続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

現実の厳しさ -スターダム3.8

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コロナの影響でイベント各種が中止、延期となる中で、スターダムは無観客試合かつYoutubeでの配信という手段を講じた。

 

さすがブシロードと思うわけだが、実際視聴数は10000を超えており、余裕で後楽園はフルハウス大田区体育館もソールドアウト目指せるくらいのポテンシャルを見せた。

 

私も配信を見ていたんだけど、無観客ながら試合全体としては悪くなかったと思うし、結果的にいい機会になったのではないかとも思う。

 

今の世の中でエンタメをやろうと思ったら、完全にクローズドにお金を撮るよりも、適切にオープンにした方が結果的にいいのではないかと思う。

 

ともあれ、いい時間潰しにはなった。

 

 

ブシロード傘下になってからというもの、プロモーションにも金をかけているし、デザイン的にもかなり力が入っている。

 

実際興行のポスターも今までとは明らかにテイストが違う。

 

こういう見せ方は新日本ではやっていなかったと思うから、ブシロード的にもテスト的な側面があるのかもしれないが、そもそも男子以上にマイナーな女子プロレスである。

 

こうしたわかりやすいアイキャッチ的なものを出しているのだろう。

 

また週プロでも見開き広告出しているし、東スポでもタイアップ的に出しているようだ。

 

さすがだなと思う。

 

 

その一方で、昔からのファンとしてはどうしても寂しい気持ちにさせられることも。

 

今日の興行で、タッグのベルト戦があり最強外人タッグvs渡辺桃林下詩美組の試合があったのだけど、結果はチャンピオン組の防衛。

 

結果そのものについてはさもありなんと思いつつも、問題はその後だ。

 

先頃QQに入った新人・上谷が挑戦を表明、しかもなぜか先ほど防衛線を終えた林下とのタッグを申し出たのだ。

 

試合直後にも関わらず普通にそれを受諾する林下だが、桃はどうなる?

 

3カウントを取られたのみならず、一切触れられることもなく、いつの間にか退場しており、扱い的に酷すぎるだろう。

 

キャリア的にはこの団体内ではベテランの領域に入っているが、まだ19歳だ。

 

確かに今ブシロードが押そうとしている路線からすると、体型的にもスタイル的にもビジュアル的にもそぐわないのは確かだ。

 

だけど、試合自体はいい試合するわけだし、これまでのキャリアも遜色ないだろう。

 

最近のファンにはピンとこないだろうけど、彼女にも結構いい感じのストーリーがあるのだ。

 

あのイオから引き継いだ要素もあるわけで、それがカイリ、イオが抜けた後のスターダムを支えてきたのに。

 

せめてそれなりのポジションがあればと思うが、いまのところそれもなさそうだ。

 

ひたすら中心から外されていくような感じがあって、見ていて悲しくなってくる。

 

ジュリアにしろ花にしろ、それぞれの必死さは否定しないし、あの団体は結構そういうものをここの選手がしっかり持っている印象がある。

 

だからこそ、こうして格差が出てしまうところに社会の理不尽さというか、そういうものを強く感じて切なくなるのだ。

 

まだ19だぜ?彼女を中心とするユニットQQでもリーダーながら下から数えた方が早い年齢だ。

 

確かに上谷は可愛いし、元AKBの研究生という話題性もあるし、動きもいいし華もある。

 

かと言って別に甘えている感じもないからいい素材なのは間違いない。

 

林下も個人的には好きなタイプのレスラーではないが、注目される理由もわかる。

 

だけど、それにしても今から見た人は渡辺桃に対してどう思うのだろうか。

 

それを彼女はどう受け止めるのだろうか。

 

 

私は自分でいうのもなんだが、着実に結果を出しているにも関わらずあまりアピールが得意じゃないからさして評価もされない人生を過ごしてきた。

 

大体の場合、もう辞めようと思う頃にようやく評価されて、散々惜しまれるみたいなエンディングを過ごしてきている。

 

結果的にそういう扱いになる分まだましなのかもしれないけど、どうもそういう感じが今は見えない。

 

こういう人気商売の世界では、後からくる評価なんて意味ないしね。

 

 

でも本当、世知辛いよね。

 

プロレスの面白さは、良くも悪くもこういう社会の縮図みたいなものが見えてしまうところにもあるわけだけど、桃には腐らずに頑張って欲しいなと思う。