今日は久しぶりのノアへ。
しかも団体としても久しぶりとなる日本武道館だ。
サイバーエージェント傘下になってからは全く観ておらず、週プロで追いかけるだけだったが、最近は勢いもまた出てきて、あちこちでリング上も評価が上がっているので、せっかくだからとビッグマッチに正月から来てみた。
結論から言うと、思ってた以上に面白かった。
ベテランばっかり集めてるからなんか舐めてたけど、そんな話ではなかったね。
ただ、よかったのはメインとセミで、ヘビーのベルト戦だ。
私はどちらかといえばうるさい方のファンで、だから今は全然ノアを見ていなかったところがあるのだけど、ひょっとしたら今回の大会はそういうファンの記憶をあえて更新しに行ったようなところはあるのかな、なんて思ったり。
特にメインの中嶋、潮崎戦は、潮崎は三沢みたいなカラーとデザインのコスチューム、そして小橋の直系の弟子で、使う技もチョップとラリアットなのでまさにノアのあの頃を彷彿とさせる選手だ。
対する中嶋は健介の1番弟子であるが、むしろこの下火の時代をメインにやってきた選手だ。
スタイルも蹴りが主体だし、体格はジュニアに近い。
で、試合の展開はチョップ対蹴りだが、かの小橋対健介のトレースとも取れる場面がたくさんあった。
また潮崎が花道からスープレックスをかました訳だが、これは三沢対小橋のあの一戦だろうか。
ノアといえば、と語種にされる試合の代表格だが、今の選手がやる事で過去から現在に記憶をグッと引き寄せてくる。
そして潮崎が小橋みたいに剛腕ラリアットで仕留めにかかるわけだが、中嶋はそれをキックアウトして、最後はまさかのノーザンライトボムだったりするの匙加減だろうか。
まぁ、もちろん逆にリミックス的な魅せ方をしたかった可能性もあるが、個人的にはそれよりも書いたようなところがポイントかなと思ったのですね。
セミファイナルは完全に新世代ノアの2人だが、清宮は前にベルトを持っていた時にちょろっとだけ見た事があったが、その時はいい選手だね、くらいの感想しか持たなかった。
その後彼なりに色々と苦労したようだが、今回はなんかのびのびしているというか、前よりも思い切りも良くて良かったね。
ちょっと観ていて危ないなと思う場面もあったので、あんまりそっちのエクストリームな方には行ってほしくないが、ともあれこれからもっと伸びそうだなと思った。
大会後のマイクで「俺たちがノアだ!」と叫んだこの言葉には、そんな思いもあったんだろうと。
で、この2試合を見ながら考えていたのは、ノアらしさってなんだろうという話だ。
昔私が見ていた時に、シンプルにすごいと驚いたのは真正面からぶつかって、我慢比べみたいな試合だったな。
新日本はフィニッシュホールドを軸にした組み立てで、そこがWWE的だと言われる一つのポイントだろう。
反面その技が出たら試合が終わるという意味で変な決まり方することも多い。
それに、あんまりに気にしてなかったけど結構試合展開が早い。
だからか試合時間も10分前後で終わることも多く、別に長ければいいという話ではないにしろちょっと淡白になりやすい。
いい試合はいいんだけどね。
他方でノアは試合自体が間が多く非常にゆっくりしているが、かといって別に緊張感がないわけではない。
またどんなフィニッシュホールドでも必ずそれで試合が決まるわけではないので、そこの応酬がある。
いわゆるカウント2.9の応酬ね。
逆に何かの拍子にぽんと終わってしまうこともあるのだけど、そうした緩急の付け方もあるよなと。
一時ノアもタオル振り回してみたり、アイドルコンサートをやって見たりと試行錯誤していたが新しいお客さんを呼ぶってそういうことでもないしね。
それもあっての今だとは思うから仕方ないけどね。
ともあれ、ちょっと怖い場面も多かったが、こういうスタイルは全然ありだ。
当初はあれこれ他にも書いていたんだけど、今回は上記が一番ポイントだったなとおもいました。
ベテランも多いので、試合自体は全体的にレベル高いし、格闘技畑の選手も結果的に数多く参戦しているのは、そういう自由さがあるからだろうと思う。
みんながみんな新日本が正ではないので、これで突き進んでほしいね。
サイバーの傘下になって、資本力はあるのでステージもしっかり組めているのは、見ている側としてはやっぱり気分も上がるしね。
一時のノアは大きな大会なのに入場ゲートの裏側が客席から見えちゃうくらいのセットのときもあったから、あの時は切なかったもんな。
大変だったのは確かだろうから、また頑張ってほしいね。