続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

ポンコツの存在感 ―12.6有明コロシアム

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今日はノアの年内最後の大きな大会、恒例の有明での試合であった。
 
今回の注目はなんと言っても丸藤vs杉浦という、久しぶりのノア所属同士のヘヴィ戦。
 
その他ベルトはヘヴィのタッグを覗いて全てラインナップ、更に新日本からも参戦しており、話題性という意味では良かっただろう。
 
ジュニアにしても、原田と小峠の生い立ちもありつつ、ただノアの生え抜きでない分幾分とってつけた観が否めないが、でもいいよね、ああいうのは。
 
 
で、最近ノアについて書く時にいつも同じ事を書いている気がするが、ノアはやはりノアならではのブランドを確立できずにいる印象が未だに拭えない。
 
新日本はエンタメ的わかりやすさを追求し一人勝ち、全日本は馬場色を打ち出す原点回帰で地味ながらも着実にポジションを確立している印象。
 
ドラゲーは華やかさを持っているし、大日はデスマッチ、さてノアはなんだろうというと正直パッとしない。
 
かつての三沢の示した方向とは違う事をやろうとしている感は見えるのだが、なんか微妙なんだよな。
 
個人的には徹底した純プロレス路線を追求してほしいのだが。
 
余計なアングルも過剰な演出もいらない。
 
無骨で骨太なゴツゴツした試合を売りにしたかつての在り方が一番合っている気がするのだが。
 
今日もアイドルのハーフタイムショーとかあって、あれはまあ否定はしないけど、緑のハンカチも馴染んでないし。
 
あれは毎期配るくらいじゃないとやっぱり厳しいよね。
 
 
そして今日は何かと話題にはなるノア初といっていい、本格ヒールユニット、超危暴軍についてピックアップ。
 
唯一と言っていい純ヘヴィ級のエースである森嶋をボスとし、KENTAの忘れ形見マイバッハ谷口と外様の拳王、大原の4人組である。
 
正直キャラ演出に必死で失笑ものの現状であるが、彼等なりにやろうとしていることはわかる。
 
しかし、結局不思議君の域を出ない森嶋、ヒールの割に反則以外の武器がない谷口、マスコットキャラのムイビエンこと大原、そして気がついたらツンデレオラオラキャラになっていた拳王という塩梅。
 
特に後者2名は元の性格が隠しきれなくなってきたんでしょうね。
 
ヒールの割に完全に違うポジションを築いてしまっているから、離脱の日も遠くないのではないだろうか。
 
森嶋も純粋にプロレスやった方が遥かに説得力もあるし、憎たらしくもなれる。
 
キャラが機能していないのだ。
 
そして何よりマイバッハ
 
かねてよりその中途半端さが指摘されていたが、このままではプロレスラーとしても中途半端になってしまうぞ。
 
凶器もほっそいサスマタで、よく曲がっている。
 
森嶋の工作ハンマーも中々のものだが、試合中に使ったときの説得力のなさがハンパではないのだ。
 
なにより凶器攻撃以外の反則をできないから、毎回同じ展開。
 
 
で、今日は新日本の天山との試合だったのだが、ご存知天山も試合はまあしょっぱい。
 
かつてIWGPのチャンピオンであった頃はよかったが、今では完全に蝶野2号である。
 
動きにキレはなく、攻撃も説得力がない。
 
キャラクタだけの存在で、見ていて痛々しい。
 
そんな天山とぽんこつマイバッハの試合である。
 
内容は予想を覆すポンコツっぷりでもはや笑うしかなかった。
 
奇襲を掛けたまではよかったが、相手がダウンする前に微妙な間をいてしまうばかりに返り討ちに遭うという。
 
場外まで引きずり回すも椅子に叩き付けるだけ。
 
連携式の椅子でうまく椅子をピックアップできず、椅子に振り回されて転ぶ始末。
 
挙げ句客に「行け!行け!」とか言われて一度引き上げようとしたところをまた天山の元へいって再開、みたいな展開。
 
なんじゃこりゃ?
 
 
しかし天山もポンコツっぷりでは負けていない。
 
コーナーからのダイビングヘッドバッドがチョップかに入ろうとしたのが、アピールしている間にマイバッハが退散。
 
明らかに飛ぶのは辞めるべきところで戸惑いながらもダイブ、そして自爆、ていうか自殺で悶絶。
 
勝手知ったるプロレス客もさすがに微妙な空気が流れた。
 
あのときの様子を形容する言葉はなんとも言い難い。
 
ええ~!でもないし、失笑でもないし、あ~あでもない。
 
あんな反応は初めてだ。
 
何だこの試合?と、もはや疑問符しか付かない。
 
とりあえずモンゴリアンチョップに併せてシ~~~~の声は忘れないが、思うに天山の見せ場はここだけだった。
 
マイバッハに至っては見せ場なし、結局いつもと同じレフェリー暴行のあとの凶器攻撃で反則裁定。
 
第1試合の新人、熊野vs北宮の試合の方がよほど見応えがあるのだから困ったものだ。
 
 
ちなみにこの2人のポンコツっぷりはこの試合だけでは終わらない。
 
そのついには小島vs森嶋のカードが組まれていたのだが、ここでマイバッハがセコンドとして登場。
 
この時点で試合展開が読めている訳であるが、案の定途中からマイバッハが介入、見かねた天山が先ほどの鬱憤も晴らすべく颯爽と登場!と思いきやえらい中途半端なペースで入場。
 
乱入ではなく入場の体なのである。
 
しかし、その時既に小島はダブルブレーンバスターを今まさに食らわんとしているところである。
 
そんな悠長に歩いている場合ではない!
 
大体乱入してくるのになぜもっと急がない。
 
微妙な間が流れてしまい、いかにもプロレス的な感じである。
 
これが第2試合あたりのコミカルマッチならいざ知らず、本人達は至って真剣だから始末が悪い。
 
なんとか天山のカットを待って、マイバッハとともに退場。
 
ほとんど何をしにきたのかもわからないくらい天山はダメダメであった。
 
試合は小島が勝ったのだけど、中途半端な反則をしていない時の方が森嶋は活き活きしていたし、何より2人のポンコツの存在感が際立ちすぎて・・・。
 
そろそろ超危暴軍も身の振り方を考える時期だろう。
 
 
他の試合については今回は割愛。
 
丸藤vs杉浦もいい試合だとは思うけど、一方で惜しい。
 
丸藤なんだ、問題は。
 
杉浦はいつものようにゴツゴツした試合を展開する。
 
一方丸藤は最近ずっとそうだが、なんだかひたすらやられまくりで、やられるアクションばかりが大仰なのだ。
 
かつて天才の名を恣にしていた事のような会場をどよめかせる動きはほとんどなく、なんか消化不良。
 
同じような展開が繰り返すし。
 
ポーズは入らない、もっと本気の丸藤が見たかったな。
 
 
それと改めて思ったけど、かつての丸藤・KENTAって、やっぱりすごかったのだな。
 
まだジュニアでやっていた頃の2人は今のレベルで見ても圧倒的に良かった。
 
一体その違いがなんなのか、という気もするが。
 
それと、今日は初めてヤンキー2丁拳銃も見たが、何故あれがそんなに話題になるのかがわからなかった。
 
体も細いし動きは誰かの焼き直し。
 
正直今日の試合ではピンと来るものがなかった。
 
一方のTMDKはやっぱりいいタッグだ。
 
ホントにもっと広いところで活躍してほしい存在である。
 
そして今日改めて思ったのが、やっぱり試合を最後まで流れも含めて組み立てている選手って少ないんじゃないかな、ということ。
 
ポイントポイントの動きは精確だし奇麗だし、すごいと思うけど、全てが点なのである。
 
だかたなんか全体としてみると非常に勿体ない感じがして。
 
その点では小川あたりは好きでないけどすごいと思う。
 
 
ともあれ、私はやはりノアが好きなので、頑張ってほしいな。
 
どうしたらもっと浮上できるんだろうかね。