続・論理プロレス論考

観戦の感想、レスラー個々、そしてプロレスを見る私と、様々な角度からあれこれプロレスを語りたいブログ

プロレスの面白さはガチなところに

イメージ 1

 

最近Yahooの記事などで、やけに自分の好みによったニュースが多いな、と気になった人はいないだろうか?
 
実は、あのポータルサイトの向こう側ではユーザーの好みに合わせてより好まれる記事を配信する、という仕組みが働いているのをご存知だろうか。
 
やはり好きなジャンルをばかりクリックしてしまうのはネットの特性であるが、そのことによって好みがバレているのである。
 
私の場合は、格闘技、音楽、グラビアの記事ばかりが上がってくる。
 
怖い世の中になったものだ。
 
そんな機能のおかげで私には頻繁にプロレス絡みの記事が出てくるのだけど、この間話題に登ったのは鈴木みのるvs棚橋のIC。
 
鈴木みのるが奪取し、棚橋はそのまま欠場となったわけで、そのこともあってあれこれとコメントも花開くわけである。
 
そうして好きなプロレスについてあれこれと議論が花開くのは嬉しいのだけど、一方で違和感というか、特に最近の新日本プロレスのファンのスタンスというか、そこにとにかく腑に落ちないようなものを感じることが多い。
 
これはいわゆるネットユーザーに限らず、会社にもいるファンも同様の傾向がある。
 
 
その違和感の訳を一言で言えば、プロレス=演劇という認識が完全に浸透しているためだと思われる。
 
彼らは彼らでプロレスを純粋な娯楽として楽しんでいるのはわかるし、好きな選手を大声で応援して負ければがっかりしてみせるので、その意味では非常にピュアではある。
 
しかし、一方で捉え方というか、変に冷めたところもあるよ思っていて、それがなんだかなと思う訳である。
 
かくいう私も大概冷めた見方をしていると思うし、似たような思考をしているところもあるけど、私はプロレスを演劇的に楽しんではいない。
 
結果はとても重要だし、誰が勝つんだ、誰と次にやると面白そうかなどを考えながら見るのはとても楽しい。
 
だけど、本質的に面白いと感じるのは、どこまで言ってもレスラー自身のリアリティである。
 
どこまで本気かというか、みんな本気だとは思うんだけど、うまく言葉にするのは難しいんだけど、キャラクタではない素の、根っこの部分が見えるのが面白いのである。
 
 
例えば私が好きなレスラーは柴田勝頼とKENTA(今はヒデオだが)なんだけど、彼らの何が好きかって、試合に彼らの負けん気とか三重とかプライドとか、それがものすごく見えることである。
 
また、同じ意味で本当にすごいなと思うのが先にもあげた鈴木みのるである。
 
今やフリーながら新日本でもしっかりと存在感のあるレスラーだが、彼は常々苛立ったような顔をしている。
 
彼は彼で演じているところ、プロレスラー鈴木みのるの仕事をしているところはあるんだけど、だけどその向こう側に常に本気が見えるんだよね。
 
何がって言えば、体もそうだし、強さに対してもそうだし、存在感を示すための必死さもそうだし、その甲斐あってというべきか、彼はベルトを持っていてもいなくても常に鈴木みのるだし、結果的に世界から声がかかる存在になっている。
 
昔三冠を持っていた時もそうだったけど、王者・鈴木みのるではなく鈴木みのるがベルトを持っている、という感じなのである。
 
彼にとってはベルトなど大して問題ではなくて、持っていてもいなくても存在感もあるしね。
 
 
話を戻すと、鈴木みのるだけでなく試合を見ているとなんだかんだそのレスラーの素やガチの部分が垣間見える瞬間があるんだけど、それが面白いのである。
 
プロレスの批判の常套句はヤオガチ論だけど、その批判が私にとっては的外れに感じるのはそういうわけである。
 
でも、それって音楽でも演劇でもなんでも一緒だと思っていて、その人の本気の瞬間って伝わるところってあるじゃない。
 
プロレスの試合って特にそれがレスラーによっては明らかん違いが出ると思っていて、だから私は格闘技は全般見るけどなんだかんだプロレスが一番好きなのである。
 
逆に言えばそれが見えない試合っても面白くないのである。
 
今の新日本の試合は、確かにすごいと思うし、レスラーのレベルも高い。
 
他の団体と比べても、全体レベルは明らかに高い。
 
だけど、試合については正直あんまり面白くないんだよね。
 
すごいんだけど、なんか私の琴線には触れないらしいのである。
 
柴田も欠場しちゃったしね。
 
新日本プロレスワールドも契約しているけど、最近は結果を見て良さそうな試合だけを見る程度。
 
そして引っかかる試合が大体鈴木みのるの試合である。
 
前回は1.4の後藤との試合だったけど、鈴木みのるの試合はやっぱり面白い。
 
何年も前から使っている技も試合の流れも何が変わったというわけでもないけど、ずっとすごいんだよ。
 
 
プロレスの楽しみ方として、「あ、今のマジだろ・・・」という瞬間を探してみるのもなかなか面白いのでオススメである。
 
それだからこその感動もあるからね。