個人的にはそこまでファンというわけでもなかったが、他のカードが非常に豪華だったこと、またプロレスラーとして色々発信していこうという姿勢はすごいなと思っていたので、せっかくならというわけだ。
思ったよりチケットははけていなかったようで、自由席なる場所も発現していたが、興行としてはなかなかの満足度でした。
勝ち抜き戦方式だったのだけど、1試合あたり5分くらいの短尺とあって全てドローで、最後はイルミネーションマッチという形になり、女子軍の勝ちに。
なんか最近こういう構図をよく見かけるよな。
力や体格で勝る男子に対して、歯を食いしばって女子が立ち向かって勝つというもの。
言っておくが全然否定したいわけではなくて、こういう見せ方って現代的なんだろうなと思う。
明らかに女性客を意識してのマッチメイクだろう。
テーマとしてね。
続くは沖縄プロレスのトップ?によるシングル戦。
木村が一時所属していた縁での参戦のようだ。
いつも地元で試合をしている2人がこうして東京のど真ん中で試合をみせるというのもいいじゃない。
思いの外オーソドックスなスタイルで、ド派手な飛び技とかではなく割と堅実な試合でびっくりした。
地元密着は今や必勝のための必須条件なのだけど、一方でやっぱり大きな会場でやらないと拡大はしていかない。
頑張ってほしいよね。
続くはバトルロイヤル形式で、様々な団体から選手が登場、男女ともに出てくるので普段見られない顔合わせも満載だ。
大きくなれるぞ。
一方岩谷も出ていたが、どうしていいかわからず入場口付近に何度か逃げるような感じも。
その度に追い返されて戻ってきたが、その混戦状態の時にはたまに出てくるだけだったが、宮崎の恥ずかし固めの餌食になってしまう。
驚いたのはランジェリー武藤の登場。
あれ、引退したよな?と思いつつ特別出演だろう。
一瞬でリング下に消えて行った。
そうこうしている間に藤本、岩谷、花月の3人だけが残ることに。
一度は流れたあのタッグのあの時の期待感である。
そもそもスターダムとアイスリボンってあの件以来全然絡まないから、かなり面白い顔合わせである。
結果はつっかの場外アウトで、最後は花月と岩谷で決着となった。
もっといろんな絡みが見たかったな。
続いてはスペシャルタッグマッチ。
大畠・松本vsイオ・AKINOである。
つっかにはここに入って欲しかったな。
ここでもWave大畠vsスターダム・イオの絡みである。
なかなかないぜ、これも。
松本はいろんな団体に出ているから、カードとしてのレア感はどうしても薄くなるものの、どこにいても存在感を示すからすごい。
1人だけキャリアの違うAKINOをここに入れたのは、多分何かしらの政治だろうな。
イオとつっかはまだ絡ませないのだろうか。
この試合ではイオの存在感が際立ったね。
かなり技も受けまくって、しっかりタッグのサイドワークも披露。
試合前にロープを確かめて締めさせていたけど、そういうところにプロ意識を感じるよね。
最後は時間切れドローになったのだけど、もっと見たい絡みだよね。
ラストは木村一家vsアジャ、里村、鈴木みのるのミクストマッチ。
親子対決も考えられる中であえてこういうカードを組んで何を見せるかであるが、プロレス素人の旦那(総合ではかなりの実力者)と新人花とのチームで、まともに試合をできるのは木村響子のみなのだけど、相手への信頼感があって成り立つ試合だろう。
対戦相手の3人は流石のいい仕事であった。
特に鈴木みのるは流石。
旦那に対してはプロレス初参戦なので、プロレスってこういうもんだぞと示すように打ってでる。
打撃にしても、あえてバンバン仕掛ける事で加減を示して行ったのだろう。
もっとも相手がそれを感じ取れたかはわからないが。
また娘・花に対しても容赦ない。
痛めていた手首にも容赦なくかまして行って、プロレスの厳しさを叩き込んでいく。
またアジャもかなり激しく当たっていくし、2人はヒールもやっているのでナチュラルにエグい事をしていくのに対して、里村はそういう反則的なことはしない。
しかし、しっかり攻撃でバシバシ当てていくのはまさに正統派といった感じ。
対する木村一家はほぼ主役がボコくそにされる展開。
他の2人はどうしていいのかわからない場面もたくさんあったものの、暖かい観客とさすがの相手のインサイドワークできちんと成り立っていく。
最後は全員から必殺食らって、里村のデスバレーで沈むことに。
華を持たせるよりも選別といった感じで、却って良かったと思う。
試合後は引退セレモニーとして花等々の進呈と記念撮影。
ここでも各団体が出てきてなかなかの豪華な絵面が並んだ。
しかし、まさか惡斗がこないとは思わなかったな。
件の事件では散々世話になったはずなのに、顔出さないってのはどうかと思うよな。
それはともかく、セレモニー後にマイクがあり、親子シングル戦に。
エキシビジョンみたいなものだが、一応花の勝ちで幕。
親から子へと受け継がれる形で幕を閉じ、最後はテンカウント、そして恒例の騎馬戦スタイルで退場となった。
ここでもクリスが騎馬を作っていたのがなんかよかったね。
進行の部分では少し難があったが、全体的にはお祭り感もあったし、普段見られない顔ぶれも見られたし、よかったよね。
それと、娘の花は確かに可愛らしいルックスで元モデル?をやっていたとあってスタイルもいい。
ハーフだから手足も長いし、愛嬌もある。
ただ、レスラーとしてはやっぱり新人の中の新人という感じで、思い切りや向こうっけみたいのがまだ足りない。
そこをうまく身につけていけたら、スターになれるかもね。
ともあれ、プロレスの良さって厳しくも生ぬるくもできるけど、特にこういう引退試合にはそのひとの人生が滲んでくるように思う。
それをリング上で表現するのがプロレスだから、単に強い弱いだけの価値観ではないところで人を惹きつけるのである。
女子とか男子とか、根本的には関係なくて、要するに何を見せるかである。
ともあれ、今日図らずも女子の若手のエース格が一堂に会して、肌を合わせる場面もたくさんあったから、これがいいきっかけになるといいよね。