今日は全日本プロレスの試合を観に行ってきた。
例によって当日券で入ったのだけど、まず購入前に少し並ぶはめになったのには驚いた。
会場もかなりの密度で、イメージしてたより大分ファンはついているようだった。
ファン層としては全体的に年齢層は高めの印象で、昔ながらのファンという感じであった。
そして何より非常に熱気もあって、会場自体が非常に良い空気だったね。
試合数はやはり少ないのだけど、全体として良い興行だった。
第1試合は新人&渕のタッグマッチ。
全員所属のようでそれも驚いたけど、パートナー同士でもライバル心むき出しで良い空気だった。
良い意味で新人らしい試合で、派手な技も無闇なとび技もない中でしっかりと試合を構築していた。
最後は渕のゴッツァン的な勝利で終わったけど、会場の熱も高かったね。
第2試合はトーナメントの準決勝1。
曙vsユニオンの石川。
どちらも試合を見るのは初めてだったので、どんなものかというところであった。
特に曙はここ最近非常に注目度も高いので、レスラーとしてどこまで成長したか、なんて思った訳だ。
結論から言うと、石川は良いレスラーですね。
曙も大分レスラーとして順応しているが、とはいえまだまだ見せ方含めて課題はあるという印象。
以前よりは大分体も絞れているが、それでもあの巨体を動かすだけでかなりの労力は要している。
それゆえ戦い方の工夫をしないといけないし、機敏に動けない分技などももっと工夫しないと、説得力に欠けてしまう。
尤もあの巨体だから観ていれば明らかに痛そうなんだけど、もっと伝え方があるはずだ。
一方の石川はかなり苦戦している印象だけど、良いレスラーだよね。
もっと観たいと思えたよ。
傷がすごかったな。
第3試合は秋山vs火野。
秋山の試合も何年かぶりだし、火野についても初めてなので、これまた楽しみ。
火野ってデビュー当時あんなではなかった気がしたけど、いつの間にかゴリゴリになっていてびっくりした。
実際の試合はどんなもんかと思ったけど、非常にわかりやすい憎まれ系キャラで真正面からやりあうスタイルはいいですね。
体に言わせた戦い方もわかりやすいし、説得力もある。
それに対して秋山がどう戦うかというのが焦点だったけど、さすがだったね。
大分年も取ったから体はノアにいた当時よりも張りもなくなっていたけど、ニーパッドを主軸にスタイル自体は変わっていないけど、しっかりと技も受けつつ、見せるところは見せていたね。
結果は秋山の勝利。
火野は良い意味でバカっぽくていいですね。
第3試合はトーナメントの脱落者タッグマッチ。
不協和音があちこちなんだけど、ここでも久しぶり&初めまして満載。
要するに旧ノア以外は初めましてだったのですね。
吉江なんて新日本にいた時以来だな。
大森はなんかいい感じですね。
まあ、諏訪魔もまだ諏訪間だった頃に観たきりだったから、実質初めましてだろう。
最初から最後まで仲間割れ満載だったけど、みんな良いレスラーだよね。
ノア勢はある意味当時から良い意味で変わらずだし、初めまして組も良かった。
以前少しだけ書いた宮原についても、なんかとっぽいというかガキっぽいというかそんな印象はあるけど勢いがあっていいよね。
健介の面影は欠片もないけど。
最後に最近孤立気味の諏訪魔に近づくような場面があったけど、これからどうなるのか。
続くは次期シリーズで展開予定のジュニアリーグの前哨戦。
ここではほぼ久しぶり組。
旧ノア勢では鼓太郎、青木、金丸、ウルティモも何かで1度観たきりだった。
初めましては南野と佐藤光留だったのだけど、旧ノア勢がここでも立っていたね。
ウルティモは独自のムーヴで湧かせていて、さすがでしたね。
南野は個人的にはハテナで、佐藤はもっとパンクラスっぽさを出してほしかったね。
青木と金丸が派手にやりまくっててよかったね。
鼓太郎は相変わらず器用なレスラーだよね。
コスチュームが趣味全開でここは微笑ましい。
そして最後はトーナメント決勝、秋山vs曙である。
全日本同士でしっかりと組み立てる当たりはさすが、しかも解説席には小橋もいるとなればなかなか考えさせてくれる。
そして秋山が曙をどう活かすのか、というところも焦点である。
やはり巨体へいかに立ち向かうかというところと、曙戦ではいかに曙を投げるか、というのがどうしてもポイントに成るけど、エクスプロイダーで投げた時にはさすがにびっくりしたね。
1日2試合という過酷な中では曙のスタミナダウンが明らかだったし、一つ一つの動きが緩慢になってしまうのは今の早いプロレスに見慣れているとどうしても物足りなさを感じてしまうけど、やり方は絶対あるはずである。
せっかくここまで頑張っているのだから、更に上を目指してほしいよね。
最後は秋山の優勝で幕を閉じたのだけど、最後のマイクも非常にシンプルで素っ気ないくらいであったけど、秋山はさすがでしたね。
と、駆け足気味に書いたのだけど、総じて思ったのは古き良き日本っぽいプロレスが展開されているなと言うこと。
それに純全日本の選手って少ないのだけど、でもそこはかとなく統一感もあるし、何よりしっかりとプロレスが展開されているのが驚いた。
主力の中心は旧ノアの秋山、潮崎、青木、鼓太郎、金丸と言った選手なのだけど、諏訪魔はもちろん渕のような純全日から、外から来たゼウス、佐藤、ボディガー、そして宮原と言った選手も違和感なんて全然ないし、曙もいい感じで外人感と純系感の間くらいの感じで良いバランスである。
何より試合に熱があっていい。
かつてのノアとは少し違うけど、それに近い空気感があって、思った以上に楽しめたし、また来ようと思えた。
ファン層は旧来のプロレスファンという印象だったけど、今一番勢いのある新日本がアメプロ的な方向に振れていて、ノアはもはやなんのこっちゃわからない状態、ドラゲー、DDTといったインディ系は元々独自論戦を進む中で最近ヘヴィに観られる日本的なプロレスの色を濃くし始めている状況なので、この中である意味日本的な純プロレスを展開しているのは実はこの団体だけな気がする。
まさかインディと同じ規模に成った老舗団体がこんなに良い試合をやっているとは。
もちろんメンツを観た時に期待感はあったのだけど、思っていた以上によかったね。
なんか久しぶりに素直に楽しめたし、なんか期待しているものがここにあったという気がする。
小橋が解説にいたせいか、やけにチョップを使う選手が多かった気がするけど、それも含めて単純な意地の張り合いとか、そんなわかりやすさがあっていいよね。
私もずっと雑誌で追いかけているだけだったので、物語的なところはあまりわからなかったのだけど、十分楽しめたよ。
いやぁしかし、こうして観ると改めてノアの残念さが図らずも浮き彫りに成ってくる。
全日本も出場選手の大半は外様、もしくは他団体からの参入で生え抜きはいないし、ノアデビューした選手も多いことを考えれば選手の構成自体はノアと同じような状況なのに、どうしてこんなに選手の熱量が違うのだろうか。
余計なことは言わないのもいいのかもしれない。
全体的に飛び技なんてほとんどなかったし、むしろオーソドックスな昔ながらの技がほとんどで、それでもこれだけ楽しくみれたという事実こそが重要なのだろうね。
やっぱり私が期待している要素の一つは、アホみたいな我慢比べだし、単なるサーカス的なとび技でも無闇矢鱈なトリッキーさでもなくてじっくりとした展開の妙である。
それが全日本にはあるのが素晴らしいね。
件のオーナー問題で揺れた後に秋山を社長に迎えて今がある訳だけど、これだけ着実な試合が出来るなら今後も期待できそうだ。
一度死にそうになった団体は、やっぱり強いんだよね。
ノアは今の状況を跳ね返して、こうやってまたファンに認められる日が来るのだろうかね。