続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

RIZINは成功するのか -年末のやつ

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年末は2日間に渡ってRIZINが開催された。

今回も相変わらず往年の選手や神取の参戦などの謎のエンタメカードが多く報じられていたので、事前にはやっぱり批判も多かったし、大会としての期待値は個人的には低かった。

期待していたカードは中井りんの試合くらいで、そのほかは正直知らない選手も多かったし、唐突さのあるグランプリにも興味はなかった。

しかし、結果からいうと全体としては結構悪くなかった。

当初注目カードなどと押されていたもののほとんどは大して面白くなかったけど、初めましての選手が結構よかったんだよね。

中でもまだ18歳という那須川という子は2試合行ったのだけど、どちらも見事な勝利だった。

デビュー戦でこの内容なら十分だろう。

相手の選手もまだ駆け出しみたいだけど、すでにあそこまで圧倒できるのはそれだけ素材としていいものを持っているということだろうし、何よりマイク含めて天真爛漫というか、若さ全開って感じでよかった。

K-1の武尊もそうだけど、こういう勢いも華もある若い子が出てきたのは本当にいいことだ。

あとはメディアの扱いも大会運営側も、うまいカードを組んでほしい。

ちゃんと育てて世界と戦えるようにしてこそ、将来があるというものである。


そして、いろんな意味で注目されていた中井りんは期待を裏切らなかったね。

相手はデビューしてすぐということでキャリア的には大差があるとはいえ、オリンピッククラスの選手だし、デビュー以来連勝中ということで勢いもある中で、中井には勝って当然という意味でのプレシャーはあっただろうが、そんなことは問題ではなかったらしい。

ほぼ完勝という内容で、試合後の両者の態度がそれを物語っていた。

悔し泣きにくれる村田に大して、天然ちゃん前回のマイクをしていた。

まあ、ほぼ何も言っていないけど。

その後バク宙パフォーマンスを披露していった。

本当に10年以上やっている選手だし、実力もしっかりした選手なので、是非これを機会にもっといい環境を手にいれてほしいもんだ。

それにしても、背が低くて顔丸くてあの体つき。

造形的にあまりにも特徴的すぎる。

素敵だ。


女子の試合では大会一押しのREINA、山本美優に加え、高校生という浅倉カンナという子と、怪我で欠場になった神取に変わって堀田が日本人選手では登場した。

この中でREINA、浅倉はよかった。

どっちも若いし、総合デビュー間もないけど、打撃系のバックボーンはあるし、思い切りもいいからみていて面白かったね。

REINAは勝ったが浅倉は判定で負けとなってしまったが、是非継続的に見たい選手だよね。

山本美優は不用意なグラウンドで腕を取られて1本負け、全くいいところも見せ場もなく終わってしまった。

堀田は1週間くらい前に急遽受ける形になったので、まったく練習できていない中であの体格差。

さすがに試合前は顔がこわばっていて、見てて悲しくなってきた。

試合が始まるとロープワークを始めるというプロレスムーブで打って出るがすぐに捕まりあっけなくKO負け。

まあ、仕方ないよね。

そもそも相手のギャビ、女子の中では破格の体格なので、おそらく世界的に見ても同じレベルで戦える選手は少ないだろう。

だからこんな訳のわからないカードでも日本に来たのだと思うけど、相手が用意できないならこんなカードは組むべきではない。

誰も得るものがないし、これで日本の格闘技人気に寄与するとも思えないし。

ちなみに試合後にスターダムに上がっていたアルファ・フィーメルが出て来て挑戦表明したとか。

確かにこいつなら体格的には見劣りしない。

だけど、中軽量級でいい選手が国内にもたくさんいるので、今はとにかくいろんな選手を見せてチャンスをあげて、もう少し成熟して来たらこういう飛び道具的なカードを組む方がいいと思うのだけど。


なお、今回解説席にはフジメグの姿が!

こういうところで出てくるのは、なんか嬉しいな。


男子の試合では、所はアーセンと戦って鮮やかな1本勝ち、見事だったね。

マッハと坂田の試合については、まあそうなるだろうという試合で、レベル的にはスパーリングである。

川尻はいいところを出せずにやられてしまった。

宮田はなんやかんや続けていて、サワーに1本勝ちしている。

グランプリではミルコが優勝したが、なんでバルトなんて出したのかがさっぱりわからない。

誰がみたいんだろうか。


ざっと攫ってみたけど、今回は直前で怪我による欠場や、ビザが下りなかったなんて奴もいて、かなり粗が目立った印象だ。

全盛期を過ぎてすでに半引退状態の選手を出したり、年齢的にもかなり行っている選手を引っ張り出したり、そういうマッチメイクが無茶なんだろう。

別にマスターズリーグ的な試合自体は否定しない。

そういう枠組みでやるならそれはそれでありだし、唯でさえ現役期間の短くなりやすい格闘技の選手に長期的なキャリアを見せることはいいことだと思うけど、それを第一線に組み込んでしまうと結局昔からのファンが楽しく懐古主義に陥るし、イベントとしての将来性も無くなるだろう。

今回でいい選手も出て来たし、せっかくなら年数回は開催して、RIZIN協賛の名の下に小さな大会でも開いて、グランプリもそれで筋道をつけていけば、もっといい感じになるんじゃないかと思うけどね。

選手は本当にみんな頑張っていると思うから、高田、榊原以外にちゃんとした人がフロントに入ってくれるといいのにね。