続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

成果のその先

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人生は基本的に不平等だし、理不尽なものだ。

 

努力は裏切らないという言葉の意味は、それなりのスキルなり能力の向上には必ず役に立つということに限られて、それが社会的に認められるとか、描いた夢を実現できるかどうかは全く別の問題である。

 

特に商業的なことが絡むと、重要なことは努力しているかどうかよりも儲かるかどうかである。

 

それが実に顕著に示されたなと世間に思わせたのは、先日ブシロード傘下になったスターダムだろう。

 

傘下になって早々プロモーションは打ちまくり、BS、MXでも放送決定、何より天下の東京ドーム大会にダークマッチとはいえ参戦も決定。

 

この最高のチャンスを与えられたのは、岩谷、星輝はともかく、相手は木村花とジュリアである。

 

岩谷、星輝はスターダム1期生で、何はともあれ2人ともチャンピオンだ。

 

星輝については一度引退して復帰しているためいく分風当たりの強さもあるが、それでも今こうしてしっかり試合もできてチャンピオンとして存在感をちゃんと出せているのだから文句はないし、こうやってカムバックして活躍している姿はプロレス的でいいと個人的には思っている。

 

一方の木村花、この子も最近ではかなり自分なりの存在感をしっかり確立して、自己主張しながら頑張っているので団体としても推したいのはわかる。

 

まさかのテラスハウスにまで出演しているし、元々ラウンドガールとかもやっていたのでタレント性もあるしね。

 

団体としての今を示すならまあ、ありだろう。

 

問題はジュリアである。

 

一応言っておくが、ジュリア自体がどうこうとは特に思っていない。

 

件の騒動についても、それぞれの団体が円満解決したと言っているのならもういいだろう。

 

しかし、まさかあの騒動からまだ数ヶ月、なんならスターダムに正式に入団してからはそれこそ2ヶ月も経っていないだろう。

 

そんな彼女にこうしていきなりの大チャンスを与えられたら、周りは面白くないだろうなと思うわけだ。

 

一方で、普段観ない人を引き付けるためには、やはりビジュアルはとても重要である。

 

またスタイルもすらっとしている方がいいだろう。

 

それに、ジュリアもそこまでレベルが高いとは思わないけど、プロレス自体が全くダメというほどでもないから、この4人が選ばれたのは、昔から観ている側としてもわかるところではある。

 

とはいえ、それこそこの間まで白のベルトを最多防衛していた渡辺桃とか、先頃引退してしまった葉月とか、是非観て欲しいレスラーは他にもいるのに。

 

団体の旧来のファンからすれば、イオ、カイリが抜けた後も団体を支え続けた存在に陽の目を見て欲しいと思うのが自然である。

 

しかし、冒頭で書いたように努力がそうした評価と結びつくかどうかは別の話だ。

 

葉月はそうした姿が気に入らなかったんだろうなというのは憶測ではあるが、いずれにせよ所謂大人の事情というやつが久しぶりにあからさまに示される事態であったね。

 

尤も、木谷さんが新日を買ったときに仕切りに言っていたのは「オタクが業界をダメにする」ということなので、そうした断行は必要なんだろうなと思うけどね。

 

 

こんな具合に色々あった女子プロ界であるが、男子の方も色々と動きのあった2019年出あったと思う。

 

長州力の引退興行やデストロイヤーの記念興行でも、多くの団体が参加するレアな自体があったわけだが、そうしたことから垣間見えたように多くの団体が徐々に活気付いてきている。

 

それこそこの年明け早々の興行において、なんとノアの後楽園ホールが完売しているのである。

 

ノアだけでなく、それこそ年末のアイスリボン にしても過去最高級の入りを記録しているし、年明けプロレスや、大日本の興行など、この年末年始興行は軒並みチケットの売れ行きがいいようである。

 

ちなみにスターダムも新木場、両国KFCは安定のソールドアウト。

 

新日本のドーム大会も4日チケットは完売している。

 

ライガー引退試合という大きなトピックもあったにせよ、プロレス界全体として活気づいている様子が窺える思いだ。

 

女子についていえば、この間アクトレスを団体した安納が次どこにいくのか、やはりスターダムだろうか、などと噂されているとかいないとかいう話もあるけど、会場の様子とかを見ても盛り上がってきているんじゃないかな、なんて思っている。

 

まあ、実際は世間的にはまだまだマイナージャンルの域は出ていないけど、今年はもっとプロレス全体が盛り上がるんじゃないかな、なんて期待は寄せている。

 

 

結果的に新日本プロレスが取った方向性は大正解だったわけで、オカダが押され始めたその頃は旧来の棚橋、中邑ファンは反発しまくっていた。

 

だけど、今は結局みんなが嬉しい状態になっているし、あの柴田だってこんなに存在感を示す結果になっている。

 

成功の影に陽の目を見ずに沈んだ人もいたかもしれないけど、なんだかんだ新日本のレスラーは体つきから何から他団体とは明らかに違うしね。

 

女子にしても、こうして正式に男子の超メジャー団体とグループ化されることで、そうした起爆剤となっていったらいいよね。

 

その中で先の渡辺桃や、スターライトキッド、AZMなどちゃくちゃくやってきた子たちにもスポットが当たる日が来るだろう。

 

夏は継続参戦させてもらえるか、ちょっと際どくなるかもしれないが。

 

 

努力が必ず報われるわけではないが、努力しない奴はいずれにせよチャンスにはありつけない。

 

期待しているよ。