この頃は新日本の躍進により地上波のバラエティでもプロレスラーを見る機会が増えて、ファンとしては嬉しいことである。
女子も同じブシロード傘下のスターダムは頭ひとつ以上抜けたところだ。
同じく大きな資本力を持つのがサイバーエージェント傘下のノア、DDT、東京女子だが、こちらはアベマを中心にしている分、ややクローズドな印象がある。
ともあれ、先の対抗戦はじめ徐々に底上げされ始めているのはいい相乗効果だろう。
そうしてファンが増えてきた中で、割とプロレスファンという人が周りにも増えてきたのでそんな話ができるようになったのも個人的には嬉しいのだけど、他方でちょっと残念に思うことも同時にある。
何かというと、よくよく話を聞いてみるとプロレスファンというよりは新日本ファン、というような感じなことが多いことだ。
この団体は好き、他は全くわからない、という状態で、のみならず例えば先の交流戦のような時に自分の贔屓の団体以外を非難したり、下手するとただの中傷のようなことを平気でいうことがある。
団体としてはそれだけ熱心なファンの存在は嬉しいことだと思うけど、その排他的な態度はちょっと違うと思うし、なんなら特定の選手にただの悪口をぶつけている人も少なくない。
しかもその選手のことを全く調べもせずに言っているのだから流石に恥ずかしいだろ。
特定の団体しか見ないということ自体は個人の勝手なので特にどうとは思わない。
また自分の贔屓の団体でよくわからんやつにでかい顔をされるのが面白くない気持ちもわかる。
だが、その気持ちのアウトプットが選手への誹謗中傷ではあまりにも幼すぎである。
昔、ブシロードが新日を買収してすぐの頃に、木谷さんが明言していたのが、オタクが業界をダメにする、ということだ。
ここでいうオタクはそういう排他的なファンだったり、わかってねぇなとマウントをとりたがるやつだ。
ぐ、私自身も恥ずかしながらオタクでクドクドとこんな文章を書いているのだが、個人のフィールドなので勘弁してほしい。
それはともかく、新日本やスターダムもファンが増えてくる中で、最近になってファンになった人もたくさんいる。
これは先にも書いたけど間違いなく嬉しいことだ。
しかし、勿体無いなと思ってしまうのは、プロレスラーはいろんな団体を渡り歩いている人が沢山いるし、レスラーも自身の団体に入る前にも色々あったりするから、掘り下げるほどそういう関係図が出来上がっていく。
ほう！この選手はこんなとこおったんか、なるほどこの選手とこの選手はこんな繋がりがあったのね、と言った具合だ。
団体という単位で見てもそうで、だからこそ特定の団体だけを見続けているだけだと、実は面白さが半減くらいしているのだ！(多分)
実際先の新日とノアの対抗戦も、そうした過去からのあれこれがあればこそ感慨深い試合がたくさんあって、あのカードを組んだ人は裏でニヤニヤしていたに違いない。
そして昨日はスターダム名古屋大会で、元アイスリボンで先頃離脱したばかりのプロミネンスのメンバーが登場。
登場のタイミングが何故か第一試合後というのは謎だったが、Youtubeの無料配信にそこなら差し込めたからだろう。
彼女らはハードコア集団を謳っているし、元々それが団体内ではできないというところから離脱しているので、一部ファンがスターダムでハードコアなんていらん！と喚いていたが、別にそれしかやらないとは言っていない。
なんならオーソドックスなスタイルでガッツリやっていたメンバーの方が多いし、如何なインディな団体にいたとはいえ、実力的にはスターダムの大半の選手より上である。
特に世羅、すず、くるみは、同じクラスになると岩谷、朱里、桃、AZMくらいしか並べられないと思うぞ。
もちと藤田はもう一息だが、それでも中堅メンバーくらいはできるだろう。
それに世羅は昔彩羽と武士女というタッグをちょっとだけ組んでいたしね。
どうしてもアイスリボンvsジュリアという構図が分かりやすいのでそこがクローズアップされがちだが、それ以外のところでも面白さ満載なので、単純にこの参戦は楽しみだ。
とりあえず両国は行こうかなと思ったものだ。
流石に二連戦となると、内部だけではテーマ含めて作るのが難しいから、こういう新しい勢力とやるのはめちゃめちゃアリだよね。
雪妃は今はDDTの方なので、フリーとはいえスターダムに上がるイメージは今のところないし、そもそも単独で上げるにはよほどの話題性がないと厳しいだろう。
と、話が少しずれたが、ともあれ折角プロレスを楽しいと思えたなら、ちょっと視野を広げてみていくことで3倍も4倍も楽しくなるし、しかもそうなると抜けられなくなるのよ。
ガッツリ見なくても、なんとなく情報を見たり、久しぶりに見た時に、あれ？あの選手こんななったんか！みたいな親戚のおじさん的な目線も芽生えたりする。
是非そんな目で見てもらった方が楽しめることが増えるし、なによりそういう盛り上がり方の方がプロレス自体の底上げになるので、ファンとしても嬉しくないですかね。
プロレスってのは試合の向こうにその人の人生も見る楽しさがあるんですよね。
