続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

気づけば恒例アイスリボン -後楽園12.31

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今日はここ数年すっかり定番になっているアイスリボンの年内最後の後楽園大会へ。
 
今年一年何かと話題に事欠かない団体で、藤本は見事女子プロ大賞にも選出された。
 
10代の新人達も技術面はもちろんイマイチではあるが、元気に試合をしていて、団体としての勢いを感じる。
 
いつの間にかチームDATEの子達がいなくなっているが、ともあれ着実に新人を育てているので中堅達もうかうかしていられないという好循環を生んでいるのかもしれないね。
 
今日もいくつか目玉カードがあったわけだが、とりあえず試合順通りにさらりと。
 
 
第1試合は改めてのデビュー戦となったすずと、先にデビューしながら同い年の朝陽のシングル。
 
本来なら8月の文体でデビューが決まっていたが、なんとその試合発表のすぐ後に自転車で転んで遠洋になるという、ある意味プロレスラーとしてはおいしいエピソードに見舞われたわけだが、入場時にそれをギャグにして自転車に乗って入場。
 
さらに試合中もそんなアクションを見せるなど、デビュー戦ながらなかなかのハートの強さを見せつけた。
 
驚いたのは、なんと試合を決したのはジャーマンスープレックスホールド。
 
相手もまだそんなにキャリアもない選手なので、この技はまだ使っちゃダメだろ。
 
技ってかける方は身体能力が高ければ割とできちゃうと思うけど、一方でちゃんと受けれる人が相手じゃないと怪我するぞ。
 
とはいえ、これからが楽しみな感じになりそうですね。
 
 
続いては8人タッグ、アクトレスからの参戦もあり、わちゃわちゃした試合になった。
 
謎展開も満載で正直よくわからないところもあったが、年末感があってよかったですね。
 
それにしても有田ひめかという子を見るのは2回目だが、可愛らしい顔に上背もあるので、女子の中になっては非常にいい素材だと思うけど、如何せん動きが緩慢なのが残念だ。
 
これからどうなるかだね。
 
また安納さおりはやっぱり美人だし、意外と背中から肩周りの筋肉がすごく付いており、かなり練習しているんだろうなという感じだ。
 
プロレスラーは男子でも女子でも、やっぱり体の説得力って大事だよね。
 
 
続いてはいつの間にかシリーズ的になっている鈴木秀樹絡み。
 
しばらく前から続いていた代理戦争の決着戦、なのかはよくわからないが、気がつけばテキーラ沙耶とジュリアが対角線に立ち、その横にはそれぞれ鈴木と青木真也が立っている。
 
IGFか。
 
青木は生で見るのは初めてだったんだけど、試合はさすがの意味不明展開。
 
ランバージャックながらリングから落ちた瞬間所属選手にリンチにあう鈴木がいい仕事をしていた。
 
途中どさくさに紛れてレフェリーも足蹴にするなどやりたい放題だが、完全に一連の流れを踏まえた試合だったので、普段見ない人にはイマイチよくわからないやりとりだっただろう。
 
ともあれ、なんだかゆるさもあり良かったけどね。
 
試合後はノーサイド的な展開になるかと思ったらバタバタとしてみんないなくなると、客席からは「これで終わりかよ!」という声が響いた。
 
 
続いては一応ベルト戦、トライアングルの試合なのだけど、ここで松本都登場。
 
チャンピオンは趙雲子龍、挑戦者に都とうの、レフェリーはバニー及川と告げられるも、都が自らレフェリーを金で雇ってつれてきて、半ば強引にそれを承認させることで往年の展開の振りはばっちりだ。
 
案の定試合は終始そんな調子で、わかりやすくグズグズの展開が続く。
 
正直途中で展開が見えなくなってしまったが、最後は思わぬどんでん返しが。
 
なんと業を煮やしたバニー及川がコーナートップからのボディアタックかますとそのまま3カウント、初のレフェリー王者が誕生した、かと思ったらさらにもう一展開。
 
来年はレフェリーからレスラーに転向するらしい。
 
どんなサプライズだよ。
 
 
続いては世羅vs志田のリマッチ。
 
かの横浜文体では世羅が負けたことで遺恨を残した格好だが、ここで改めて清算というわけだ。
 
今回はハードコアの試合ということで、リング上にはラダーやパイプ椅子が持ち込まれたのだけど、全体的に言ってプロレス的な試合はやっぱり志田の方が上だという印象。
 
私は世羅のプロレスが正直あまり好きではない。
 
以前はそれでも畳み掛ける時の力強さとかはあったんだけど、もともと細かな展開や流れを作るのがあまり得意でないのか、かなり強引な試合が多いので、ある意味ではハードコア的な試合が彼女にあっているのは確かかもしれない。
 
結果は世羅が見事リベンジを果たしたわけだが、今後はどうなるのか。
 
 
次はタッグベルト戦、らぶっちゃvsGEKOKU娘である。
 
もはやアイスのタッグチームといえばというくらいの定着しているらぶっちゃに対して、若手できちんとユニットになっている珍しい2人。
 
歌手デビュー?も果たしているわけだが、この2人は正直団体内ではそこそこ認められていると思うけど、外から見れば存在感はないだろうと思っているんだけど、実は2人とも悪くない。
 
弓李は細身ながら技の一つ一つは結構正確だし、実は関節技なんかも使えるし、投げ技もきれいに決めるので割とオールラウンダータイプだろう。
 
一方の尾崎は元ウエイトリフティングの選手だけあってパワーはピカイチ、力技をばっちり決めてくるし、女子なら平気でアルゼンチンで担ぐ姿は実に絵になる。
 
なので、実は結構期待していたんだけど、結果は見事買って戴冠。
 
ここぞという畳み掛けはやはりらぶっちゃの方がよくて、かなり追い込まれたものの逆転の丸見込みで勝利した。
 
試合自体も良かったよ。
 
今後ベルトを持って2人がどんなアピールをしていけるかで、ここからのキャリアが変わるだろうね。
 
 
そしてメインは藤本vs雪妃のチャンピオンシップリベンジマッチ。
 
ここ1年で雪妃は本当に変わったよね。
 
先の文体でも非常にいい試合を見せたんだけど、今日も要所要所でいい意味でお決まり展開を裏切る場面があり、見ていて面白かった。
 
一方の藤本はスタイルとして完成されているので、いつもの藤本だったわけだが、そういうところがひょっとしたらやりづらさみたいなものにもつながったのかもしれないと思わないではない。
 
以前は決め技らしい技もなかった(なかったわけではないが、それを活かせていなかった)が、今はきちんと決め技を決めどころで出せるし、打撃だけでなく長い手足を生かした関節的な技も使うようになっているので、試合にもメリハリが出てかなりいいのである。
 
かなり攻め込まれる場面もあったけど、今回は見事雪妃が勝利、ラストは自身のオリジナル、スノートーンボムというのもよかったね。
 
試合後のやりとりを見ていても、藤本の彼女に描ける期待がうかがえたし、実際スタイルもいいし美形だし、物語もある彼女なので、もっと存在感を出してもいいのである。
 
これからチャンピオンとしてどんな試合をしていくか、また9月の文体まででどんな成長をするのかが素直に楽しみな存在である。
 
彼女はいわゆるエリートと言えるキャリアを持っている。
 
フェリス女学院卒で銀行勤務からプロレスに転身しているが、なんとなくだけどスーパーエリートではなく秀才タイプかなと思っている。
 
かなり努力してようやっと結果を出してきた中で、周りはナチュラルにすごい奴が多い環境だったのかなと勝手に思っているんだけど、そうすると実績以上に自分を評価できないようになるから、自信がないような振る舞いをどうしてもしてしまう。
 
でも、実はちゃんと役割を与えるとものすごく力を発揮するし、努力することを知っているし、結果に対して真摯だから、多分これからもっと良くなっていくはずである。
 
この判断に踏み切った藤本はやっぱりすごいなと思った。
 
ベルトも無くなった藤本には、ぜひ他団体への進出含めた動きを期待したいね。
 
 
と、足早ながら全カードを改めて見てみたけど、またカード的にはバラエティが出てきた感じがある。
 
一方で中堅の中でも差が出てきているよね。
 
少し前まで同じところにいた沙耶とうのは、今回の大会では差が明確だった。
 
うのははっきり言って存在感ゼロだった。
 
いっときハッチャケキャラで少しだけ変わったかと思ったが、今日はダメだったね。
 
一方で何気にトトロはそれなりのポジションをえていたり、いぶきも着々成長しているしね。
 
いずれにせよ、勢いのある団体は新陳代謝も早いので、そこでどう存在感を示しながらサバイブできるかである。
 
 
9月の文体で2000人以上を集められるか、それがこれからの半年の大きな命題だろうね。