いきなり少し前の話になってしまうが、年末にGAMIの引退興行へ行ってきた。
去年は結局行った興行は全て引退興行であったね。
時代は流れているんですな。
で、今回のGAMIは女子プロ界、ひいてはプロレス界で観ても変わり種の選手で、わかりやすい個性派レスラーであった。
あまり大きなタイトルに絡むようなタイプではないのだが、その存在感は唯一無二といってもいいだろう。
最近では元JDスターの桜花と組んで団体を立ち上げ、コンセプトも明確に表明して、独自路線の興行を行っており、何かと話題になる事は多かった。
圧倒的にフリーの選手が目立つ女子プロ界において、団体として話題になっていたのはこことスターダムくらいだろう。
JWPなどもそれなりに存在感は示していたが、話題性という意味ではこの団体はかなり頑張っていた。
試合のルールについても何かと特殊なものを取り入れており、明らかなネタマッチ満載、しかしそのお陰で観客導入もかなり伸びており、そうした状況の中で自身はリングから下りて社長業に専念する、ということで引退となった訳である。
こんなに入るとは思わなかった。
そして試合内容だが、なんと総勢75人が出てくるバトルロイヤルという事で、これまた前代未聞の引退試合となった。
登場選手はある程度はアナウンスされていたのだが、とにかく豪華であった。
まず女子の選手では既に引退したであろう紅夜叉とか、ダンプも来たしアジャももちろん登場。
色んな団体から若手もベテランも満載であった。
序盤から里村も出てきて驚いたね。
風香とかも出てきたらもっと面白かったのに。
そして男子レスラーもかなり豪華。
どこに出ても存在感をきっちり示すからさすがである。
個人的にはディーノは初見であったのだが、さすがの存在感、そして実はジェントルマンであることが諸処に見て取れて、これはいいレスラーだと思いましたね。
TAKAも出てきたので、山県やバンビとの絡みがなんか懐かしく。
そしてHIROKIとかも出てきたからインディオンパレードも良かったね。
その中で一番のサプライズはやはり秋山であった。
恐らく関係値はないのだろうから、GAMIの個人的なあこがれ含めた招聘だったのだろうね。
それにしてこうして見ると、さすがにでかいね、メジャーと呼ばれる団体の選手は。
もっとも、この日の一番のサプライズは金村キンタローだったかもしれないが。
試合については、序盤の4人目、里村が出てきた段でいきなりかましたデスバレーボムですぐさま3カウントというアクシデント。
仕切り直しで始るも、続いて入ってきたつくしのドロップキックからのフォールで再び3カウント。
そこですぐさまルール変更して自らの負けはなしという主役っぷりを発揮。
その後もまた3カウントを聴くと、GAMIからフォールを取ったら失格という新ルールも更に追加。
斬新にもほどがある。
不満そうにリングを下りたところでディーノの絡みながら出て行くという展開もお祭り感満載でよかったね。
そんなバタバタな中で最後はWAVE勢との半シングルマッチ。
大畠、水波、そして桜花と順番に試合を行って行くと、勝った者から順番にリングを下りて行くと言う形に。
そして最後は桜花との戦いになったのだが、そこから何故か急加速して勝ってしまうというオチも。
最後はうまい締めくくりを考えながらやっていたのが目に見えたな。
とはいえ、らしいと言えばらしい終わり方で、その後のセレモニーも非常に長く、なんだかんだ面白かったですね。
それにしても、結果的に今の女子プロ界の若手含めて幅広い選手が出ていたのだが、今の女子プロ界を端的に見るにもいい興行だったよね。
スターダムの選手が一人もいなかったのが少し残念ではあったが、やはり底力の差がベテランと若手の間にはある。
しかし、ベテラン勢はもはや地位が確立されてしまっている感があって観ていて面白みがない。
OZアカデミーは割とこの世代が中心の団体なのだけど、やっぱりこう、きな臭い感じがしてね。
で、気になったのが山形がこのあたりの選手と絡む時にやけに萎縮したような印象だったな。
昔かなりいじめられていたというから、ちょうどこの辺りの世代に割をくったのだろうね。
今はレスラーとしても明らかに山形の方が上だと思うけど。
そして個人的に一番どうかと思ったのは、なんというか、あからさまなお祭り感でやられるときもにっこにこでリングから落ちるのが非常にダメだよね。
女子プロ界の衰退の一因はこういうやつらのせいじゃないのかと思うけど。
一方で若手はとにかく元気がいいし、それぞれに自分のキャラを考えながらやっている感じがして、新しい世代と言う感じがいかにも強かったな。
アイスリボンなんて出来た当初は相当あれこれ言われていたけど、結果的に今はそれなりの団体になりつつある。
動員などを考えればまだまだだと思うけど、藤本はじめかなり業界を股にかけるレスラーも出てきているし。
そして朱理、志田のような格闘技っぽいスタイル、華名みたいなセルフプロデュース系、渋谷、大畠、桜花らJD系、仙女のような王道系と、非常に多様性もある中でそれぞれが元気になっているのがいい。
変な閉塞感もないから観ていて面白いしね。
もちろん課題も満載で、彼女らの場合一部を除いて基礎力が弱いと感じるところが多い。
変なきな臭さみたいのはないからいいのだけど、一方で昔の選手の方がそうした安定感があるのは確かなので、その辺りは特にGAMIとかに頑張って底上げをしてもらいたい者だ。
と、引退興行に関係のない事も書いたけど、これからは後進の育成にもより注力して行くようになると思うので、そこは是非頑張ってほしいよね。
若手が増えると勢いは出るけど、一方で基礎が弱くなる傾向は出てくるだろうから、そこの手綱を握る意味でも非常にGAMIは有望だと思うので、これからは裏方として存在感を発揮してほしいね。