる。
大技にしても掟破りにしても、ここで来るか!ということがあるから盛り上がる訳である。
何度も言うが、技そのものを出したという事実以上に文脈が大事なのである。
基本的な技でも盛り上がる試合ほどその文脈が重要になるから、良い試合をしたものを何故そんな編集をしてしまうのかと言うのが理解できない。
尤も世の中的にはそんなに動きもない場面を延々流し続けて興奮するほどコアなファンの方が少ないし、時間的な制約もあるからある程度は仕方ないのはわかっているけど、これだけ世の中的に盛り上がっている中で、こういうキーポイントの試合はフルで流すくらいの気概があっても良いのではないかと思うが。
動画配信サービスもやっているから、そちらの客が減る、という懸念をしているとしたら大バカものだと思う。
毎回そうしろという話しではなくて、定例放送は編集で良いんだ。
そこで興味を持てば会場へ行くなりサービスに加入するなりするだろうから。
もしそこで満足してしまう人に対して、フルで魅せる事で違う楽しみや会場へ足を運ぶマインドへつながる可能性だってあるのだし、それだけ良い試合をクローズドにすること自体が勿体ないのである。
まあ、そこまで文句をいうならお前が登録しろ、と言われたら何も言えないんですがね。
近々します。
でも、すると廃人になりそうで・・・。
話しがすっかり脱線してしまったので元に戻すと、今回の大会で個人的に嬉しかったトピックは、柴田のシングル初戴冠である。
石井との勝負を制して、新日本第3のベルトになったNeverのベルトを取ったのである。
このベルトは新日本内ではゴツゴツした試合の象徴として位置している訳で、柴田のスタイルとも親和性の高いベルトである(ベルトの意義についてもまた別途書こう)。
試合内容はまさに柴田らしい、石井らしいゴツゴツした意地の張り合いで、会場もヒートアップ。
割とスマートな試合が多い中で、真正面から小細工なしでぶつかるスタイルは一定の指示を得ている。
とはいえこのベルトにそうしたイメージを作り上げたのは真壁と石井の2人と言っていいだろう。
そこにこれまで柴田が絡んでこなかったのは不思議と言えば不思議だったが、真壁が本間とのタッグ路線に行ったからてこ入れの意味もあるだろう。
それに、言い方は悪いが内容的にはマンネリ感が出てきているのも確かである。
小細工なしと言う事はそれだけストレートな内容になる為、魅せ方を変えるのはやっぱり難しいだろうし。
石井、真壁共に良いレスラーだと思うけど、スタイルとしてそこまで幅があるタイプでもない。
そこに柴田が入ると、やっぱり活性化すると思うし。
かつては狂犬などと呼ばれていた時期もあったが、実は器用なレスラーでもある。
試合内容についてはもう観てもらえばそれでいい。
柴田が穫ったことで、今後このベルトを巡る路線がどうなっていくかがポイントである。
IWGPで棚橋が負けた事で、棚橋はこれまでと違う、必ずしもタイトルと絡む動きはしないかもしれない。
そのAJもWWE入りと言われているため、これまでヘヴィの主力を担っていた選手の大半で動きがあり、オカダのみが引き続く形だ。
そうなると、柴田の存在がまず大きな鍵になる。
これまで通りの魅せ方をするブランドとして育てるのか、あるいは違う価値を負荷するのかであるが、私としては後者に期待したい。
例えば、総合と既存のプロレスの融合的な、いわばUWFの完成形を目指すような方向性はどうだろうか。
プレイヤーとしてはかつてのU系選手、それこそ桜庭、鈴木みのる、フリーになった船木との対戦も夢の一つである。
更に飯伏や、その他格闘技的バックボーンを持つ選手の受け皿になれば、また違う方向性を示しつつ、新日本としても試合の幅が広がるのではないだろうか。
柴田ならそれが出来ると思うし、いい加減後藤との絡みは柴田にとってあまりメリットはない(後藤にとってはあるだろうけど)。
ともあれ、昔からの柴田ファンの私としてはこのベルトの戴冠は素直に嬉しいし、これを機にまた躍進してくれる事を願うばかりだ。
これまでを単に踏襲して縛られるのではなく、柴田がブランドを作ってほしいね。