今日はプロレス納めとて後楽園でアイスリボンの試合を観に行った。
今年一番観た団体はここだったな。
メインカードはICEX∞のベルトを懸けたトーナメントの準決勝、決勝なわけだが、タッグ戦でも面白いカードが。
アイスの試合にはちょいちょい男子選手も混じっていて、カードにバラエティが出ているのが面白い。
今回気になったのは、会場の女性客率がすこし上がったこと。
やはりテレビに出たり、色々なところで試合をしているのが功を奏してだろう。
最近つっかもマイクで明確に言っているが、女性客を増やしたいという営業努力はすこしずつ報われてきていていいことだよね。
それに、選手の成長もかなり見えてきている。
今回は興行として全体的な満足度も高い大会だった。
試合順的に、ベルトの準決勝2試合が頭に来て、それが非常にいい試合になったので観客のテンションも上がったし、そのあとの選手もそれぞれその勢いに乗るような形になったのがよかったのだろう。
いつものようにポイントポイントをピックアップ。
まず準決勝2試合からだけど、世羅vsくるみ、つっかvsつくしという団体エースvs若手筆頭というカードになった。
今日の結果が来年の団体の指針を決めることになるであろうところなので、どういう展開にするかというところがポイントなわけだが、結果的には種をまくとともに次へつなげるという方向になった。
世羅vsくるみでは世羅の勝ち。
ケガ以降、シングル恐怖症と言っていたくるみだが、ようやくここでシングル復帰となったのだけど、正直ちょっと噛み合っていないところがあったね。
世羅も試合は結構大味だし強引なところがあるのだけど、くるみもなんかから回っているというか、そんな感じだった。
わずか10分かそこからの試合だったけど、明らかにスタミナ切れがあったっぽいし。
まあ、シングル復帰の試合なので、これから先、どう成長できるかである。
続くはつっかvsつくし、このトーナメントのきっかけになったカードだけど、内容はもうメイン級だった。
気がついたらプロレス自体の力はすでにつっかとも遜色ないくらい。
とにかく身体能力も発想力も抜群に高いし、思い切りもいい。
そして見事な三角筋。
本当にあと10cm身長が高ければ、ということだけが悔やまれる。
対するつっかはそこまで身体能力が高いわけでもないし、ド派手な技があるわけでもない。
しかし、1個1個の動きが正確だし、対応力が非常に高い。
試合の組み立てという点で言えば、やっぱり一番うまいと思うし、魅せ方もうまい。
その意味でトータルなプロレスラーだと思う。
この試合は本当によかった。
つくしが光りまくった試合だったね。
もはやアイスの黄金カードといって差し支えないだろう。
結果はつっかの勝ちになったが、インパクトは絶大だろう。
実際、後ろに初めて観に来たっぽいおねえさん方がいたんだけど、終始びっくりしていたし。
こんな試合のあとに続くのは新人7人による勝ち残り戦。
弓李発案の試合だけど、こういう試合ではプロレス頭が何より重要である。
新人ばかりなので誰がリードするのか、というところが見所なわけだけど、結論から言えばそれぞれがそれぞれにうまくフォローしあって機能した感じだ。
コミカル展開もありつつだけど、それぞれが見せ場を作りつつ、悪くない試合だったと思う。
中でも尾崎妹加は2人担いでアルゼンチンをかますなど、存在感を発揮していたね。
この子はうまくすれば大物になるかもしれないね。
完全に豊田が受けて流してという感じで、あっけなく勝ってしまって。
当の豊田もちょっと申し訳なさそうなマイクが印象的だったが、もう少し若手2人には頑張って欲しかったね。
続くは変則タッグマッチ、都子・葛西組vs男子タッグ。
真霜は久しぶりに見たけど、だいぶ丸くなった印象だ。
一方のタンクの方が初めて見るのだけど、セコンドには未央もつく。
相変わらず都ワールド前回で、なぜか未央を人質に取るというゲス展開に。
そこで未央が妊娠していうことを計らずも?発表。
わけのわからない展開で幕を閉じた。
でも、毎回謎の存在感を発揮しているな。
ここで休憩を挟んで、開けての試合は雪妃の7番勝負の最後とて、奈苗との試合となった。
奈苗も随分久しぶりにみるが、だいぶ体を絞ったのかな。
コスチュームも変わったし、しかもキャラクタも試合のスタイルもちょっと変わっていて、びっくりした。
一方の雪妃だけど、7番勝負はいくつか見たけど、その時はなんだかなぁと思っていたけど、今日はよかったね。
ただ、手足の長さを活かそうとするのはいいのだけど、それが攻撃パターンや彼女の身体能力と見合っていない印象である。
正直運動神経の高いわけでも身体能力が高いわけでもないと思うので、ソリッドな展開は難しいだろう。
むしろ光ったのは関節への入り方はすごく鮮やかに入っていい感じに攻め立てていたので、彼女はそっちを磨いた方がいいんじゃないかという気がする。
実際アイスの中にもそういう選手はいないので、その方が存在が際立つのではないかと思うよね。
せっかくヴィジュアルも良くて、キャラもあるし、ストーリーもあるから、成功してほしいしね。
続くはタッグベルト戦、Wave勢vsアイスのデブ、もといぽっちゃり2人だ。
今のアイドル路線の女子団体にあって異色な2人だが、すっかりファンにはおなじみだ。
正直あまり期待していなかったけど、とてもよかったね。
大畠、水波は言わずと知れた実力派で、大型だろうがスピード型だろうが対応できる力を持っている。
対する2人が実際問題どこまでできるのかがわからなかったけど、かなり動けるし、プロレス的に見てもよかった。
4人の中ではやや下のポジションのような扱いの宮城もちも、ちゃんと置いていかれることなくやっていたし、それどころかしっかりと見せ場も作っていたからね。
かなり食らいついたけど、最後は3カウントを聞いた。
でもいい試合でしたね。
プロレスっていうのは自身のコンプレックスが強みになるという側面があるのだけど、彼女らはその体を見事武器にして戦っているし、それで認められている。
こういうところがプロレスがなんだかんだ長く愛される理由ではないかと思うよね。
それにしても、相変わらず大畠声かわいいな。
そしてラストはベルト戦。
珍しくつっかが技をミスる場面がいくつかあって、明らかにつくし戦の疲れが見えた。
方や世羅の方は体力的にはゆとりがあったのかなという印象ではあるが、煮え切らない展開が多かった。
世羅のスタイルが大技で相手の流れをぶった切る、的な感じで行くならそれはそれでいいと思うが、それを生かすためには畳み掛けってやつをもっと重視してほしい気もする。
勿体無いんだよな、ほんと。
とはいえ、ここでは世羅が勝った。
試合後、つっかはかなりダメージも大きかったらしく、しばらくリング上から姿を消していた。
マイクはしばらく世羅が仕切りながら、所属選手がそれぞれ団体への抱負を叫ぶ展開があり、ここで一つの方向性を示したかったのだろう。
そもそもこの大会のカードを見ても、新人のみの試合があったり、メイン前のタッグを非ビジュアル系2人に任せたり、もちろん他のカードとの兼ね合いの都合もあるにしても、スターダムと同じ方向性にしても意味がないし、かといってこれまでと同じ内々でのやりとりだけではやはり井の中から出られない。
団体として、世羅を中心に据え、世羅自身もそれに自覚的になったことで、また違う風景が見えてくるかもしれないですね。
加えて今日は1108人入ったとのことで、後楽園での動員はレコードだそうだ。
着実に伸びてきていて、いいことだよね。
非常に色の濃い若い選手もたくさんいるので、来年はさらに大きくなって行くステージだと思うので、引き続き頑張ってほしいよね。